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中古住宅を購入して住宅性能を一定以上向上させるリフォーム工事をすると【フラット35】の金利が一定期間年0.6%引き下げられる【フラット35】リノベが、2016年10月1日からスタートしました。中古住宅を購入する際に住宅ローンの負担が小さくなるこの制度の内容や条件、活用方法をみてみましょう。

「中古住宅の購入」+「性能向上リフォーム」が対象!金利引き下げ幅は年0.6%!

【フラット35】リノベは、中古住宅の購入後すぐに省エネ・耐震性等の住宅性能を一定以上向上させるリフォーム工事を行う場合、または、性能向上リフォーム済みの中古住宅を購入する場合に、【フラット35】を利用するときの金利が一定期間引き下げられる制度です。

リフォームの技術基準によって、「当初10年間」と「当初5年間」の2種類の金利引き下げ期間があります。引き下げ幅は年0.6%と大きなもので、適用を受けることができれば住宅ローンの利息負担を減らせる有利な仕組みといえるでしょう。

金利引き下げプラン 金利引き下げ期間 金利引き下げ幅
【フラット35】リノベ
(金利Aプラン)
当初10年 【フラット35】の金利から
年-0.6%
【フラット35】リノベ
(金利Aプラン)
当初5年

2016年10月の【フラット35】と【フラット35】リノベの借入金利で総返済額を比較し、どの程度有利かを試算してみましょう。一定期間とはいえ、当初金利は、固定金利タイプであるにもかかわらず0.5%を下回る低い水準となります。

<条件>
借入額:3,000万円、借入期間:35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、金利:年1.06%(2016年10月において返済期間が21年以上35年以下、融資率9割以下の場合で取り扱い金融機関が提供する最も多い【フラット35】の金利)

  【フラット35】 【フラット35】リノベ
(金利Aプラン)
【フラット35】リノベ
(金利Bプラン)
金利
(全期間固定)
全期間
年1.06%
当初10年
年0.46%
11年目以降
年1.06%
当初5年
年0.46%
6年目以降
年1.06%
毎月返済額 全期間
85,527円
当初10年
77,346円
11年目以降
83,189円
当初5年
77,346円
6年目以降
84,358円
総返済額 3,592万円 3,424万円 3,501万円
【フラット35】
との比較
(総返済額)
-168万円 -91万円

なお、【フラット35】リノベは、新築住宅の購入や建設、住宅ローンの借り換え、リフォーム代金のみには利用できません。また【フラット35】Sとの併用もできません。

また、この制度を利用するには、2016年10月1日から2017年3月31日までに申し込む必要があります。予算金額が設けられているため、予算に達しそうになると途中で受付が終了してしまうことに注意が必要です。

【フラット35】リノベが使えるかどうかは、あらかじめ住宅事業者に確認する!

【フラット35】リノベを使うには、【フラット35】の技術基準等のほかに、指定された住宅の条件を満たす必要があります。 性能向上リフォームの技術基準の概要は下表の通りとなっており、第三者機関の検査を通して適合するかどうかを確認します。

  (Aプラン) (Bプラン)
以下の(1)~(6)のいずれか1つ以上の基準を満たすリフォームを行うこと
省エネルギー性 (1)認定低炭素住宅
(2)一次エネルギー消費量等級5の住宅
(3)性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
(1)断熱性能等級4の住宅
(2)一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
耐震性 (4)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅 (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
(4)免震建築物
バリアフリー性 (5)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同住宅の専用部分は等級3でも可) (5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 (6)長期優良住宅 (6)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅等については、一定の更新対策が必要)

なお、リフォームの工事の前に満たしている基準は対象になりません。また、建物を全部取り壊す全面改築工事も対象にはなりません。

これらの技術基準のほかに、(Aプラン)、(Bプラン)ともに、「一定の中古住宅の維持保全に関わる措置」を行うことも条件になっています。

このような技術的、専門的なことは、住宅を購入する一般の生活者にはよくわからないでしょう。そのため【フラット35】リノベを利用しようと考えるなら、住宅購入後にリフォームをする場合には条件を満たすリフォームを住宅事業者に依頼する必要があり、リフォーム済みの住宅を購入する場合は条件を満たした住宅なのかを住宅事業者に確認をする必要があります。

中古住宅購入後にリフォームを行う場合には「つなぎ融資」が必要!?

【フラット35】リノベの融資は1回のみです。
リフォーム済みの住宅を購入する場合は物件の引き渡し時の1回のみの融資ですみますが、住宅を購入後にリフォームを行う場合は、中古住宅の代金決済時とリフォーム工事代金決済時の2回の融資が必要になるケースがあります。
この場合、中古住宅の代金決済時には「つなぎ融資」を活用し、リフォーム工事決済時の【フラット35】リノベで「つなぎ融資」を返済する形態をとることになります。なお、【フラット35】を取り扱う金融機関のなかに、この形態の融資を取り扱っていないところがあるため、金融機関を選ぶときに注意が必要です。

近年では、新築住宅は価格が高いこともあり、中古住宅を探す人が増えてきています。また政府は、人口が減少していくなかで中古住宅の流通を促進させようとさまざまな優遇政策を導入しています。【フラット35】リノベもそのひとつです。

最近は、中古住宅の購入代金とリフォーム代金をセットできる住宅ローン商品を提供する金融機関が出てきていますが、中古住宅をリフォームして購入したいと考えている方々にとって、【フラット35】リノベも魅力的な選択肢のひとつだといえるでしょう。

ARUHIの 「【フラット35】リノベ」の詳細を見る>>

●住宅ローン情報

この記事の筆者
中村宏 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー

個人相談、セミナー講師、新聞や雑誌・Webの記事執筆や取材協力が主な業務。
暮らしのお金に関するお役立ち情報として、無料のメールマガジン「生活マネー ミニ講座」(平日:毎日)を配信中。

FPオフィス ワーク・ワークス代表

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