発展中の「海老名市」に注目! 便利な海老名駅周辺は新築マンションにも手が届く?

相模川をはじめとする豊かな自然を抱く海老名市は、東京から約40キロメートル、横浜から約20キロメートルの神奈川県のほぼ中央に位置する街です。小田急線、相鉄本線、JR相模線が通り、東名高速道路の海老名サービスエリアがあるなど交通網が充実しています。近年は、海老名駅を中心に街づくりが活発化し、人口も大きく増加。今回は、発展を続ける海老名市の魅力と住宅事情を紹介します。

海老名駅前の風景
海老名駅前の風景(筆者撮影)

「国分寺」が置かれた歴史のある街

海老名市役所周辺
田んぼとマンションが立ち並ぶ海老名市の街並み(筆者撮影)

海老名市は、南北に長い地形で、西は相模川を隔てて厚木市に、北は座間市、東は大和市・綾瀬市、南は藤沢市・高座郡寒川町に接しています。温暖な気候と肥沃(ひよく)な土地を活用し、県央地域で有数の穀倉地帯が形成されています。

海老名市庁舎
海老名市庁舎(筆者撮影)

市内には相模国分寺跡、相模国分尼寺跡、秋葉山古墳群など、数多くの歴史的遺産があります。1889年に町村制施行によって現在の市域である海老名村・有馬村が誕生。1926年に神中鉄道(現在の相模鉄道)の二俣川-厚木駅間(現在の相鉄本線)が開業、1927年には、小田急小田原線が全線開業し、1931年には厚木-橋本駅間(現在のJR相模線)が開業しました。

イオン海老名店
イオン海老名店(筆者撮影)

その後、町村の合併などを経て、1971年に海老名市となりました。市制が開始された当時5万人にも満たなかった人口は、2023年8月1日時点で14万40人となり、初めて14万人を突破しました。海老市発展につながったのが海老名駅周辺の街づくりです。

海老名駅西口側の街並み
海老名駅西口側の街並み(筆者撮影)

海老名駅は、小田急小田原線と相鉄本線、JR相模線が通る神奈川県県央地区の交通の要衝。3路線の海老名駅を結ぶ自由通路の建設など、街は利便性の向上に取り組んできました。2002年には、東口自由通路の開通と商業施設ビナウォークが開業。海老名駅の東口駅前ににぎわいが生まれることで街が活性化し、マンションの建設など人口流入も進んでいきました。

ビナウォーク
ビナウォーク(筆者撮影)

【海老名市のデータ】
総面積…26.59平方キロメートル
人口…14万117人(2023年9月1日時点)
世帯数…6万1,836世帯 (2023年9月1日時点)

2010年代から海老名駅西口の再開発がスタート

ビナガーデンズ海老名
ビナガーデンズ海老名(筆者撮影)

2010年代に入ると海老名駅西口側の再開発がスタートします。2013年に海老名駅西口土地区画整理事業が開始。2015年には海老名中央公園から小田急線海老名駅まで続いていた自由通路が、JR相模線海老名駅を越え海老名駅西口中央広場まで延伸されました。2015年10月に開業した大型商業施設ららぽーと海老名は、敷地面積約3万3,000平方メートル、店舗面積約5万4,000平方メートルを誇り、250を超える店舗が運営され人気スポットになっています。

JR相模線海老名駅
JR相模線海老名駅(筆者撮影)

2013年に始まった海老名駅西口土地区画整理事業は、商業施設や業務施設と集合住宅、戸建て住宅などの住宅を計画的に配置し、駅前にふさわしい良好な都市環境の形成を目指すもの。JR海老名駅北西側に位置する市街化調整区域16ヘクタールが市街化区域に編入され、都市開発が一気に進みました。

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ららぽーと海老名
ららぽーと海老名(筆者撮影)

海老名駅周辺を歩くと、暮らしやすい街であることがすぐに実感できます。海老名駅は東側と西側が自由通路で結ばれスムーズに往来が可能。両側ともペデストリアンデッキが設置されており、ビナウォークやららぽーと海老名といった商業施設に快適にアクセスできます。駅周辺の道路は歩道が整備されており、高齢者や子育て層が安全に移動可能。地勢がフラットなので、徒歩や自転車、ベビーカーなどでの移動もスムーズです。

海老名駅西口側
海老名駅西口側の街並み(筆者撮影)

一方で、街を歩くと海老名市役所周辺など市街地や駅周辺部に、田んぼや畑が広がっているのを目にします。これらの地域の多くは農業振興地域と農用地区域として指定されており、無秩序に開発が進められることを防いでいます。海老名市では海老名駅西口土地区画整理事業のように、計画的に街づくりが進められており、今後も市街化区域を広げていく構想もあります。子どもから高齢者までもが暮らしやすい整った街並みは、計画的な街づくりの成果とも言えるでしょう。

海老名駅東口側に建つマンション
海老名駅東口側に建つマンション(筆者撮影)

こうした街づくりの成果は、「令和3年度海老名市政アンケート調査結果」からも見ることができます。

「これからも海老名市に住みたいと思いますか。」という質問に対し、「ずっと住みたい」が47.4%、「できれば住み続けたい」が46.5%と、実に93.9%の人が定住意向を示しています。「市内に住みたい理由」としては、「住み慣れて愛着がある」が63.1%、「自分または親族の家や土地がある」が56.7%であるほか、「通勤通学、買い物が便利」が50.3%、「自然環境が良い」が36.1%と高く、交通利便性や商業利便性に加え、自然環境を多くの人が魅力に挙げています。

鳩川
鳩川(筆者撮影)

交通利便性に優れ、豊かな自然も身近に

海老名市の交通網
海老名市の交通網(出典:海老名市ホームページ

海老名市内には、新宿や小田原・箱根方面と結ばれる小田急小田原線、横浜や都心につながる相鉄本線、神奈川県を南北に縦断するJR相模線の鉄道3路線が乗り入れています。市内には、小田急小田原線の海老名駅、厚木駅の2駅と、相鉄本線の海老名駅、かしわ台駅、さがみ野駅の3駅、JR相模線の海老名駅、厚木駅、社家駅、門沢橋駅の4駅の、合計9駅があります。

小田急小田原線海老名駅は特急ロマンスカーの停車駅でもあり、新宿方面などの通勤で利用できるほかレジャーでの利用も便利です。相鉄本線は2023年3月に相鉄・東急直通線が開業。東急東横線や東急目黒線、東京メトロ副都心線なども乗り入れることになり、横浜駅を経由せず渋谷駅などへ直通アクセスできるようになりました。JR相模線では、リニア中央新幹線の新駅など開発が進む橋本駅や茅ケ崎駅と結ばれます。

相鉄本線さがみ野駅前
相鉄本線さがみ野駅前(画像素材:PIXTA)

さらに、主要な幹線道路として、南北方向に圏央道、東西方向に東名高速道路が通っており、国道246号なども利用できます。2018年には、新東名高速道路の海老名南ジャンクション~厚木南インターチェンジが開業。現在、残り区間の工事が進められている新東名高速道路が開業すれば、さらなる交通利便性の向上が期待できます。

県立相模三川公園
県立相模三川公園(筆者撮影)

豊かな自然が身近にある点も海老名市の魅力です。海老名市は、街区公園・近隣公園・運動公園および公共施設緑地など182の公園を有しています。なかでも2004年に開園した神奈川県立相模三川公園は、相模川の河川敷に位置する丹沢大山の景色を楽しめる約16.8ヘクタールもの広大な公園。県立都市公園としては初めての河川公園で、桜並木や遊歩道、子どもが遊べるアスレチックなどの遊具、噴水、野球場やパークゴルフ場、芝生広場などがあります。

相模川の河川敷
相模川の河川敷(画像素材:PIXTA)

現地を訪ねて感じたのは、河川敷ならではの開放感。遮るものがなく、相模川と雄大な大山などの丹沢山系を眺めることができます。2020年には、河川環境が学べる自然観察園も園内にオープンしています。

県立相模三川公園
県立相模三川公園のサクラ(画像素材:PIXTA)

かしわ台駅近くにある北部公園には、体育館やテニスコート、屋内温水プールなどがあります。ほかにも、屋内温水プールや総合体育館がある海老名運動公園や相模国分寺跡、秋葉山古墳群などの史跡なども。子どもの成長を育むスポットが身近にあります。

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20年余りで人口が2万人増加

2003年1月1日時点の海老名市の人口は、12万3人でした。2023年8月1日時点の人口が、14万40人なので、20年余りで2万人を超える人口が増えたことになります。それを可能にしたのは、海老名駅を中心とした活発なマンション開発です。海老名駅西口の整理事業が進行した2010年代以降には、海老名駅西口側で大規模な板状マンションやタワーマンションの分譲も相次ぎました。

海老名駅の大規模マンション
海老名駅の大規模マンション(筆者撮影)
海老名駅の大規模マンション
海老名駅の大規模マンション(筆者撮影)

海老名駅周辺では新築戸建て分譲も活発で、駅徒歩10分圏であれば5,000万円台で販売されているものも。ただし、駅アクセスの良い駅徒歩10分圏の立地にある新築戸建ての分譲は限られており、交通利便性を求めるのであれば分譲が活発な新築マンション、もしくは、中古マンションを検討することをおすすめします。

海老名市に位置する小田急小田原線厚木駅前では、厚木駅南地区第一種市街地再開発事業が行われ、大規模マンションも分譲されました。

厚木駅前の再開発街区
厚木駅前の再開発街区(筆者撮影)

海老名市内の駅周辺部は、幹線道路などの都市機能を整備したうえで、街づくりが行われている場所が多く、住環境が良好な中規模マンションが目立ちます。過去の供給実績を見ると海老名駅が最も多く、厚木駅や相鉄本線のかしわ台駅、さがみ野駅などが続きます。

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新築マンション供給が続く海老名駅、中古マンションなら3LDKで3,000万円台も

エイビイ海老名店
エイビイ海老名店(筆者撮影)

海老名駅は市内にある9駅中で駅利用者数が最も多く、マンション分譲なども継続的に行われています。ビナウォークやららぽーと海老名などの大型商業施設に加え、エイビイ海老名店などの買い物施設も誕生。海老名市内で住まいを探すなら、人口が増加し生活利便性が高まっている海老名駅が最もおすすめと言えるでしょう。

セントガーデン海老名
海老名駅の大規模マンション「セントガーデン海老名」の外観(筆者撮影)

海老名駅周辺では新築マンションの供給が続いており、2023年8月時点では総戸数1,000戸のセントガーデン海老名が分譲中。3LDKタイプが5,000万円前後の価格帯で分譲されています。大規模マンションのスケールメリットがあり、管理費なども比較的リーズナブル。維持・管理がしやすい大規模マンションが多いのも海老名駅の特徴です。

海老名駅前のタワーマンション
海老名駅前のタワーマンション(筆者撮影)

中古マンションの流通も活発で、近年分譲されたタワーマンションや大規模マンションの売り出しも。近年の価格上昇で高価格帯のものが目立ちます。築年数の古いマンションの中には、3,000万円台での売り出し事例も。予算を踏まえ新築と中古をあわせて検討してみてはいかがでしょうか。

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ウォーカブルでサスティナブルな街・海老名市

計画的な街づくりで発展著しい海老名市ですが、相模川などの洪水リスクは留意すべきポイントです。海老名市が公開しているハザードマップによれば、相模川で洪水が発生した場合、海老名駅周辺を含めた広範囲のエリアが浸水想定エリアに入っています。物件探しの際は事前にハザードマップを確認しましょう。

海老名駅西口側
海老名駅西口側の街並み(筆者撮影)

人生100年時代と言われる中で、子どもから高齢者まで暮らしやすいコンパクトシティに注目が集まっています。3つの鉄道路線が交差する海老名駅を中心にバリアフリーな計画的な街づくりを進めてきた海老名市は、ウォーカブルでサスティナブルな街と言えるでしょう。今後も市役所周辺地区などで、新たな街づくりが検討されています。

東名高速道路や新東名高速道路へのアクセスが良いなど拠点性が高いのもポイント。湘南や箱根といったリゾートや横浜、渋谷、新宿といった都心へ電車でスムーズに往来できることにも魅力を感じます。生活利便性の高い海老名駅ですが、新築マンションもまだ手が届く価格帯。終の棲家として検討してみてはいかがでしょうか。

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