【フラット35】の金利が0%台になった今、頭金がなくても住宅購入すべき?



全期間固定金利の【フラット35】が1.0%を下回り、住宅購入を検討し始めましたが、頭金の準備はできていません。住宅ローンの金利を考えると今買っておきたいと思うのですが、頭金がない状況で、本当に今住宅購入すべきなのでしょうか。(30代後半/男性/事務職)

【フラット35】の金利が1.0%を下回り、 史上最低金利を更新した記事はこちら>>

「全期間固定金利の【フラット35】の金利が1.0%を切った」と聞くと、「今こそ住宅購入を」と焦ってしまいますね。しかし、住宅ローンの利用には、低金利を逃さないことよりも、「無理なく返せるか」の方が大切です。頭金なしでも住宅購入したほうが有利なのか、無理なく返せるのかどうか、冷静に検討してみましょう。

頭金なしの場合、【フラット35】の金利は1.0%以上

まず、頭金なしの場合には、期待通りの低金利で住宅ローンを利用できない場合もあることを確認しておきましょう。
たとえば、【フラット35】は、融資率(住宅の購入費または建設費に対する【フラット35】借入額の割合)によって、借入金利が異なります。表1でみると、「取扱金融機関の提供する金利の範囲」の「融資率9割超」の場合は「年1.370%~年2.020%」であり、頭金なしだと1.0%を切る金利での借り入れはできないことがわかります。

<表1 【フラット35】の金利水準(平成28年7月)>  
返済期間21年以上35年以下の場合

融資率 取扱金融機関の提供する金利の範囲 取扱い金融機関の提供する金利で最も多い金利
9割以下 年0.930%~年1.580% 年0.930%
9割超 年1.370%~年2.020% 年1.370%

※住宅金融支援機構HP:金利情報 より

そのほかの金融機関の住宅ローンでも、一定額以上の頭金があるかどうかで適用金利が異なる場合があります。頭金なしの場合に適用される金利を、確認してみましょう。

最新の金利情報はこちら(ARUHI住宅ローン金利一覧)>>

住宅購入の諸費用も、ローンで?

住宅購入の際には物件購入価格の大体3~10%程度の諸費用(手数料、税金、引っ越し費用等)がかかりますが、自己資金で準備できるでしょうか? 諸費用もローンで借りると借入額はさらに膨らみ、返済負担は増します。

なお、諸費用分も含めて借入可能とされる住宅ローンであっても、諸費用を含めると借入額が高額になることもあり、審査に通らない場合もあります。また、【フラット35】で借りられるのは物件の購入費または建設費までで、諸費用分は借りられません。
諸費用分まで借りる場合はローンの選択肢が限られるので、有利な金利でローンを利用できない可能性もありますね。

現在の家計でも、将来の家計でも、無理なく返せるのか

「希望条件に合う物件が見つかった。頭金なしで多少金利が上乗せになったとしても、住宅購入したい」のであれば、条件に合うローンを扱う金融機関のHP等でシミュレーションを行い、“現状の家計で無理なく返せるか”を検討してみましょう。なお、住宅購入後の住居費としては、住宅ローン返済額だけでなく、固定資産税や都市計画税、マンション等なら管理費や修繕積立金なども含めて考える必要があります。

無理なく払える住居費の額は「住宅購入以前の家賃等の住居費+住宅購入のための貯蓄額」が目安になるでしょう。今後の住居費がそれより少なければ当面は無理なく返済できそうですが、今後の住居費がそれより多いと見込まれるなら不足額を毎月捻出していくことになります。頭金の貯まっていない、住宅購入のための貯蓄の習慣のないご家庭が、一定額の住居費を確実に捻出していくことはなかなか難しいかもしれません。

また、“将来に渡って無理なく返済できるのか”も考えておく必要があります。お子様の進学で教育費負担が増したり、定年前後に収入が減ったりすれば、返済が難しくなるかもしれません。頭金なしで借入額が大きいのに毎月返済額を無理のない金額にすると、返済期間は長くなりがちです。退職金で一括返済などができればよいのですが、そうでなければ、定年後の高齢期になっても、無理なく返済を続けられるでしょうか?

このように、頭金なしでの住宅ローン利用は適用金利が高くなる場合もありますし、借入額が多くなるので返済負担も重くなります。「低金利の今、住宅購入すべき」と決まっているわけでもありません。住宅購入の決断は「返済できるかどうか」を慎重に検討した上で行いましょう。

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(最終更新日:2019.10.05)
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