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生涯独居と決めていますが、将来が不安です。資産運用のやり方と老後資金を確保する方法を教えてください(40代/男性/会社員)

生涯独居と決められているということですが、どんな人生を描くかによって、資産運用や老後資金の考え方も変わります。独居の方の場合、資産を残すことよりも、ご自身の生活資金と亡くなった後の遺産整理にかかるお金の確保を考える必要があります。
また男性の場合、女性と比べると、老後の準備を始めるのが遅い傾向があり、退職間近になって慌てて相談に来られる方も少なくありません。今のうちに老後資金の計画を立てておきましょう。

まずは、定年後に必要なお金がいくらかを確認しておくことが大切です。たとえば、夫婦の場合であれば退職時に3,000万円の貯蓄が必要と言われていますが、それはあくまでも一般論です。同じ収入がある人でも生活水準や支出の額は人それぞれ違います。お金を自由に使える独居の人ならなおさらでしょう。
ですから、ご自身の生活スタイルに合わせて、定年後に必要な金額を知ることが大切です。まずは現在の年間支出がいくらなのか確認しましょう。給与が振り込まれる通帳を使って、年間の収支を算出する簡易的な方法があります。できれば4〜5年さかのぼって計算し、平均を出せばより正確な数字となります。

(1)年間収支=昨年末の残高-おととし年末の残高
(※これがマイナスなら、昨年の年間収支は赤字だったということです)
(2)年間収入:昨年1年間のボーナスを含んだ収入です
(3)年間支出=(2)-(1)

年間支出は増えるものとして考える

現在の年間支出が把握できたら、そこから、老後の生活を送る上で増える費用、減る費用を加減して、退職後の生活に必要な生活費を割り出します。 たとえば、退職後に在宅時間が長くなれば水道光熱費が増えますし、年齢を重ねるごとに医療・介護費の負担も増えるでしょう。また、持ち家であれば修繕費がかかりますし、有料老人ホームなどへの入居計画があればその費用も必要です。
一方、減る支出もあります。たとえば、退職すれば被服費は減るでしょうし、交際費や通信費も減る傾向にあります。
なお、総務省の「家計調査報告」を見ると、60代の家計は支出が減るというデータが示されていますが、あまりあてにならないというのが私の実感です。「家計調査報告」では「60歳以上」で一括りにしており、そもそも年齢の幅が広すぎます。私のお客様を見ても、60代前半の人と70歳を超えた人では家計はまったく違っていますから、あくまでも統計上の数字として参考程度に止めましょう。
今後、健康や介護保険の負担がさらに引き上げられてもおかしくありませんし、物価が上昇することも十分に考えられます。ですから、老後の年間支出は減るよりも、むしろ増えていくものとして考えておきましょう。

老後の資金計画表を作りましょう

次に、エクセルなどを使って、少なくとも87歳(平均寿命プラス5年)までの、年間の収入、支出、貯蓄予定額をまとめた資金計画表を作ってみましょう。ファイナンシャル・プランナーなどの専門家に、客観的なシミュレーションを依頼してもいいかもしれません。なお、資金計画にはご自身が亡くなった後の住まいなどの片づけ費用も入れておきましょう。
将来の生活を具体的にイメージして、それに合った老後の収支計画を立てること。そして、その計画をもとに、必要な老後資金を確保することが大切です。

40代におすすめの資産運用は?

次に運用についてですが、40代というと、一般的には株式投資のような元本保証がなく、値動きの激しい金融商品の運用を始める年齢は過ぎています。確実に資産を増やしていく時期です。運用の方法としては次のような方法があります。

<これから運用を始める場合>
(1)銀行で定期預貯金をする
低金利で運用益は期待できませんが、元本も一定額保障されて確実にお金を貯めることができます。
(2)元本保証のある保険商品に加入する
死亡保険金ではなく、ご自身の老後生活資金となる解約返戻金額に注目して商品を選びましょう。定期預貯金よりはよい利回りで運用ができます。
(3)個人型確定拠出年金で積立運用する
基本的には元本割れのリスクがあるものですが、元本保証された金融商品のみで運用しながら税制優遇のメリットを生かすことも可能です(企業型確定拠出年金導入企業などにお勤めの場合、拠出金などに制限があります)。詳しくは書籍などで調べるか、専門家に問い合わせてみてください。

<すでに運用をしている場合>
(1)元本保証のある商品で運用中の場合
当面その資産を使う予定がなければ、このまま運用を続け、老後の生活費に必要額を計画的に取り崩していきましょう。
(2)株式投資、投資信託などで運用中の場合
運用益を老後の生活資金にあてる目的であれば、徐々に値動きの穏やかな銘柄に買い換えましょう。もしくは、思い切って元本保証のある商品に切り替えましょう。

いまの現役世代の老後は、年金受給額の減額などによって生活が厳しくなるとも言われています。今のうちに老後の生活を計画的に考えておかなければ、それこそ世の中の流れに翻弄されるだけで、お金の心配をしながら一生を終えることになりかねません。まだ大丈夫などと思わずに、今日から準備を始めましょう。

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この記事の筆者
牧野寿和 ファイナンシャル・プランナー

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、日本FP協会CFP(R)認定者
「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務の他、不動産投資、賃貸経営のアドバイスも行っている。著書に「銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法」(河出書房新社)がある。

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