2016年8月の住宅ローン金利は、全期間固定金利で1.0%を切った7月よりさらに低下し、0%台が続く史上最低水準となっています。全期間固定金利と変動金利(半年型)の金利がほぼ同水準になったため、金利上昇リスクのない固定金利タイプに借り換える人がさらに増えそうです。今回は住宅ローンの借り換えの手順や手続きを解説しましょう。

住宅ローンの借り換えの流れとポイント

1.借り換え先の住宅ローンの検討

まずは、どの金融機関のどの住宅ローンに借り換えるかを絞り込む必要があります。
その際のポイントは3つあります。
■借り換えの目的に沿って金利タイプを決める
借り換えの主な目的は2つあります。ひとつは「金利の低い住宅ローンに借り換えて今後の利息負担を軽減する」、そしてもうひとつは「将来の金利上昇リスクを回避する」です。この2つのうちどちらを重視するかによって、金利タイプを絞り込みましょう。
前者の場合は、現在の住宅ローンと同じ金利タイプか、固定金利期間が今より短い金利タイプ、後者の場合は現在の住宅ローンより固定金利期間が長い金利タイプを選択することになるでしょう。
■コストも含めて比較検討する
借り換えには、融資事務手数料、抵当権抹消・設定登記費用、保証料、団体信用生命保険料などのコストがかかります。金利水準だけを比較するのではなく、コストも含めた比較、検討が必要です。
■シミュレーションをする
借り換え判断の目安として、「ローン残高1,000万円以上」・「返済期間10年以上」・「金利差1%以上」などとよく言われますが、これはあくまで目安。具体的にシミュレーションしてから借り換えの判断をするようにしましょう。さまざまな金融機関が、自社のホームページにコストの概算を含めた借り換えシミュレーションの機能を持たせています。直接金融機関に問い合わせてもよいでしょう。

2.借り換え先の金融機関に仮審査(事前審査)を申し込む

借り換え先の金融機関を決めたら、その金融機関に仮審査(事前審査)を申し込みます。
近年はインターネットからでも申し込みができる金融機関があります。
金融機関によって異なりますが、申し込み時には「借入希望額」、「返済期間」、「返済方式」、「前年度年収」などいくつかの指定された情報を提供する必要があります。
※金融機関によっては仮審査(事前審査)がないところもあります。

3.仮審査(事前審査)結果の連絡

金融機関から仮審査(事前審査)の結果が知らされます。仮審査の申し込みから結果の連絡までは、通常数日の期間がかかります。

4.本審査(正式審査)を申し込む

仮審査(事前審査)が通ったら、本審査(正式審査)の申し込みを行います。
本審査には以下のような書類の提出を求められます。
<借り換えの本審査(正式審査)で提出を求められる主な書類>

主な書類
本人確認書類 住民票
健康保険証、免許証
所得証明関係書類(給与所得のみで確定申告をしていない方の場合) 源泉徴収票(写)
住民税課税証明書
物件関係書類

 

売買契約書(写)、工事請負契約書(写)
重要事項説明書(写)
間取図(写)または平面図(写)
住宅・土地の登記簿謄本
現在の住宅ローンに関する書類 通帳(返済履歴確認資料)(写)
返済予定明細書(写)
融資残高証明書(写)
その他の借り入れに関する書類 返済予定明細表または残高および毎月の返済額を確認できる書類(写)
※その他の借り入れがある場合

※金融機関によって異なる

上記以外にも、金融機関から届く「住宅ローン借入申込書」、「個人情報の取り扱いに関する同意書」、「団体信用生命保険申込書・告知書」などに必要事項を記入して提出する必要があります。
提出する書類に不備や不足があると再提出を求められ、審査が遅れる場合があるため注意が必要です。

5.本審査(正式審査)の結果の連絡

金融機関から本審査(正式審査)の結果が知らされます。申し込みから結果の連絡までは、通常1~2週間程度かかります。

6.現在住宅ローンを借りている金融機関に一括返済することを連絡

借り換え先から本審査(正式審査)を結果の連絡が届いたら、現在住宅ローンを借りている金融機関に、借り換えによってローン残高の一括返済をすることを連絡します。

7.借り換え先の金融機関との契約書の締結

借り換え先の金融機関と「金銭消費貸借契約書」を締結します。

8.融資実行

融資実行日には以下のことも行われます。
これまで借りていた金融機関への一括返済
これまで借りていた金融機関の抵当権の抹消と借り換え先金融機関の抵当権の設定登記

仮審査(事前審査)から融資実行までは1ヶ月~2ヶ月かかる

金融機関や借り換え時期によっても異なりますが、仮審査(事前審査)の申し込みから融資実行までは、通常1ヶ月~2ヶ月程度かかります。
なお、住宅ローンの金利は、一般的に融資実行日の金利が適用されます。借り入れ申込時や契約締結時の金利が適用されるわけではありません。
そのため、借り換えをしようと思った時の金利水準は低くても、手続きをしている1ヶ月から2ヶ月の間に金利が上昇しないとも限りません。

したがって、借り換えをしようと思い立ったら、金融機関にどれくらいかかりそうか確認をするとともに、自分が行うことはできるだけ手際よく早く進めるようにしましょう。また、金融機関に提出する書類に不備や不足がないように注意することも大切です。

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●住宅ローン情報

この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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