持ち家の方の中には、住み替え(買い換え)を考えている方もいるでしょう。住み替えの場合、売買のタイミングを頭に入れておく必要があります。住み替えとはどのようなもので、どんなメリットがあるのでしょうか。また注意点は何か、どんな費用がかかるのかなど、整理していきましょう。

住み替えで生活が変わる

住み替えとは、「現在住んでいる住居から別の住居へと引っ越すこと」を言います。賃貸物件から賃貸物件への引っ越しも住み替えですが、ここでは、持ち家の人が別の住宅を買い替えて引っ越すことに限定して考えていきます。

持ち家を住み替える目的としては、転勤や子どもの通学・親の介護などのため、あるいはマンションから一戸建てへ、よりよい住環境を求めるためなどがあげられます。中には、人気エリアで不動産価格が大きく値上がりしたため、売却をして住み替えるケースもあるようです。いずれにしても、住み替えで住環境が変われば生活も変化します。
私も持ち家を住み替えた経験があります。理由は、子供の電車通学の時間を短縮したかったことと、親が倒れたりした場合に備えてアクセスのよい場所へ移りたかったからです。公園と緑たっぷりの子育てマンションから、駅1分の利便性を追求した中古マンションへ移りました。

しかし、住み替えは物件2つの売買が絡むため大きなコストがかかり、簡単なことではありません。住み替えのデメリットとしては、まさしくこの「コストがかかること」が挙げられます。もちろん、住み替えによって満足度が高まれば、コスト以上にメリットがあると言えるでしょう。

住み替えにかかるコスト

住み替えの費用を図表1に整理しました。
まず売却では、売買契約書に貼る印紙税のほか、仲介手数料や住宅ローンの残債を清算する全額繰上返済にかかる手数料、抵当権抹消のための税金や司法書士費用、そのほか、売却する際にクリーニングやリフォームをお願いした場合はその費用もかかります。戸建てを更地で売却する場合は、そのための費用もかかります。

新たに住宅を購入する際には、印紙税や仲介手数料のほか、固定資産税精算金、登記費用、融資手数料や保証料、火災保険・地震保険料などがかかります。売却前に住宅を購入した場合など、売却代金が手に入るまでにタイムラグが発生する場合につなぎ融資を利用すれば、その費用もかかります。

また、忘れがちですが、引っ越し費用や家具・家電、カーテン等の買い替え費用なども見込んでおく必要があります。

<図表1 住み替えでかかるコスト>img_00073_01img_00073_02

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売買のタイミングと資金面のポイント

住み替えには大きく4つのパターンがあると考えられます。それぞれの流れと資金面のポイントを整理してみましょう。

1.売り先行型

先に現在の住まいを売りに出し、売れる見込みが立ったら住み替える物件を探すという流れ。売却額で妥協したくない人や、住み替える時期が差し迫っていない人にはこの方法が向きます。ただし、住みながらの売却となるため、きれいに住んでいないと内覧などではやや不利になりがちです。

しかし、先に売れるめどが立つことで、次の物件の予算も決めやすく、売却資金を購入資金に充てることができます。売却の時期を少し先に設定してあれば、住み替える物件への入居時期を合わせることもできますが、それが難しく買い換えの時期とタイムラグがある場合は、いったん賃貸住宅に住む必要があり、引っ越し代や賃貸住宅に住む間の家賃などが余分にかかります。img_00073_04

2.売買同時進行型(業者買い取りも含む)

現在の住まいを売りに出しつつ、住み替える物件を並行して探します。売却資金を購入資金に充てられるものの、住みながらの売却なので、きれいに住んでいないと内覧などでは不利になりがちです。「売り」と「買い」を同じ業者に依頼し、購入物件の契約書に「○年△月×日までに自宅が○万円以上で売却できないときは、売買契約を白紙解除する」旨の買い換え特約を付ける方法もあります。住み替える時期が決まっている場合は、不動産販売業者に買い取ってもらうこともできますが、通常の販売価格よりも低い価格になります。

なお、元の物件の売却価格が住宅ローン残高よりも低い場合で、不足分を補う手元資金がなく抵当権抹消ができない人は、この同時進行型にして、住み替える物件の住宅ローン「買い換え住宅ローン」(後述)を利用して借りる方法もあります。img_00073_05

3.買い先行型

購入を先に行い、まず引っ越してから現在の住まいを売りに出す流れ。荷物を運び出した状態で内覧を行うことができる分、高めに売却できる傾向も。資金的に余裕があれば問題はないですが、そうでない場合には、売却までつなぎ融資が必要になる場合もあります。
また、元の物件に住宅ローンが残っている場合は、一時的に二重ローンになることから、期待通りの新規借り入れができない場合もあります。特に買いを先行させる場合は、住み替え物件の予算は慎重に検討しましょう。img_00073_06

4.買いのみ(元の家は賃貸に出す)

購入だけを行い、元の家は賃貸に出すという流れです。
売却代金を購入代金に充てる必要がない場合に可能になります。また、元の家が賃貸住宅として可能性を持っていることも条件と言えるでしょう。img_00073_07

買い換え住宅ローンの利用は慎重に!

元の物件の売却代金では元の物件の担保割れになったり、あるいは買い換える物件の頭金や諸費用分が不足する場合には、購入代金を超える額の「買い換え住宅ローン」を利用することもできます。

上乗せできる融資額は金融機関によって異なり、借入者の年収や返済能力について厳しく審査する傾向にあります。買い換え住宅ローンは、借入額が担保価値以上に膨らむので、将来の返済に無理がないかどうかを慎重にチェックした上で利用しましょう。img_00073_08

まとめ

住み替え(買い換え)には4パターンあることを見てきましたが、それぞれ売買のタイミングも資金計画も異なります。自分の場合はどのパターンに該当するのか、またそれぞれのメリットや注意点を理解した上で、無理のない住み替えを実行したいものです。

 

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この記事の筆者
豊田眞弓 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー

独立系FPとして、個人相談や講演の他、雑誌やサイトのコラム執筆や記事の監修等に従事。著書に「住宅ローン賢い人はこう借りる」「マイホーム賢い人はこうして買う」(PHP研究所、共著)、「住宅ローンは55歳までに返しなさい」(アニモ出版)。座右の銘は「笑う門には福もお金もやってくる」。

FPラウンジ ばっくすてーじ代表

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