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クレジットカードは今や多くの人が保有し、便利に利用しています。こうしたクレジットカードの保有や利用自体が住宅ローンの審査にマイナスの影響を与えるわけではありません。しかし、クレジットカードの保有や使用状況は金融機関が共有できる情報機関に登録されます。そのため、支払いが遅れるなど使い方によっては、住宅ローンの審査で希望の金額が借りられないという不測の事態も・・・。
今回は住宅ローンの審査に影響するクレジットカードの使い方と、その対処法についてお伝えします。

クレジットカードの利用履歴は個人信用情報機関に登録される

住宅ローンの審査の基準は金融機関や審査を担当する保証会社等によって異なります。しかし、クレジットカードの利用状況や支払い状況は審査の対象となり、個人信用情報機関に登録され金融機関で共有されます。

住宅ローン審査に影響がある主な個人情報信用機関は以下の3機関です。

◆シー・アイ・シー(CIC)
 クレジットカード会社、ローンを取り扱う銀行、一部の消費者金融が主な加盟社です。

◆日本信用情報機構(JICC)
 加盟社の6割は消費者金融。クレジット会社、リース会社、銀行、保証会社など加盟社の業種は幅広いのが特徴です。

◆全国銀行個人信用情報センター 
全国銀行協会が設置運営している機関です。地銀、信用金庫、信用組合、農協など中小の金融機関から都銀、信託銀行まで、銀行系の金融機関はほぼ加盟しています。他にも保証会社やローン会社などが加入しています。

では個人情報機関にはどのような情報が登録され、その記録はいつまで残るのでしょうか?CICの登録情報について以下の表にまとめてみました。

<登録される主な個人信用情報(CICの場合)>

登録情報 主な情報項目 登録期間
申込情報 ■本人識別情報(1)
氏名・生年月日・郵便番号・電話番号等
■申込内容に関する情報
照会日・商品名・契約予定額・支払予定回数・照会会社名等
照会日より6ヶ月間
クレジット情報
契約内容や支払い状況
■本人識別情報
(1)に加え勤務先、公的資料番号等
■契約内容に関する情報
契約日・契約の種類・商品名・支払回数・極度額・契約終了予定日・登録会社名等
■支払い状況に関する情報
報告日・残債額・請求額・入金額・入金履歴・延滞、保証履行、破産の有無とその発生日・延滞解消日・終了状況等
■割賦販売対象商品の支払い状況
割賦残債額・年間請求予定額・遅延有無等
■貸金業法対象商品の支払い状況
確定日・貸付日・出金額・残高・遅延の有無
契約期間中および取引終了後5年間
利用記録 ■本人識別情報
■利用した事実に関する情報
利用日・利用目的・利用会社名等
利用日より6ヶ月間

CICのHPより筆者作成:http://www.cic.co.jp/confidence/posession.html 
※その他の個人信用情報機関の登録情報
JICC:http://www.jicc.co.jp/whats/about_02/index.html
全国銀行個人情報センター:http://www.zenginkyo.or.jp/pcic/about/#search

他に登録期間が5年を超える情報登録としては、官報に公告された破産、民事再生手続開始決定等について、全国銀行個人情報センターへの登録期間が10年を超えない範囲となっています。

また、登録された個人情報は3機関で共有されるため、住宅ローンの審査時にクレジットカードの入金状況などを一定期間確認されます。

住宅ローン審査に影響するクレジットカードの使い方とは?

住宅ローン審査に大きく影響するのは、延滞とキャッシング枠、リボ払いや分割払い等の使い方です。

住宅ローンの審査では各金融機関によって返済負担率(年収に対する年間の返済額の割合)が定められており、「返済負担率が35%以下なら借入可能」などと基準が決められています。

キャッシングやリボ払い、分割払いがある場合、すでに別の借り入れがあるとみなされてしまうため、返済負担率に影響します。

そのため、住宅ローンを借りる際に「希望の借入額を借りられない」ということがあります。審査に影響するクレジットカードの具体的な使い方を確認しておきましょう。

・延滞

延滞とは指定された期日に支払いができなかったことです。

個人信用情報に登録される延滞は61日以上や3か月以上など、長期間支払いの遅れがある場合です。

延滞情報が登録されてしまうと5年間、破産にいたると10年間は住宅ローンの借り入れはほぼ不可能になってしまいます。

また、延滞にならなくても支払いの入出金の状況は24ヶ月など過去一定期間登録されます。

さらに住宅ローンを申し込んだ金融機関によっては、個人信用情報機関に登録されていなくても、その金融機関の口座の支払い状況を過去にさかのぼって独自に調査することがあります。

万全を期すためにはショッピングでもキャッシングでも支払いが遅れないように心がけておくことが大切です。

・キャッシング

キャッシングはクレジットカードの機能を使った借金です。

提携先のATM等からカードを使って極度額まで現金を引き出すことができます。個人信用情報機関にもキャッシング契約やキャッシング残高が登録されます。

過去も含めてキャッシングを利用したことがあると、現在は残高がなくてもキャッシング枠そのものが負債とみなされることがあります。

10万、20万といった枠ならまだしもゴールドカードなど100万円といったキャッシング枠が付いていると影響が大きくなります。

自分が持っているクレジットカードを調べて、不要なキャッシング枠がついていれば、事前に解約しておくのも一つの方法です。

また、一度も使ったことがないキャッシング枠は負債に含まない金融機関も多いようですが、使用しないのであればキャッシング枠は解約しておきましょう。

・リボ払い・分割払い

リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードを利用した件数や利用額にかかわらず、毎月一定額を支払う方法です。

支払の計画が立てやすく便利に見えますが、実際には年利15%など高額な手数料がかかります。

年利15%だと4万円の買い物をして15回払いとすると1回の手数料は1ヵ月31日で計算すると509円。15回では7,506円※にもなります。

※8月支払い分からの計算例
1ヶ月31日の月40,000円×15%÷365日×31日=509円  ×9ヶ月  4,581円
1ヶ月30日の月40,000円×15%÷365日×30日=493円  ×5ヶ月  2,465円
1ヶ月28日の月40,000円×15%÷365日×28日=460円  ×1ヶ月   460円

リボ払い機能が付いているクレジットカードは個人信用情報にも登録されます。

延滞はもちろんですが、年利15%のローンを組んでいるのと同じ見方をされる場合もありますので、住宅ローンを申し込む時点では完済しておく、または解約しておいたほうが賢明です。

また、ショッピングで注意したいのは、3回以上の分割払いです。

10%を超える手数料がかかることもあり、住宅ローンの審査上は不利になる可能性もあります。ショッピングでの支払回数は2回以内におさめましょう。

・クレジットカードの保有枚数

便利とお得でついついカードの枚数が増えてしまうのがクレジットカードです。

しかし、カードにキャッシングやリボ払い等の契約が付帯していると、使っていなくてもその枠が借金とみなされる可能性もあります。

また、支払日の管理がおろそかになりうっかり引き落としができなかった、ということになると入金状況の履歴も登録されてしまいます。

住宅ローン借入時には不要なクレジットカードや、不要なキャッシング枠、リボ払いは解約しておきましょう。

・家族カードや専業主婦の妻名義のカード利用状況も注意

最後に、家族カードを作っていると、妻や子どもが知らないうちにショッピングやキャッシングをしている場合があります。

また、専業主婦の妻がクレジットカードを作るとき、夫の年収を信用として審査されています。

こうしたケースでは妻や子どもが使ったカードの支払いが遅延すると夫の利用履歴に登録されます。

住宅ローン申込前にしっかりと家族の使用状況も確認しておきましょう。

住宅ローンの審査が通ってからは、同じ金融機関のクレジットカードを新規で契約することによって、預金やローンの金利が優遇される場合もあります。

借り入れ後はポイントや金利の優遇を上手に使って新居の家財をそろえたり、子どもの教育費とローン返済が重なる時期のショッピングに一時的に利用するなど、工夫次第で生活を楽しくすることもできます。

一括払いやボーナス払いなど金利が付かない支払方法で使用する、期日には必ず支払いができるように家計の中で支払いの計画を立てて使用する、この2点に注意すればクレジットカードは便利な存在です。

現金を持たない手軽さ、ポイントが貯まる楽しみ、支払いを先に延ばせるメリットを十分に生かしながら住宅ローンを組んだ後も、家計やライフプランの中でクレジットカードと上手に付き合っていきましょう。

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この記事の筆者
有田美津子 ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士
銀行での住宅ローン相談、住宅販売、損保会社を経て独立。現在は人生と仕事の実務経験を活かし、子育て世代の住宅購入とシニア世代の住替え相談を行う。ライフプランに沿った資金計画から物件の引き渡しまで一貫したサポートが好評。共著・監修に「トクする住宅ローンはこう借りる」(自由国民社)。

50代からの住まい専門FP

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