住宅ローンをいくらまで借りられるのかは、マイホームの購入予算に直結するとても大きなポイントです。ローンの借入可能額が決まる基準に「返済負担率」というものがあります。返済負担率からの借入額の目安や、希望額で借りるための方法などについて見ていきましょう。

返済負担率って何?

住宅ローン借入時の審査項目のひとつに「返済負担率」があります。返済負担率は、税込年収に占めるローンの年間返済額の割合のことです。金融機関によって異なりますが、一般的には上限が25~35%程度で、返済負担率がこの範囲に収まることが必要です。
また、借入者の年収で上限が異なることがあります。例えば【フラット35】の返済負担率は、下表のように決められています。
<【フラット35】の返済負担率>img_00078_01

 【フラット35】では、基本的には実際の金利(適用金利)で計算し、返済負担率を上記の基準内にする必要があります。一方、民間金融機関の住宅ローン審査では、年間返済額の算出には4%程度の「審査金利」が使われることがあります。実際の返済額よりも高めの返済額で計算されるので、返済負担率を上回ってしまうこともあります。その場合は、希望額を借り入れできません。

また、年間返済額には住宅ローンの返済額だけではなく、自動車ローンやカードローンなど他の借入金も含みます。これらの返済額を含めた年間返済額が、返済負担率の範囲内であることが必要です。
例えば、返済負担率35%以内であることが条件の住宅ローンを借りる場合、年収500万円の人が住宅ローンを3,000万円借り入れると、返済負担率は約32%なので基準内に収まります。しかし、自動車ローンの返済が毎月3万円あると返済負担率が約39%に上がってしまうため、借り入れできません。

<条件>

年収:500万円
借入金額:3,000万円 審査金利:4%
借入期間:35年 元利金等返済、ボーナス返済なし

img_00078_02img_00078_03自動車ローンの返済が毎月30,000円あると・・・
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希望額まで借りるには?

返済負担率は前述のとおり、年収に対する年間返済額の割合なので、年収が多いほど返済負担率は低くなり、借り入れできる額が増えます。下記は年収ごとの借入可能額の目安です。

<年収と返済負担率による借入可能額>

審査金利:4%
借入期間:35年 元利均等返済、ボーナス払いなし

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返済負担率に収まらず希望額で借り入れできない時には、「収入合算」「借入期間延長」「他の借り入れを減らす」という方法で借入額を増やすことができます。

収入合算

借入者の収入に、配偶者などの収入を加えた額を「年収」として借り入れる方法です。年収が増えれば返済負担率の計算上、借入額を増やすことができます。合算できる人の範囲は、配偶者のほか同居予定の親など、金融機関ごとに決められています。合算できる額についても、合算者の収入の半分までなど金融機関によって異なります。

借入期間延長

借入期間を長くすると毎回の返済額が下がり、年間返済額も下がります。年間返済額が下がれば返済負担率が低くなり、借入額を増やすことができます。ただし、一般的に借入期間は最長35年で、これより長くすることはできません。また、借入期間を長くすると毎回の返済額は下がるものの、総返済額は増えることに注意しましょう。

他の借り入れを減らす

年間返済額には、自動車ローンや教育ローン、カードローン(カードの分割・リボ払い)なども含みます。他の借り入れが無ければ住宅ローンの借入額を増やすことができるので、住宅購入前にできるだけ減らしておきましょう。また、クレジットカードのキャッシング枠は、利用しなくても返済負担率に含まれることがあります。カードの所有は最小限にしましょう。

いくらまでなら安全な借入額なのか

返済負担率は収入に対する借入額の上限を示すもので、あくまでも審査上の数字です。希望額を借りられたとしても、無理のないものかは自ら判断しなくてはなりません。

総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2014年」によれば、住宅ローン返済世帯の収入に対する返済割合の平均は20%となっています(毎月の平均返済額約9.8万円、手取り月額約49万円)。30%以内なら安心、25%以内なら安心と言われることがありますが、返済できるかどうかは個々の事情によって異なります。

住宅購入後は、子どもが小さければ教育費のための貯蓄や、共働きでも配偶者の退職などによる収入減に備えた貯蓄が必要です。借入額は支出増、収入減でも返済できるよう、余裕を持った返済負担率で考えましょう。

 

●住宅ローン情報

この記事の筆者
高橋浩史 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー/FPライフレックス代表

20代の頃、勧められるままに入った生命保険と住宅ローン選びで失敗し、家計は毎月赤字に。その後FP資格の学習と並行して、自ら保険の見直しと住宅ローンの借り換えを実現し、年間100万円を貯蓄できる家計に改善。現在は「家計の赤字V字回復アドバイザー」として活動中。

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