夢が膨らむマイホーム購入後の新生活。住まいの環境が変わって新たな生活がスタートすると「それまでの家計と何がどのように変わるのか?」というのは、住宅購入が初めての人にとっては今から気になることかもしれません。家計の中で増える費用、減る費用など、住宅購入後の新生活の家計を考えてみましょう。

生活費は上昇傾向に?

毎日の生活に関連する費用の中で、住宅購入後に変化しそうなものに「水道光熱費」「交通費」「自動車関連費」などがあります。

水道光熱費

最近の住宅は床暖房や食洗機などが標準で装備されるなど、便利で快適である半面、水道光熱費の負担は増えるケースが多いようです。
電気代は、今よりも広いところに移れば、その分電気使用量も増えることが予想されます。ピーク時の電気使用量に合わせて契約アンペア数が大きくなれば、その分の基本料金も上がります。ただし、太陽光発電装置が導入されていれば、電気代は大きく減らせる可能性があります。
ガス代や水道代については、住宅の設備や使い方にもよりますが、お風呂の浴槽が大きくなると使用量が増える傾向にあります。ただし、新居がオール電化住宅なら、ガス代はなくなりますので、深夜電力で契約するなどで家計負担は減ります。

交通費

良く行く場所から遠くなるところに住宅を購入した場合には、交通費が増えることになります。特に職場など毎日通う場所があり、交通費が自己負担の場合には、長い目で見ると大きな支出になります。仮に1ヶ月の交通費が5千円アップしたら年間で6万円、10年で60万円支出が増えます。また、子どもが成長して住まいから離れた私立高校に通うことになった場合なども同様です。授業料と共に通学費の負担も大きくなることが予想されます。住宅購入を考えている地域からの通勤費や、日常的に良く行く場所への鉄道会社の運賃を事前に調べておくとよいでしょう。

自動車関連費

「駅から遠くなったので車を所有することにした」という場合にはガソリン代、税金、保険料、車検費用などの車の維持費が新たに発生することになります。駐車スペースを借りなくてはならない場合には、その負担が大きくなります。
一方で、住宅購入を機に車を手放す人も少なくありません。最近は、車を所有せずに必要な時だけレンタカーやカーシェアリングを利用する人も増えています。この場合、車の購入費用はもちろん、税金や保険料、車検費用などの所有・維持費用がなくなります。

転居後の生活で今までと変わる点をイメージしてみましょう。転居後の生活が変わることにより、支出にも影響があるでしょうか?ちょっとした差でも、毎日、毎月のことですから、長い目で見ればそれぞれの合計額は家計に大きく影響するでしょう。

住宅を所有するとかかるランニングコスト

住宅(土地や建物)を所有することで、継続的にかかるコストがあります。賃貸のときにはなかったものですので、プラスの支出として忘れずに予定しておきましょう。

固定資産税・都市計画税

毎年1月1日現在の土地や建物の所有者が毎年納める税金で、土地と建物それぞれに固定資産税・都市計画税がかかります。住宅を購入した年は、家の引き渡し日を基準として税額を日割り計算し、売主と買主間で精算するのが一般的なので、実際には入居した翌年から収めます。
なお、固定資産税については新築の住宅(建物)の場合、以下の要件を満たせば税額が2分の1に減額されます。

<減額の対象になる要件>

・新築年月日:平成17年1月2日~平成28年3月31日
・床面積:50m²以上280m²以下(※1)
・一戸建ての場合:新たに固定資産税が課税される年度から3年間
・3階建て以上の耐火・準耐火構造のマンションの場合:新たに固定資産税が課税される年度から5年間

※1 ただし、減額される範囲は床面積120m²までです。

管理費・修繕積立金

マンションの場合には、建物の共用部分の日常的な管理や定期的な清掃・点検に必要な「管理費」と、長期計画に基づいて十数年ごとに実施される建物の大規模修繕に備えた「修繕積立金」の支払いが生じます。
それぞれの平均額を見てみると、管理費が月額15,257円、修繕積立金は月額11,800円(※2)ですから、毎月住宅ローンの返済とは別に約2.7万円必要になります。修繕積立金については一定期間毎に金額が上昇するなど、将来の金額が決まっている場合が多いようですので、購入検討の段階で確認するようにしましょう。

※2 国土交通省「平成25年度マンション総合調査」より

将来の修繕のための準備も必要

将来、修繕やリフォームを行う可能性もあるため、その資金の準備も必要です。マンションの共用部分のための修繕費は修繕積立金で準備されますが、専有部分のメンテンナンス費は別にかかります。また、一戸建ての場合には室内や設備はもちろんのこと、外壁など建物本体のメンテナンスも自分で行うことが必要になります。

リフォーム費用

<リフォーム工事費用の例>

内装の模様替え168.3万円浴室の設備改善177.3万円
窓・扉等取り替え58.2万円台所等給排水設備の改善205.9万円
便所の設備改善99.3万円屋根・外壁等の塗り替え216.3万円

※3 国土交通省「増改築・改装等実態調査結果(平成18年分)」をもとに算出

上記はリフォーム工事費用の例です。屋根・外壁の塗り替えや台所等給排水設備の改善は特に金額が高くなっていますが、外壁材等によって工事のサイクルの目安は異なりますから、建築時に何年ごとに手をいれたらよいかも確認しておきましょう。
例えば、10年ごとに200万円がリフォーム代金でかかるとすれば、毎月約1.7万円を積み立てるなど、自分で修繕積立をするようにしましょう。

住宅設備の修理・交換

マンション・一戸建てともに、給湯器やシステムキッチンなど「住宅設備」に関する修理・交換費用も見ておきましょう。1~2年間の保証期間は無料で修理してくれますが、保証期間終了後の修理費用は基本的に自己負担です。また、長く使い続けて設備が古くなると、修理できずに交換になることも考えられます。目安としては、給湯器の点検・修理で1~4万円、交換すると30~40万円です(※4)。住宅設備のメンテナンス費用についても、住宅購入後の必要予算に組み込んでおくとよいでしょう。

※4 住宅産業協議会「住まいと設備のメンテナンススケジュールガイド」より

このように、住宅購入後には生活費の変化やマイホームを所有・維持管理するための費用の発生など、今とは違った家計になります。併せて、子どもの教育費の準備、リタイア前に住宅ローン返済を終わらせるための繰上返済資金の準備など、貯蓄をすることも必要です。
初めてのマイホームでは、住宅ローンの返済額や購入時の費用だけに目が向きがちですが、新生活でかかる費用のことも考えた資金計画をし、購入後も気を緩めず家計管理を心がけてほしいと思います。

●住宅ローン情報

この記事の筆者
高橋浩史 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー/FPライフレックス代表

20代の頃、勧められるままに入った生命保険と住宅ローン選びで失敗し、家計は毎月赤字に。その後FP資格の学習と並行して、自ら保険の見直しと住宅ローンの借り換えを実現し、年間100万円を貯蓄できる家計に改善。現在は「家計の赤字V字回復アドバイザー」として活動中。

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