定年退職後の資産運用で、退職金の運用を考えています。株などのリスク商品で、その程度まで運用してよいのでしょうか。(50代/男性/会社員)

★ファイナンシャル・プランナー 金子千春さんからのアドバイス

日本人の60歳時点での平均余命は、男性23.36年、女性28.68年(厚生労働省「簡易生命表」平成26年)と、セカンドライフは自分が想像するよりも、かなり長い可能性があります。しっかり増やさなくては、と焦って運用をして失敗してしまっては大変です。
運用について考える際には、まずセカンドライフの生活設計を考える必要がありますね。
セカンドライフの生活設計は、次の4つを中心に考えましょう。

1.完全にリタイヤするのはいつか?
 年金収入のみになるのは、いつからか、をしっかり把握する。 
2.リタイヤ後は誰と暮らすのか? 
 夫婦2人、子どもと同居、親と同居、など。人数で、光熱費などの支出も変化。
 介護が必要になった場合の支出も変わる。
3.どこで暮らすのか?
 暮らす場所によって、物価水準、生活水準も変化。
4.どんな暮らしをするか?
 習い事などの趣味、旅行の頻度など。ライフスタイルによって支出が変化。

これらを事前に考えて、退職後のおおよその支出をつかんでおきましょう。
退職後のおおよその支出をつかんだら、次に、収入を把握します。主な収入は、公的年金、企業年金、私的年金、その他(賃料収入や定年後に働く場合にはその収入等)ですね。退職後の収支がつかめれば、退職金・貯蓄をどの程度の利回りで運用する必要があるかがイメージできます。
目標利回りが決まれば、それに適した資産、商品で運用するわけですが、一般的にどの程度、株などのリスク商品で運用して良いのか?というと考え方のポイントは3つ。

その1:株式に投資をする商品を組み入れる割合は、基本は「100-自分の年齢」まで。
(例)60歳であれば、40%程度までは株式に投資をする商品、残りの60%は債券や定期預金、保険商品など値動きが小さい商品で運用。
その2:どれくらいまでの損に耐えられるのか、という観点も忘れずに。
(例)例えば、TOPIX(東証第1部に上場されている銘柄で構成される日本株式の代表的な指数)は、リーマンショック(2008年)時に40%程度下落しています。もし、資産の目減りを最大10%以内に抑えたいのであれば、過去のデータを参考値として考えた場合には、日本株式の比率は全体の25%(10÷40×100%)以内に抑えておくことがひとつの目安となります。
その3:年齢が上がるにつれて、リスクは取りにくくなるので、リスク資産の割合は徐々に減らしていく
(例)値動きが大きい株式は徐々に解約をして債券や定期などに振替する等

もちろん、退職後の資産運用はその後、本人が亡くなるまで(あるいは遺された配偶者が亡くなるまで)長期間続きます。一度、商品を決めたら、放って置かずに、予定通りに運用できているか、修正は必要ないか、少なくとも1年に1回程度はチェックをして、必要に応じてメンテナンスをすることも忘れずにしましょう。

※資産運用を考える際のひとつの考え方であり、運用結果を保証するものではありません。

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この記事の筆者
金子千春 ファイナンシャル・プランナー

千春コンサルティング事務所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、1級ファイナンシャル技能士、宅地建物取引主任者、住宅ローンアドバイザー

新生銀行を経て2004年より独立。ライフプランや住宅ローンセミナー、個別相談、宅建講師、企業の従業員向け投資教育、小中学校や児童館での金銭教育など、「知らないで損をする」ことのないようにという観点から、講師や執筆を中心に活動中。

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