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住宅ローンを借りて住宅を取得すると、その後10年間に渡って所得税が減税される「住宅ローン控除(住宅ローン減税)制度」の適用を受けることができます。大きな税制優遇制度ですが、適用を受けて税金の還付を受けるためには、取得した住宅に入居した年の翌年の1月1日から3月15日までに確定申告(還付申告)をする必要があります。

「住宅ローン控除制度(住宅ローン減税制度)」とは?

住宅ローン控除は、住宅ローンを借りて住宅を取得した場合、以後10年間に渡って、年末のローン残高の1%相当額がその年の所得税から控除される制度です。

12月に住宅ローンを3,000万円借りて年末までに入居し、翌年1月から30年間返済する例で、毎年の控除額と10年間の控除合計額を試算してみましょう(その他の条件は、金利:1.5%、元利返済方式、ボーナス返済なし、繰上返済なしとする)。

  年末住宅ローン残高(円) 控除額(円)
初年度 30,000,000 300,000
2年目 29,202,097 292,000
3年目 28,392,143 283,900
4年目 27,569,956 275,600
5年目 26,735,351 267,300
6年目 25,888,141 258,800
7年目 25,028,134 250,200
8年目 24,155,139 241,500
9年目 23,268,958 232,600
10年目 22,369,392 223,600
  合計 2,625,500

この例では、3,000万円の借り入れに対し総返済額は30年間で元利合計約3,727万円になりますが、所得税の控除額は10年間の合計で約263万円です。総返済額の7%もの税金が減税される大きな優遇の仕組みであることがわかります。

ただし、この制度の適用を受けるためには、さまざまな要件が定められています。
主なものを見てみましょう。

<消費税率8%・10%の住宅を取得した場合の住宅ローン控除>

住居の種類 居住年 控除期間 年末ローン残高限度額(A) 対象税 各年の控除額
一般住宅 2019年6月まで 10年 4,000万円 所得税 (A)×1%
認定長期優良住宅、認定低炭素住宅 2019年6月まで 10年 5,000万円 所得税 (A)×1%

年末の住宅ローン残高には限度額が設けられています。一般住宅の場合、限度額は4,000万円。つまり、年末の住宅ローン残高が4,000万円超であっても、控除額は限度額4,000万円の1%の40万円ということです。なお、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合は年末ローン残高の限度額が5,000万円(1年の最大控除額は50万円)になります。

このように、控除額は年末の住宅ローン残高によって決まりますが、実際に減税される額は、その人がその年に払う税金の一定の範囲までです。たとえば、その年の年末ローン残高が3,000万円、控除できる額がその1%の30万円であっても、その人のその年の所得税額が20万円であれば、所得税額は0円になるものの、残りの10万円は差し引けません。ただ、この例のように所得税額から控除しきれない額は、所得税の課税所得金額等の7%(13万6,500円を限度)が住民税額から差し引かれることになっています。

なお、個人から購入した中古住宅など、消費税がかからない物件の住宅ローン控除は、一般住宅の場合、年末ローン残高限度額は2,000万円、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅は3,000万円となります。また、所得税額から控除しきれない額は、所得税の課税所得金額等の5%(97,500円を限度)が住民税額から差し引かれます。

<その他の主な要件>(詳細は最寄りの税務署等にお問い合わせください)
・住宅ローン控除制度の適用を受ける各年の合計所得金額が3,000万円以下であること。
・取得した日から6ヶ月以内に入居し、適用を受ける各年の年末まで引き続き住んでいること。
・取得した住宅の床面積が50平米以上(登記簿に記載されている床面積。マンションの場合は専有部分の床面積)で、床面積の2分の1以上が自宅であること。
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること。

 

会社員が住宅ローン控除の適用を受けるには、初年度に確定申告をする必要がある!

住宅ローン控除の適用によって税金の還付を受けるためには、取得した住宅に入居した年の翌年の1月1日から申告期限である3月15日までに確定申告(還付申告)をする必要があります。なお、通常の確定申告期間は原則として2月16日から3月15日までとなっています。

会社員の方は、確定申告をする機会は少ないでしょう。しかし、初年度だけは自分で確定申告をする必要があります。確定申告をすることによって、会社から源泉徴収されていた所得税が還付されます。なお、2年目以降は会社が実施する年末調整で手続きが行われますので、確定申告の必要はありません。また、自営業者の方は毎年行っている確定申告時に合わせて申告することになります。

<確定申告に添付する主な必要書類>(詳細は最寄りの税務署等にお問い合わせください)

主な必要書類 説明
住民票の写し 取得した住宅に年末まで入居していたことなどを明らかにするため
借入金の年末残高等証明書 金融機関から届きます
住宅の登記事項証明書(登記簿謄本の写し)、請負契約書の写し、売買契約書の写し等 住宅の取得日、取得額、床面積が50平米以上であることなどを明らかにするため
給与所得の源泉徴収票 給与所得者の場合、会社から配布されます

※土地の取得に住宅ローンを活用した場合には、別途関連する書類の添付が必要。
※認定長期優良住宅や認定炭素住宅の場合には、別途関連する書類の添付が必要。

 

確定申告書の作成は、国税庁のサイト「確定申告書等作成コーナー」の活用が便利!

確定申告書の作成は、国税庁が毎年1月中旬に新年度版に更新するインターネットサイト「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp/h27/ta_top.htm#bsctrl)を活用するのが便利です。
画面に表示された説明に従って入力していけば、自動的に申告書を作成することができます。画面上に作成された申告書をプリントアウトして、添付書類と一緒に管轄の税務署に送付すれば手続きは終了です。しばらくすると、申告書に記載した銀行口座に還付金が振り込まれます。

住宅ローン控除制度は、とても大きな税制優遇の仕組みです。住宅ローンを活用して住宅を取得した翌年には、忘れずに申告期限までに確定申告(還付申告)をするようにしましょう。

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この記事の
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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