住宅ローンの諸費用を抑えるためにチェックすべき“3つの費用”とは

住宅購入時に必要な金額は、物件価格のほか、さまざまな諸費用がかかります。この諸費用は、新築物件の場合は物件価格の3~7%、中古物件の場合は6~7%程度と言われており、とても大きな金額になります。住宅ローン金利の水準が非常に低い現在では、金利による返済額の差が縮小しているため、少しでも支出を抑えるには、諸費用が少ない住宅ローンを選ぶことが重要です。ここでは、諸費用の種類と内容について解説し、諸費用にかかる金額を抑えるための住宅ローン選びの考え方をご紹介します。

住宅購入時には物件価格以外にも「諸費用」がかかる

住宅を購入する際には、物件価格の他に「諸費用」と呼ばれるお金がかかります。住宅購入を決める前には、この諸費用を含めて資金計画を考えなければなりません。最近では、この諸費用を含めて融資を受けられる住宅ローン商品が登場していますが、返済負担を減らすためにも、諸費用については現金で用意することをおすすめします。

この諸費用がどれくらいかかるかについては、新築物件の場合は物件価格の3〜7%、中古物件の場合は6〜7%が必要と言われています。

住宅取得時にかかる諸費用の種類と内容を見てみましょう。ちなみに、税金や登記費用については、ほぼ土地・建物価格が基準になって金額が決まるので、購入価格が高いほど諸費用の負担も大きくなります。

<税金・登記費用など>

費目

内容
印紙税 売買契約書もしくは建築請負契約書に添付する収入印紙代。契約金額に応じて税額が変わる
仲介手数料 不動産会社に支払う費用。「物件価格×3%+6万円」(税抜き)が上限金額(400万円以上の物件の場合)
登録免許税 所有権の移転登記、抵当権の設定登記などを行う際にかかる税金。土地・建物の価格に応じて変わる
登記手数料 登記の手続きを行う司法書士に支払う手数料
適合証明書の取得費(【フラット35】利用の場合) 購入する住宅が【フラット35】の基準を満たすことを示す証明書の取得にかかる費用。目安は10万円程度

不動産取得税

土地や家屋を取得した際にかかる税金。軽減措置が適用される場合もあ
その他 引っ越し代、インテリア・家具代など

<住宅ローン、保険関連の費用>

費目 内容
事務手数料 住宅ローンの手続きのために金融機関に支払う手数料。定額制と借入金額に応じた定率制がある
保証料 保証会社の信用保証をつけるための費用。無料の金融機関もある
団体生命保険料 住宅ローン返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害になった場合、保険金によって住宅ローン残高が完済される生命保険の保険料。【フラット35】は任意加入
火災保険料・地震保険料 購入した物件にかける火災保険、地震保険の保険料。建物の構造や保険期間などに応じて金額が決まる

住宅ローン借り換え時にも諸費用が必要

住宅ローンの諸費用は、新規に借り入れるときだけでなく、借り換え時にも発生します。借り換えするローンの印紙税や事務手数料、保証料のほか、抵当権者も新たな借入先となる金融機関に変わるため、抵当権の設定も行うことになります。

借り換えに伴う諸費用は、住宅購入時の諸費用よりは低い金額ですみますが、住宅ローンの借り換えで軽減できる返済額を諸費用が上回ってしまっては借り換えする意味がありません。借り換えについては、その効果をシミュレーションした上で判断してください

金利だけでなく「諸費用」も重要な判断基準になる

住宅購入の費用を抑えるには、ふたつの方法があります。ひとつは、金利が低い住宅ローンを借りて金利負担を少なくすること。そして、もうひとつは住宅購入に関わる諸費用の額をできるだけ抑えることです。

ただし、現在は、住宅ローンの金利が非常に低くなっているため、金利による差別化は難しくなってきています。2016年12月時点の【フラット35】の金利について、ネット銀行とメガバンクの金利差がどの程度あるのか見てみましょう。

ネット銀行 メガバンク
A社 B社 C社 D社
0.80% 1.03% 1.320% 1.22%

金利が低いといわれるネット銀行でも、メガバンクとの差は0.2~0.4%程度です。仮に3,000万円を35年ローンで借り入れたならば、総返済額の差は100万円〜200万円程度です。これは、決して小さい額ではありませんが、月々の支払い額でいうと5,000円程度の差になります。

この差を大きいと感じるか小さいと感じるかは人それぞれですが、金利が超低水準であるため、かつてに比べると金利による総支払額の差が小さくなっているのは事実です。そのため、住宅購入の費用を抑えるには、諸費用をいかに抑えるかが重要になってきているといえるでしょう。

諸費用を抑えるには「事務手数料」「保証料」「団信保険料」に注目

では、諸費用を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。
住宅を取得する際にかかる諸費用のうち、税金や登記費用については、上述した通り、ほぼ土地・建物価格が基準になって金額が決まるものです。

また、不動産会社に支払う仲介手数料についていえば、現在は仲介手数料を上限額で請求するのではなく、割引を行っている不動産会社も出てきていますので、そうした会社に依頼するのもひとつの手と言えるでしょう。

ただし、割引を行っている不動産会社はまだまだ数が少ない上に、すべてが信頼できる会社とは限りません。信頼できる会社かどうかは自分の目でしっかりと見きわめる必要があるでしょう。

そこで注目したいのが、住宅ローンに関わる諸費用のうち、「事務手数料」「保証料」「団信保険料」の3つです。実は、この3つの費用が金融機関による違いが大きい費用なのです。それぞれについて見てみましょう。

(1)事務手数料

住宅ローンを借りる際に金融機関に支払う事務手数料は、定額制と定率制があります。定額制の場合は、借入金額がいくらであっても金額がかわりません。金融機関によって、3万〜30万円程度と幅があります。
一方、定率制では、借入金額に一定の割合をかけた額がかかります。これも金融機関によって異なりますが、概ね1〜2%程度になっています。

(2)保証料

保証料は、信用保証協会の保証をつけるために支払う費用です。
保証料がかかる住宅ローンと、かからない住宅ローンがあります。ネット銀行などには、保証料がかからないことを他の金融機関との差別化にしている金融機関もあります。また、【フラット35】も保証料がかかりません。

保証料がかかる住宅ローンの場合、その支払い方法には、住宅ローン金利に上乗せして毎月の返済額とともに支払うものと、最初に一括で前払いするものとの2つがあります。金利上乗せ型の場合、0.2〜0.3%程度が金利に上乗せされます。一括前払いの場合は、借り入れ額3,000万円、返済期間35年であれば61万円程度が目安となります。いずれしにしろ、保証料はかなり大きい金額になるため、金融機関によって大きな差が生じるといえるでしょう。

(3)団信保険料

団信は、住宅ローン返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害になった場合、保険金によって住宅ローン残高が完済される生命保険です。ほとんどの民間金融機関は、団信へ加入することを融資の条件にしていますが、保険料は金融機関が負担するケースが多いようです。

【フラット35】の場合、団信加入は任意ですが、加入する場合は保険料を負担する必要があります。保険料は毎年一度、住宅ローン残高に応じて支払います。借入額3,000万円、返済期間35年、金利1%であれば、保険料は約200万円となります。

ちなみに、最近では補償範囲の広い団信が登場しています。たとえば、3大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)や、ケガや介護など対応したものがあります。こうした団信に加入するには、別途特約料が必要になったり、住宅ローン金利が0.2〜0.3%上乗せになったりする場合が多いようです。

また、住宅購入時の諸費用ではありませんが、住宅ローンの繰り上げ返済を行う場合に、手数料がかかるケースもあります。金融機関ごとに条件が異なりますので確認しておきたいところです。

「事務手数料」「保証料」「団信保険料」はいくらかかるのか

それでは、この3つの諸費用が実際にどのくらいかかるのか、ARUHI社の【フラット35】のケースでシミュレーションしてみます。物件価格4,000万円、借入額は3,000万円とします。

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【借入額:3,000万円(物件価格:4,000万円)】

項目 費用 備考
事務手数料

64万8,000円

融資額×2%(消費税別)
保証料 無料  
団信保険料 約200万円 金利1%の場合
繰上返済手数料 無料  
合計額 約264万8,000円  

合計額は約264万8,000円と非常に大きな金額になります。諸費用の負担の大きさがおわかりいただけるのではないでしょうか。

保証料は無料ですが、事務手数料は定額制になっています。住宅ローン商品全体の傾向としては、事務手数料が安いと保証料が高くなり、保証料が無料の場合は事務手数料が高くなるといえるでしょう。ですから、各費用を個別に比べるのではなく、事務手数料、保証料、団信保険料を合わせた合計額を比較したいところです。

税金、登記費用、住宅ローン関連費用など、住宅購入時の諸費用はさまざまなものがかかってきます。種類が多いので煩わしく感じるかもしれませんが、諸費用の負担を減らすには事務手数料、保証料、団信保険料に注目して住宅ローンを選ぶことをおすすめします。金利と諸費用の両面から検討していけば、お得な住宅ローンが見つかるのではないでしょうか。

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(最終更新日:2019.10.05)
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