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住宅ローンの審査には、ローン申し込み前の「事前審査」と、正式に申し込んだ後の「本審査」があります。住宅ローンを利用してスムーズに住宅購入手続きを進めるために、それぞれの審査で確認される点や審査にかかる期間などを把握しておきましょう。

住宅ローンの「事前審査」と「本審査」の違い

「事前審査」は、住宅ローンに正式に申し込む前に、申込者の返済能力などを最小限の情報から短期間に判断する審査です。物件の売買契約等を結ぶ前に申し込めるので、「住宅ローンが借りられそうか」を契約前に確認することができます。

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1日~1週間程度で審査結果が連絡され、事前審査に通れば正式なローン申し込み(本審査)が案内されます。不動産業者と売買契約書等を交わした後に、正式にローンを申し込むと本審査が行われます。

「本審査」は金融機関と信用保証会社が行い、提出した書類に基づいて詳しく審査され、担保物件や健康状態(団体信用生命保険加入のため)なども確認されます。

審査期間は金融機関によって異なりますが、1~2週間程度が一般的です。本審査に通ったら、住宅ローンの契約手続きを行い、物件の引き渡しと同時に借り入れという流れになります。

<図表1:住宅ローン借り入れと不動産業者との手続き>img_00102_01

返済能力が確認される「事前審査」

 事前審査の申し込みは、購入物件が決まった段階で行います。審査には、契約金額や借入希望金額、返済期間、物件の所在地・面積・建物構造などの情報が必要になります。

事前審査は申込者の収入や資産に対して、その物件を購入することに無理がないか、きちんと返済できるのか、といった申込者本人の信用や返済能力に関する審査が中心になります。

「その他の借り入れ(カードローンや自動車ローン等)」があると住宅ローンの返済にも影響するので借入状況が確認されます。

事前申し込みの際には、金融機関が個人信用情報機関に照会して申込者の借り入れや返済の状況などを確認することや、住宅ローンの申し込みや契約の情報が個人信用情報機関に登録されることへの同意が求められます。

<図表2:事前審査の際に必要な書類の例>

書類名
・住宅ローン事前審査申込書
・本人確認書類(運転免許証・保険証など)
・収入を証明する書類(源泉徴収票や確定申告書など)
・物件の資料
・他に借り入れがある場合は、契約内容やローン残高がわかる書類

 ※詳しくは各金融機関で確認しましょう。

担保物件や健康状態まで確認される「本審査」

本審査は、不動産業者と売買契約などを交わした後に正式にローンを申し込むと行われる審査です。記入した申込書類だけでなく、不動産業者との契約書類や役所で取得した証明書類なども提出します。

金融機関と保証会社によって詳しく審査され、物件の担保価値、団体信用生命保険加入に加入できる健康状態かどうかなども確認されます。より詳しく審査された結果、「事前審査は通っても本審査は通らない」場合もあります。

そのため、不動産業者等と交わす売買契約書等には、一定期日までに借り入れが認められない場合には、売買契約を解除でき手付金も返還されるという「融資利用の特約」を付加しておきます。

<図表3:本審査の必要書類の例>

書類名 内容
申込関連書類 ・住宅ローンの申込書
・団体信用生命保険の申込書兼告知書
本人確認書類 ・印鑑証明書
・住民票の写し
・運転免許証またはパスポートまたは個人番号カード等
・健康保険証
所得証明書類 ・源泉徴収票
・住民税決定通知書または課税証明書等
・確定申告書の写し
・決算書
購入・担保物件に関する書類 ・売買契約書等の写し
・重要事項説明書の写し
・物件の登記事項証明書
他に借り入れがある場合 ・契約内容やローン残高がわかる書類

※必要書類は、金融機関、申込者の勤務先や職業、購入する物件等によって異なります。

審査を申し込む前に確認しておきたいこと

金融機関によって異なりますが、事前審査の申し込みから借り入れまでは一般的には1ヶ月以上かかるので、ローンの申し込みは早めに行いたいものです。しかし、購入物件や購入条件がはっきりしないうちに慌てて申し込むと、かえって手間も期間もかかるので注意が必要です。

審査申込後に借入金額や返済方法などの条件変更を行った場合は、追加の書類が必要になったり、再審査となったりする場合もあり、審査期間が延びる場合もあります。

また、審査を申し込む前に、審査に不利になりそうなことは改善しておきましょう。審査に通らない理由の1つとして「その他の借り入れ」があります。

国土交通省が金融機関に行った調査(図表4)によると、住宅ローンの審査項目では、完済時年齢や健康状態、勤続年数など申込者の属性に関わるものの他に「返済負担率※」や「カードローン等の他の債務の状況や返済履歴」という項目が目につきます。

「その他の借り入れ」があると返済負担率が高くなるので、新たな住宅ローンの返済は難しいと判断される場合があります。審査申込前に返済中のその他のローンの臨時返済や一括返済を行っておけば、返済負担率を抑えることができます。

※返済負担率:年収に対する年間のローン(住宅ローンだけでなく、その他利用中の自動車ローン、カードローンなども含む)返済額の割合

<図表4:融資を行う際に考慮する項目>

審査項目 割合
完済時年齢 99.3%
健康状態 98.4%
担保評価 97.8%
借入時年齢 97.5%
勤続年数 96.4%
年収 95.6%
連帯保証 92.6%
金融機関の営業エリア 92.4%
融資可能額(融資率)①購入の場合 90.7%
融資可能額(融資率)①借換えの場合 88.4%
返済負担率 87.4%
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴 77.5%
雇用形態 77.1%
所有資産 68.0%
国籍 64.9%
申込人との取引状況 59.5%
業種 38.4%
雇用先の規模 30.1%
家族構成 29.9%
性別 21.1%
その他 6.6%

平成27年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書(国土交通省住宅局)より
http://www.mlit.go.jp/common/001122119.pdf

また、その他の借り入れについて過去に延滞などの履歴があると住宅ローンの借り入れは難しくなります。

現在や過去にその他の借り入れがある方は、審査を申し込む前に、個人信用情報機関に登録情報の開示を請求し、登録されているご自分の借入状況や返済履歴を確認しておかれるとよいでしょう。手数料は500円~1,000円程度です。

なお、審査に通らなかった場合に、その理由を金融機関に教えてもらうことはできません。

<図表5:個人信用情報機関>

信用情報機関 おもな加盟企業
全国銀行個人信用情報センター
http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/
銀行・信金・信組・農協など
シー・アイ・シー
http://www.cic.co.jp/mydata/index.html
クレジットカード会社など
日本信用情報機構
http://www.jicc.co.jp/kaiji/about-kaiji/index.html
消費者金融・クレジットカード会社など

申込前でも申込後でも、不明点や気になることはローンの窓口や担当者に早めに確認し、滞りなく住宅ローンの借り入れや住宅購入の手続きが進められるようにしていきましょう。

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この記事の筆者
大林香世 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者

ライフプランから見て無理のない住宅購入計画やローンプラン、保険や相続、資産運用などの相談支援業務を行っている。各種セミナー講師、新聞・Webサイト等へのコラム執筆でも活動中。

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