自分に合う「住宅の種類の見つけ方」と「物件種別ごとの特徴」をご紹介

これから家を買おうとしている方の中には、まずどの住宅の種類にするかという点で悩む方も多いと思います。住宅は、物件種別や築年数によって立地や搭載される設備といった“スペック”が異なります。さまざまなタイプや種類がある中で、自分たちのライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

今回は「マンションと一戸建て」、「新築と中古」について、それぞれの特徴やメリット・デメリットについてARUHIマガジン編集部が調べてみました。

自分たちの“理想の暮らし”に合う物件の種類を選ぼう

「都心にある最新の高層マンションに住みたい」「郊外の静かな場所でデザインにこだわった家を建てたい」など、自分たちが理想とする住まいの形が決まっている人は、スムーズに物件を決めることができます。

しかし、「自分たちにどのような住宅が合うのか分からない」という人もいることでしょう。そういう人は、“自分たちが理想とする暮らしのイメージ”から、条件に合う種類を絞っていく良いかもしれません。

まずは、「子どもを自由に遊ばせたい」「通勤時間を短く」「大型犬を飼いたい」といった自分たちの理想をイメージしましょう。そして、それを叶えるために住まいに必要となる具体的な条件を考えます。「防音性能やご近所との距離」「駅近の立地」「庭付き」など、譲れない条件を決め、できるだけ多くの条件を叶えるために最適な物件の種類を選びましょう。

“マンション”と“一戸建て”の違い

マンション

※マンションイメージ 参考:武蔵小杉駅近くのタワーマンションを購入したTさんの住宅購入体験談はこちら

まずマンションの特徴として“セキュリティの高さ”が魅力と言えるでしょう。エントランスのモニター付インターホンやオートロックだけでなく、監視カメラが設置されているものや、24時間有人管理といったセキュリティ対策が充実している物件は多くあります。

高層マンションは「用途地域」による高さの制限などで建てられる場所は限られるため、都心や駅前エリアに集中することが多いのも特徴です。そのためアクセスが良いという“利便性の高さ”もメリットです。さらに土地代を住戸数で共同負担するため、同じ立地条件で比較すると戸建てよりも物件価格が安くなる傾向があります。

また、構造が鉄筋コンクリート造(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)などのマンションは、防音性や断熱性に優れている傾向にあり、さらに近年では耐震・免震構造が導入された物件も増えています。

一方で、管理費や修繕積立金などの費用負担が必要になる、改装やリフォームを行う箇所が限られるといったデメリットもあります。また、車を利用する場合に駐車場まで距離があることも多いようです。

近年増えてきている“リノベーション・リフォーム済み”のマンションならではの特徴もあります。内装は新築同様に作り替えることが可能。また、すでに分譲された物件のため、新たに土地開発から始める新築マンションより立地などの選択肢が多いというメリットがあります。

立地の良い場所にあるマンションが、意外な穴場になるケースもあるのです。一方で、デメリットも存在します。まず、内装がきれいになっても構造躯体は築年数とともに劣化が進んでいるため、維持管理費が高くなる傾向があります。

また、構造躯体などの主要構造部についての保証は新築のような長期で受けられません。しかし、近年の空き家の急増に伴い、政府は中古市場の活性化のための対策に注力しており、今後もリノベーション・リフォーム済みマンションのニーズは高まっていくと考えられます。

一戸建て

※一戸建てイメージ 参考:千葉県松戸市でマイホームを建てたKさんの住宅購入体験談はこちら

一戸建ての魅力は、自分たちだけのプランを実現することができる自由度の高さです。吹き抜けやロフトなどの空間を作ったり、こだわりの素材や家具、インテリアに合わせた設計をすることもできるでしょう。

将来的なリフォームや増改築、建て替えなども可能です。庭を作ることもできるので、自分だけの駐車場を設置でき、ガーデニングや家庭菜園といった趣味も楽しめます。さらに建物が独立しているためプライバシーが確保されるというメリットもあります。周囲や階下に気兼ねせず、ペットを飼ったり、子どもたちが遊ぶことができます。

また、建物と合わせて土地という資産が残るというのもポイントです。さらに建売住宅の場合は、注文住宅よりも比較的安価で購入できるというメリットもあります。実物をチェックすることも可能で、購入後すぐに入居できる点もポイント。

さらに大型分譲の場合は、分譲地全体の街並みも同時に開発されるケースが多く、整備された新しい街で暮らすことができます。近隣の入居者も似たような家族構成が多く、同時期に入居するためコミュニティが作りやすいという魅力もあります。

しかし、一戸建ては住まいのメンテナンスなども各自で行わなくてはならないため、将来の修繕費は自分で貯めなくてはいけないというデメリットもあります。また、窓などの開口部が多いためセキュリティ面は意識する必要があるでしょう。

“新築”と“中古”の違い

新築

新築物件最大のメリットは全てが“新しい”ことでしょう。内装や設備がきれいなことはもちろん、導入される設備も最新です。また、築年数が古い物件と比べると、断熱性能や耐震性能、省エネ性能の高い物件が多いのも魅力です。

もちろん中古物件と比較すると物件価格は高くなってしまいますが、税制などでの優遇措置も充実しています。
例えば、住宅に対する固定資産税の軽減や不動産取得税の軽減のほか、不動産会社などに支払う仲介手数料が不要のケースも多くあります。

しかし、完成前の建売住宅を購入する場合や、注文住宅を購入する場合の多くは、契約前に実物を見ることができないというデメリットもあります。

中古

中古物件は価格が魅力と言えます。駅前エリアや人気住宅地の物件は新築より高いケースもありますが、同じ立地で比較すると一般的に新築よりも安い価格で物件を手に入れることができます。

さらに既に建っている現物を見学してから購入できるところもポイントです。周囲にどんな人が住んでいるのかという近隣コミュニティを事前に把握することも可能。
マンションの場合は、共用部分の清掃状況や管理組合が機能しているかどうかといった管理状況がチェックできる点も嬉しいところです。

しかし、中古物件は状態によってリフォームや修繕の費用がかさんでしまうケースもあるので注意が必要です。また、築年数によって住宅ローンの返済期間が制限される場合もあります。

例えば、マンションの基本的な“耐用年数”は60年となっているケース多く、ローンの返済期間はこの耐用年数から物件の築年数を引いた残りの期間に限られてしまうのです。

新築一戸建ての場合は“土地”についても考えよう

新築一戸建てては、「建売住宅」と「注文住宅」の2種類に分けられます。建売住宅は、不動産会社などが建てた家と土地をセットにして販売しているものです。

土地付きの家を買うことになるため、基本的な間取りやデザインは決まっており、大きな変更はできません。一方で注文住宅は先に土地を購入してから設計・施工を行うものです。

この時購入できる土地は、「建築条件付き土地」と「建築条件のない土地」の2つに分けられます。購入する土地によって、建てる住宅にも違いが出てくるので確認しておきましょう。

※土地イメージ

建売住宅とセットになった土地を購入する場合

土地と建物の価格がセットになっているため全体の費用が把握しやすく、住宅ローンもまとめて組めるので手続きが簡単です。しかし、建物の基本的な設計が決まっているため、大きな変更が不可能というデメリットがあります。

建築条件付き土地を購入する場合

「建築条件付き土地」は、土地の売主が指定した建築会社で一定の期間内に家を建てることが条件となった土地です。

通常は売買契約後3ヶ月以内に建築工事請負契約に至らなければ、土地の売買契約が解除となり、支払った全額が返却されることになっています。建築会社を選ぶことはできませんが、建売住宅よりも間取りやデザインの自由度が高い建物を作ることが可能です。

指定業者が決まっているため建築プランが用意されている場合も多く、条件なしの土地を購入するより、土地と建物を合わせた全体の経費が把握しやすく、資金計画を立てやすいのもポイントです。

条件のない土地を購入する場合

建設業者の指定や建築工事請負契約の期限がない土地です。自分の好きな建築会社に自由な間取りやデザインを依頼することができます。

また、土地を購入してから建築までの期限もないためじっくりと時間をかけることもできます。一方で建設会社の選定からデザインや使用する部材にいたるまで、全て自分で確認しなくてはいけません。

さらに全体の費用の管理やローンの手続きなども必要になるので、手間がかかるというデメリットがあります。 家を買うためには、これだけ多くの種類やタイプの中から自分たちのライフスタイルに合ったものを選ばなければなりません。住宅の種類の選定はマイホーム購入の第一歩です。しっかりと検討して、最適な家を手に入れましょう!

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(最終更新日:2019.10.05)
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