女性活躍の現状と課題とは? 「平成28年度版パートタイマー白書」を発表。

アイデムの研究部門である「アイデム 人と仕事研究所」は、企業1,428社と女性両同社1,671名を対象に「女性活躍」に関する調査を行い、「平成28年度版パートタイマー白書」を発表した。同社は1997年から毎年異なるテーマでパート・アルバイト等の雇用に関する調査を行っており、今年は「女性活躍」をテーマとした。

男性・女性正社員を対象に調査された「育児休業取得に対する考え」については、2012年の調査と比べて肯定的な回答割合が増加していることが分かった。「女性正社員は育児休暇を取得し復職して欲しい」52.5%、「男性正社員の1年程度の育児休業取得は問題ない」49.9%がいずれも最多となった。また、「管理職以上の役職に就いている女性正社員がいるか」の調査では、7割強の企業に女性管理職がいるとの回答だった。管理職に就いている正社員のうち、女性が占める割合(女性管理職比率)については、10%未満が49.7%だった。また、管理職が少ない理由の第1位は「本人が希望しない」43.3%だった。

企業側に行われた、「女性管理職比率を今後どのようにしていきたいか」という調査では、「上げたい/どちらかと言えば上げたい」が69.0%だった。さらに、女性が意欲を持って働き続けるために必要だと思うことの1位が「女性自身の意識の改革」40.2%、2位「夫や家族の理解や協力」28.9%という結果になった。

女性労働者を対象に行われた調査では、正社員として短時間勤務で働いた経験がない人に「職場の短時間勤務の正社員に不満を感じたことがあるか」が質問され、58.6%が「ある」と回答した。これは子供がいない人の方がより高い割合で不満を持っていることも分かった。一方、短時間勤務者自身も78.4%の人が「負い目や悩みがある」と回答している。また、女性労働者が「どの役職まで昇進したいか」の調査では、非役職者の69.4%が「昇進意向なし」という結果に。さらに、「女性が意欲を持って働き続けるために必要なこと」は、1位「夫や家族の理解や協力」47.0%、2位「職場の理解や協力」37.5%で、企業側の認識とは、ずれがあることも分かった。

既婚者を対象に「仕事がある日における自身と配偶者の家事・育児時間について」も調査された。なかでも夫の家事・育児時間に注目すると、女性が正社員で子供がいる家庭ほど長く、家庭参加が進んでいる結果となった。

■調査概要
【企業調査:雇用に関するアンケート調査】
□調査期間:2016年6月4日~8日
□調査方法:WEBアンケート調査
□有効回答者数:1,428社
□調査対象:従業員規模100人以上で正社員を30人以上(うち、女性正社員は6 人以上)雇用し、直近5年以内に妊娠した女性正社員がいる企業 (回答者は、経営者または人事関連部署の監督職以上の者に限定)
【個人調査:働き方に関するアンケート調査】
□調査期間:2016年5月27日~28日
□調査方法:WEBアンケート調査
□有効回答者数:1,671名
□調査対象:20歳から49歳までの女性で、現在、正社員またはパート・アルバイトとして就業している者(パート・アルバイトの回答者は、既婚で子供がいる女性に限定)

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(最終更新日:2019.10.05)

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