ゲリラ豪雨や台風などでの水害が近年増えていますが、もし水害で家が床下浸水などになった場合の補償はどのようになっているのでしょうか。(40代/男性/自営業)

★ファイナンシャル・プランナー 金子千春さんからのアドバイス

平成26年の水害被害額は約1,317億円、被災建物棟数は約29,000棟(国土交通省水管理・国土保全局発表)。最近は、台風や暴風雨などにより発生する洪水や土砂崩れだけでなく、ゲリラ豪雨によって突然増えた水が行き場を失ってマンホールから水が溢れ出す、といった都市型洪水も増えています。これらの被害は、火災保険に水災補償がついていないと補償されません。実は、現在の損害保険会社各社の火災保険は、それぞれ独自の商品を販売しているので、補償内容は同じではありません。水災を補償するプラン、補償しないプラン、また水災補償を自分でつけるか否かを選択するタイプのものあります。自分が加入している(しようとしている)商品がどのようなタイプがチェックしておきましょう。
台風や集中豪雨等によって起こる被害は、「空から降ってくる雨や風が直接の原因となって起こるもの」と「雨が降った結果、川の氾濫や増水などが原因となって起こるもの」の2つのパターンに分かれます。したがって、台風や集中豪雨による土砂崩れによって建物が押し流されたという場合や、集中豪雨や台風で近くの川が氾濫し、床上浸水して、壁の張り替えが必要となったという場合、火災保険の水災補償をつけていれば補償の対象となります。なお、火災保険における水害保険金の支払い要件は、会社によって異なりますが、一般的に次のようなものがあります。

・建物または家財それぞれの時価の30%以上の損害  
 または
・床上浸水または地盤面から45cm超える浸水による損害

つまり、床下浸水等の場合には、これらの要件を満たさないケースも出てくるので注意が必要ですね。
また、水災補償は商品によって異なる補償のされ方をします。たとえばかつての主流商品だった「住宅総合保険」の場合、損害に応じて3つの段階に損害区分が設けられ、受け取れる保険金は最大でも火災保険金額の7割までです。
一方で、現在主力商品として販売されている火災保険は、たとえば、損害割合が30%以上となった場合には、保険金額を限度に損害額を保険金として支払う「実損型」タイプが主流となっています(ただし、損害割合が30%未満の場合には、損害額よりも保険金は少なくなるケースがある)。あるいは、損害割合の大きさにかかわらず損害額を100%補償する「完全実損型」もあります。

加入の際にはどんな場合にどの程度保険金が出るのか、要件を確認しておきましょう。

<参考:保険金の支払い要件の例>

商品 保険金を支払う条件や保険金額
A社の火災保険水災補償特約 保険証券に記載の建物・家財が床上浸水を被った結果、損害が生じた場合に、損害額を支払う(保険金額を限度)
B社の住宅総合保険水災補償 (1)損害額が30%以上・・・損害額の70%
(2)損害額が15%以上30%未満・・・保険金額か保険価格のいずれか低い額の10%を支払う(1事故1敷地内につき200万円が限度)
(3)損害額が15%未満・・・保険金額か保険価格のいずれか低い額の5%を支払う(1事故1敷地内につき100万円が限度)
ただし、(2)と(3)を同時に支払う際には1事故1敷地内につき200万円が限度
C社の住宅専用火災保険水災補償 (1)再調達価格の30%以上の損害が生じた場合
(2)床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水により損害が生じた場合
のいずれかに該当した場合に保険金額を支払う(保険金額が上限)

※保険金額は契約金額、保険価額は時価のこと。
※再調達価格とは保険対象と同等のものを再取得するのに必要な金額

また、水害の場合は建物だけでなく、汚水や泥水で家財に相当の被害が出ます。保険料との兼ね合いを考える必要もありますが、家財にも補償をつけておくことをおすすめします。
自分が住む地域に過去、水害被害がなかったとしても何が起こるか分かりません。高台にあるマンションの中層階以上で土砂崩れの心配もない、という場合には水災補償は必要ないでしょうが、自分の家は大丈夫と油断しないようにハザードマップなどを参考にしっかり備えておきたいものですね。

●関連記事
定年後の生活費は大丈夫?~50代からできる家計の見直し~
「定年退職後の夫婦の生活」についての意識調査を実施
生命保険で満期金を受け取った場合の税金はどうなるの?

住宅ローンをご検討中の方

この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

おすすめ記事
"