知っておきたい! はじめての住宅ローン

住宅購入を考え始めると、気になるのが住宅ローン。「住宅ローンの仕組みは難しいのでよくわからない」という方も多いようです。今回は「住宅ローン初心者」の方向けに、住宅ローンの基本的な仕組みについてまとめました。まずは基本を押さえて、住宅選びと同時に住宅ローン選びも進めていきましょう。

住宅ローンってどんなもの?

住宅ローンとは、宅地や住宅の購入、新築・改築などのために、購入物件を担保に金融機関からお金を借りるものです。銀行など民間ローンのほか、財形住宅融資などの公的ローンや住宅金融支援機構と民間金融機関との提携ローンである【フラット35】があります。

マイホームという高額な買い物のための住宅ローンなので、最高借入可能額は、5,000万~1億円程度と高額。従来は「融資比率(※1)は8割まで」という住宅ローンが多かったのですが、現在は融資比率10割やそれ以上でも可能なローンや、住宅購入に伴う諸費用も含めて借りられる住宅ローンもあります。ただし、借入可能額の範囲内でも希望通りの金額が借りられない場合もあります。

※1 融資比率:購入する物件の価格に対する借入額の比率

返済期間は、最長35年が一般的です。ただし、年齢要件もあるので、仮に完済時の年齢要件が79歳のローンを47歳で借り入れた場合は、返済期間は最長でも32年になります。

返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。一般的なのは元利均等返済で、毎回の返済額が一定で返済計画が立てやすいというメリットがあります。元金均等返済は、総利息負担額は元利均等返済よりも少なくて済みますが、返済当初の毎月返済額は元利均等返済よりも多くなります。

<図表1 元利均等返済と元金均等返済>

img_00063_01

※ARUHI「借り入れシミュレーション」にて試算

住宅ローンの利用条件は?

住宅ローン利用の際には、「利用者」と「物件」に条件があります。

「利用者」の条件は、日本国籍のある人や永住権のある人、借入時年齢は20歳~65歳程度、完済時年齢が75歳~80歳以内であることなどがあげられます。民間金融機関の住宅ローンの場合は、団体信用生命保険に加入可能であることも条件になります。

それに加え、勤続年数や収入、返済負担率(※2)などの条件もあります。【フラット35】の場合は、勤続年数や年収についての要件はありませんが、民間金融機関の住宅ローンでは、勤続年数や最低年収などの基準が決められています。返済負担率が高ければ、希望の借入金額を借りることは難しくなります。【フラット35】の場合は、年収400万円未満の場合は返済負担率30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下であることが条件です。

※2 返済負担率:年収に対する住宅ローンを含めたすべてのローンの年間返済額の割合

「物件」の条件は、【フラット35】の場合、一定の床面積要件を満たし、住宅金融支援機構が定めた技術基準に適合している住宅が対象となります。民間住宅ローンの場合は、物件に関する条件はあまり明示されていませんが、建築基準法やその他の法令に適合していない物件や、面積や所在地等によっては融資対象とならない場合もあります。

住宅ローンの金利タイプの違い

住宅ローンの金利タイプには、変動金利(半年型)、当初固定金利型、全期間固定金利型があります。固定金利の期間が長いほど金利上昇の心配はありませんが、金利は高めになります。

<図表2 金利タイプの特徴>

金利タイプ 特徴
変動金利(半年型) 6ヶ月ごとに金利が見直される。多くの金融機関では、毎回の返済額の改定は5年ごとに行われ、改定後の返済額は従前の1.25倍以内というルールがある。金利上昇幅が大きければ、元本返済が進まず、未払利息が発生する可能性がある。
当初固定金利型 3年、5年、10年など当初一定期間の金利が変わらないタイプ。固定期間終了後は、何も手続きをしなければ変動金利(半年型)に、特約をつければ当初固定金利型にもなる。その時点の金利が適用される。
全期間固定金利型 返済期間中の金利が変わらない。【フラット35】が代表的。

なお、金融機関が毎月発表する基準金利(店頭金利ともいう)はいわば「定価」で、借入時には金利の引き下げ(当初一定期間の金利引き下げか、全期間の金利引き下げ)が行われ、適用金利が決まります。金融機関や時期などで引き下げ幅や条件は違うので、ホームページ等で確認しておきましょう。

住宅ローンに関する費用

住宅ローン利用の際は、次のような費用がかかります。このうち、「保証料」は、保証会社に保証してもらうための費用です。返済できなくなった場合には、保証会社は契約者に代わって金融機関に残債を一括返済し、契約者は保証会社への返済を求められることになります。

<図表3 住宅ローンの借り入れにかかる費用の例>

事務手数料 定額タイプ(3万2,400円等)と、定率タイプ(「借入額の2.16%」など)がある。
印紙代 金銭消費貸借契約を締結する際に必要。1,000万円超5,000万円以下の借入額なら2万円。
登記費用 抵当権の設定登記のための登録免許税や司法書士報酬。借入額によって異なる。
保証料 【フラット35】は不要。民間金融機関にも不要の商品がある。
(適合証明書交付手数料) 【フラット35】の場合、5万円~7万円程度必要(検査機関によっても異なる)。
(団体信用生命保険料) 【フラット35】で任意加入した場合に必要。

 

融資実行までのステップ

住宅ローンの申し込みや手続きは、物件購入の手続きと同時に進めていく必要があります。物件選びを進めると同時に、住宅ローンについても借入期間や金利タイプ、団信の種類など自分が希望する条件を洗い出し、条件に合う住宅ローンをピックアップし、比較検討を進めておきましょう。

いよいよ購入物件が決まったら、住宅ローンの事前審査を受けて、購入資金が準備できるかをおおまかに確認しておきます。事前審査でOKが出たら、物件の売買契約を結び、住宅ローンの申し込み、本審査へと進んでいきます。なお、ほとんどの売買契約では、住宅ローン審査に通らなかった場合には、契約を白紙解除できる「ローン特約」が盛り込まれています。売買契約の際には「ローン特約」を確認しておきましょう。

<図表4 融資実行までのステップ>img_00063_04

また、住宅ローンの申し込みや手続きの際には、本人確認書類や収入を確認する書類、物件に関する書類など多くの書類の用意が必要です。書類がそろわないと、審査や手続きを進められず、物件購入の手続きにも支障をきたしかねません。必要なタイミングを確認しながら用意していきましょう。

【ARUHI】全国140以上の店舗で住宅ローン無料相談受付中>>

▼最新金利でカンタン試算!資金計画を立てよう

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア