住宅を取得しようと思った場合、まず気になるのは住宅ローンのことです。最近ではインターネットなどで情報を集めることは可能ですが、自分が知りたい情報を的確に探し出すのは難しいです。ぜひ、金融機関や専門家からの話を直に聞いてみましょう。

住宅ローン相談ではどんなことが相談できるの?

まず、住宅ローン相談で思い浮かぶのは、金融機関に直接相談することです。資金計画から住宅ローンの手続きまで、ほとんどの内容について相談できますが、金融機関は住宅ローンを取り扱っているところなので、「住宅ローンの仕組み」「審査基準」「住宅ローンを組む際の流れ」など商品中心の相談を受ける際に適しているといえます。また、仮審査や本審査を受けることも可能ですので、「実際に借り入れできそうか?」といったところまで確認できるところも魅力です。金融機関に相談したり、仮審査などを申し込むと、その金融機関で借りなければいけないと思って、なかなか相談しにくいという声が良くありますが、そのようなことはありません。自分に適していない、と思えば断ることはもちろん可能です。あまり上段に構えずに、気軽に相談に行ってみましょう。

一方で、独立ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーなどの専門家に相談するという考え方もあります。このような専門家は、まず家族構成や家計状況、今後のライフプランなどから「将来にわたって無理なく返済できる金額はいくらか?」「どの程度の金額の物件、借入金額が適しているか?」「住宅を購入した後の家計収支を試算する」など、住宅を取得前、取得後の資金計画を細かく相談できます。また、金融機関の職員ではありませんので、中立的な立場から「自分に合ったローンを提案してくれる」ところがメリットといえます。ただし、実際に借りられるか?といった具体的な審査に関することは、あくまでも一般的な内容しか答えることができませんので、その点は要注意です。

例えば、家を買おうと思ったら、まず、「FPなどの専門家に相談して、無理なく返済できる金額、買える物件、自分に適した住宅ローンを把握」して、その後、物件を決めるのと並行して「自分に適したローンの中から複数の金融機関で細かい条件や仕組み、自分がいくらまで借り入れできるか、手続きの流れを理解」して、最終的に住宅ローンを決定する、というようにうまく使い分けをするのもいいかもしれませんね。

<相談できる主な内容>

金融機関 独立FPなどの専門家
・自分の場合にはいくらまで借り入れることが可能か?
・配偶者と収入を合算することが可能か?いくらまで可能か?仕組みは?
・諸費用はすべて含めてどの程度かかるか?諸費用を含めて借りられるか?
・返済期間を何年で組むことが可能か?
・住宅ローンの金利タイプ、返済方法にはどのようなものがあるか?
・もし、変動金利(半年型)、当初固定金利型、全期間固定金利型で組んだ場合、返済金額はどうなるか?
・適用金利は何%か?金利優遇を受けることができるか?
・いつ融資が実行されるか?分割融資が可能か? など具体的な手続きの流れ
・土地を先に購入して住宅を建築する場合で、土地取得資金・着工金・中間金を自己資金でまかなえない場合のつなぎ融資を利用できるか?
・住宅ローンを借り入れる場合に必要な書類
・繰り上げ返済をする際の方法、コスト
・もし、途中でローンの返済が困難になった場合にどうすればよいか?
・病気やケガで収入が減った場合や死亡した場合にはどうなるか?
など

・長期間、無理なく返済するためには、いくらの物件、借入額はどの程度が適当か?
・自分の家計で希望の住宅ローンを組んだ場合、家計収支がどうなるか?
・退職時までに完済したい、できる限り総返済負担を軽減する、家計や金利が変化した場合でも返済に困らないようにするは、どのような工夫をすればよいか?
・変動金利(半年型)、当初固定金利型、全期間固定金利型で組んだ場合、金利の状況が変わることで返済額がどう変化するか?
・自分の家計には、どのようなローン商品が適しているかを、諸費用も含めて複数の金融機関の商品で比較する
・各金融機関の住宅ローン商品をコスト面、金利面、繰り上げ返済のしやすさ、団体信用生命保険などのサービス面などから、比較をしながら違いを説明してもらえる
・住宅ローン控除など税金などに関する一般的なアドバイス
など

住宅ローン相談の窓口はどこにある?

銀行の支店や本店などの窓口ではもちろん相談を受けることはできますが、特別にローンプラザを設けているところもあります。ローンプラザは専門の担当者がしっかりアドバイスしてくれるので、時間をかけてゆっくり相談したい場合には、ローンプラザを利用するといいでしょう。金融機関によっても異なりますが、多くの場合、ローンプラザは土日・祝日にも営業しています。
ローンプラザがない場合でも、会社員の方が仕事帰りに寄れるように平日の夜や休日にも相談窓口を設けている金融機関もあるので確認してみてください。ただし、予約をしないと相談が受けられケースや長時間待つことになるケースもあるので、事前に予約をしていくことをおすすめします。
また、ARUHIのような住宅ローン専門機関でも全国の店舗で専門スタッフを常駐しているので、相談から審査・手続きまでのサポートを受けられます。
ネット銀行のように金融機関の窓口がない場合には、一般的には、コールセンターやインターネット、スカイプなどで相談を受けられますが、中には独自にローンセンターを設けている機関もあります。
最近では、住宅展示場などで住宅ローンセミナーや相談会、個別相談などを無料で実施していることもあるので、展示場に出かけて、独立のファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーに相談するというのもいいでしょう。
独立ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーの相談を受ける際には、予約をとって各FP事務所などに出向くのが一般的ですが、会社の帰りに喫茶店などを利用して相談を受けたり、休日に自宅に出張するなど柔軟な対応ができるケースもあります。予約時に費用も含めて確認しておくと安心ですね。

<主な住宅ローン相談窓口の一覧>

独立FPなどの専門家 各FP事務所や場合によっては出張相談が受けられる(有料)
不定期に地域で開催されるFPフォーラムでは無料相談もあり
住宅展示場などのセミナーハウス 個別相談・セミナーなど一般的には無料
りそな銀行 主要都市にローンプラザ(平日夕方・土日の営業についてはプラザごとに異なる)
予約が望ましい。一部ネット予約可能
三井住友銀行 平日の夜間や休日に店舗でセミナーや相談が受けられる(要予約)
三菱東京UFJ銀行 平日夜間や土日に好きな店舗で相談可能
スマホで相談も可能(ネットから予約可能)
ARUHI(住宅ローン専門金融機関)
旧SBIモーゲージ
全国主要都市の店舗にて相談可能
(ネットで予約が可能)
ソニー銀行 ソニー銀行の住宅ローンプラザ
銀行代理業者(ソニー生命・セブン銀行・東急保険のコンシェルジュなど)の各店舗で相談可能。
平日夜間や土日営業している店舗・訪問相談もあり

なお、金融機関で相談を受ける際には、収入がわかるもの(源泉徴収票や住民税決定通知書、自営業者の場合には過去3年分の確定申告書や決算書)、健康保険証、そのほかに借り入れがあればその明細を持参するとよいでしょう。もし、物件が決まっているのであれば、チラシやパンフレット、売買契約書や建築請負契約書などの物件に関する書類も忘れずに。
FPにアドバイスを受ける際は、源泉徴収票に加えて家計の収支がわかるもの(家計簿など)、老後の収支も見るために「ねんきん定期便」や会社の退職金額がわかるもの、貯蓄や保険など保障や財産がわかるものを持っていくことをおすすめします。

複数の金融機関に出向いたり、FPなどの専門家に相談することは面倒なので、不動産会社の提携ローンで済ませてしまおう!という人もいるかもしれません。ただ、住宅取得は人生の中でもたくさんの大きなお金がかかる一大イベントです。住宅ローンの選択次第では、その後の家計に大きな違いが出る可能性もあるので、積極的に金融機関やFPなどの専門家などの相談機関を活用しましょう。

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この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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