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2015年に世界遺産に指定された「旧グラバー住宅」は、日本で最も古い木造の洋風建築です。今回は、この貴重な建物についてARUHIマガジン編集部が調べてみました。

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幕末に建てられた洋風建築

1859年、江戸時代に長く続いていた“鎖国”が終わり、長崎・横浜・函館が諸外国との貿易港として開かれました。この3港の周辺には世界各地の商人たちが住居を構え、貿易を営み始めます。「旧グラバー住宅」も、貿易商として長崎を訪れた英国スコットランド出身のトーマス・グラバーの住宅として1863年に建設されました。1939年にグラバーの子孫によって三菱造船長崎造船所に売却されましたが、1957年に三菱造船長崎造船所の発足100年(発足当時は長崎鎔鉄所)の記念として長崎市に寄贈されました。翌年から一般に公開されています。

世界の建築様式が融合したユニークな住宅

「旧グラバー住宅」は、東アジアなどで見られる「コロニアルスタイル」と日本の伝統的な建築様式が融合した住宅です。「コロニアルスタイル」は、ヨーロッパの建築様式にアジアでの実用性を加えたもの。寒冷な気候に慣れた西洋人がアジアの暑さに対応するため、陽射しを遮り、風通しを良くするといった工夫がされています。

「旧グラバー住宅」にも、居住スペースの周囲に広くて風通しの良いベランダをつくるといった工夫がされています。また、ベランダの屋根を支える円柱にはイギリス式の格子の装飾が施され、建物の扉は両開きでフランス窓があしらわれるなど、ヨーロッパの様式が取り入れられていますが、屋根には日本の瓦、室内の壁には白漆喰といった和の部材も使われています。

幕末の志士が訪れた!? 隠し部屋も

グラバーは、貿易商としての仕事だけでなく、若者たちの国際的な感覚を養うための留学の斡旋も行っていました。伊藤博文や井上馨など、明治維新に関わった多くの若者がグラバーの援助によって海外へと密留学しています。「旧グラバー住宅」の廊下の天井には隠し部屋に続く穴が開いており、このような時代背景から幕末の志士たちがかくまわれていたのではないかと言われています。

(※写真はイメージです)

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