新たな「住生活基本計画」が決定! 今後10年の住宅政策の方向性は?

国土交通省は、2016年から10年間の住宅政策の指針として決定した「住生活基本計画(全国計画)」を発表しました。「住生活基本計画」とは、「住生活基本法」に基づき、国民の住生活の安定の確保および向上の促進に関する基本的な計画として策定されているもので、社会情勢の変化や施策の効果などを見て、5年ごとに見直しが行われています。

今回の「住生活基本計画」では、若年・子育て世帯と高齢者の住生活に関する目標が初めて設定されました。出生率の向上を目指した三世代同居や近居の促進、民間賃貸住宅を活用した住宅セーフティネット機能の強化、新たな高齢者向け住宅のガイドラインの策定による高齢者の住環境の充実を目指した内容となっています。

さらに、既存住宅の流通と空き家の利活用を促進し、住宅ストック活用型市場への転換を加速させるため、増加する空き家についての目標も初めて設定されました。新たな策を講じない場合と比較して、2025年には空き家を約100万戸抑制し、400万戸程度にするとしています。

「産業」に関する目標も初めて設定されました。既存住宅流通・リフォーム市場規模を20兆円市場に倍増し、強い経済を実現する担い手としての住生活産業を活性化する方針です。木造住宅の供給促進や担い手の確保、育成、技術開発といった生産体制の整備、IoT住宅などの新たな住生活関連ビジネスも支援します。

中古物件の有効活用や新ビジネス活性化など、住環境の変化に伴い新たな目標が設定された今計画。住生活環境が変化する転換期となりそうです。

(参考)
国土交通省 新たな「住生活基本計画(全国計画)」の閣議決定について(平成28年3月18日)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000106.html

国土交通省 住生活基本計画(全国計画)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000032.html

(最終更新日:2019.10.05)

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