首都圏の中古マンション購入、年収500万円以下でも無理なく買えて資産価値が上がりそうな注目エリアは?

マンション価格が上昇し、人気の首都圏や都心のマンションなどは簡単には手が届かなくなっています。でも、よく調べてみれば、首都圏でもまだまだ価格がさほど高くはなくて、比較的購入しやすいエリアがあります。都心以上に資産価値が高まっていて、将来性の高いエリアもあるので、注目しておきたいところです。

東京都港区の70平方メートル換算価格は中古マンションでも1億円以上に

マンション情報のポータルサイト「マンションレビュー」を運営するワンノブアカインドでは、毎月、中古マンションの70平方メートル換算価格の全国市区町村別ランキングを作成しています。その最新版である2023年2月分のTOP10は、図表1にある通りです。

全国市区町村別 中古マンション価格ランキングTOP10
出典:株式会社ワンノブアカイド「マンションレビュー

トップは東京都港区の1億455万円で、2位は東京都千代田区の1億146万円、3位が東京都渋谷区の8,745万円。上位10位まではすべて東京23区が占めており、23区以外では12位に東京都武蔵野市、東京都以外では14位に神奈川県川崎市中原区が出てきます。首都圏以外では、23位にようやく京都府京都市中京区が入ってきますが、全体としては首都圏、それも東京23区が上位を占めています。

価格がここまで高くなると、平均的な会社員では価格ランキング上位の中古マンションは簡単には手が届きません。ある程度の自己資金があって、8,000万円の住宅ローンを借り入れるとしても、金利1.5%・35年固定・元利均等・ボーナス返済なしの場合の毎月返済額は24万4,947円に。無理のない返済負担として返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を25%以下に抑えるためには、年収1,176万円が必要になります。

年収400万円、600万円で購入できるエリアはある?

これでは、とても手が出ないという人が多いでしょう。

そこで、上位9位の東京都台東区の6,357万円、または10位の東京都豊島区の6,212万円の物件を、5,000万円のローンを組んで買うとすれば、先と同じ条件だと、毎月返済額は15万3,092円に。かなり返済負担が軽くなりますが、それでも、返済負担率を25%以内に抑えるためには、735万円の年収が必要になります。

先の8,000万円のローンに比べると、購入できる人がかなり増えそうですが、それでもまだ手が届かないという人も少なくないでしょう。年収400万円、600万円といった人は首都圏でマンションを買えないのでしょうか。

いいえ、決してそんなことはありません。購入するエリアを見直せば、手が届きそうなエリアがたくさんあるのです。

1年間で3割以上も価格が上がったエリアがある!

「価格が安いエリアは将来性がないのではないか」、「購入後に資産価値が下がって損することになるのではないか」という不安があるかもしれませんが、そういった場所だけとは限りません。

ワンノブアカインドでは、先の70平方メートル換算の価格のランキングとともに、1年前の価格と比較した騰落率(上昇率)のランキングも作成しています。そこで、上位に上がり、実際に資産価値が高まっているエリアに注目すれば、今後も比較的高い上昇率が期待できると考えられます。

その全国市区町村別の中古マンション価格騰落率(以下、騰落率)のランキングから、首都圏の市区町村に限ってTOP10を抜き出したのが図表2です。

中古マンション価格騰落率ランキングTOP10
株式会社ワンノブアカイド「マンションレビュー」より抜粋

トップとなったのは、神奈川県川崎市麻生区で、2022年2月の70平方メートル換算価格が2,529万円に対して、2023年2月は3,272万円に。騰落率は+29.36%になります。2位の東京都東村山市は、2,440万円から3,146万円で、騰落率+28.93%です。

どちらも1年間で3割近くも価格が上がっています。

都心やその周辺の騰落率はさほど高くない

先の図表1に戻りましょう。70平方メートル換算価格で上位に上がっているエリアは、そもそも価格水準が高くなり過ぎていることもあって、騰落率はさほど高くありません。

価格トップの東京都港区は騰落率+1.84%。3位の東京都渋谷区は+0.02%と、前年と大きく変わっていません。ほかを見ても、基本的には一桁台前半の上昇率となっており、資産価値を一定レベルで維持できるにしても、今以上の急激な上昇は期待しにくいと言えます。

それに対して、騰落率ランキング上位のエリアは二桁台の上昇率で、1位の神奈川県川崎市麻生区、2位の東京都東村山市では3割近くの上昇率なのです。将来性を買うなら、このようなエリアに注目するのが良いでしょう。

しかも、騰落率ランキング上位のエリアの70平方メートル換算価格は、価格上位の市区町村に比べると格段に安くなり、一般的な会社員でも無理なく取得できるエリアが多いのです。

年収500万円以下でも購入可能に

騰落率トップの神奈川県川崎市麻生区の70平方メートル換算価格(2023年2月)は3,272万円です。自己資金327万円を用意して、3,000万円のローンを金利1.5%・35年固定・元利均等・ボーナス返済なしで利用すると、毎月返済額は9万1,855円です。返済負担率を25%に抑えるとしても、年収441万円ほどになります。購入が可能な人が多くなりそうです。

東京都内であれば、東京都東村山市に中古マンションを購入するにしても、70平方メートル換算価格は3,146万円ですから、自己資金146万円で、3,000万円のローンを組めば、川崎市麻生区と同様に、毎月返済額は9万1,855円。返済負担率25%に抑えるためには、441万円ほどの年収があれば大丈夫そうです。

自己資金をもう少し増やして、ローン利用額を2,500万円に削減できれば、毎月返済額は7万6,546円に。返済負担率25%までに抑えるのに必要な年収は368万円にダウンします。

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騰落率ランキングTOP10に入った市町村はいずれも、70平方メートル換算価格に対して頭金を2割程度用意できれば、年収500万円以下の人でも住宅ローンの返済負担率は25%以下に。これなら無理なく購入できる、という人も多いのではないでしょうか。

※毎月返済額はいずれも金利1.5%・35年固定・元利均等・ボーナス返済なしの場合の試算

美浜区にはJR京葉線では25年ぶりの新駅開業

この騰落率のランキングで5位に入った千葉県千葉市美浜区は、千葉市のなかで最も東京寄りの場所にあり、湾岸部にはJR京葉線が走っています。

その京葉線に、「幕張豊砂」駅が2023年3月に誕生しました。京葉線では25年ぶりの新駅で、大規模商業施設のイオンモール幕張新都心と直結しています。新駅開業にあわせて、出店している店舗の3分の1に当たる約120店がリニューアル。さらに、2024年には隣接地でJR東日本が建設を進めているホテルも開業します。利便性が飛躍的に向上して、資産価値の一層の高まりが期待できます。

騰落率上位のエリアから、比較的価格が安くて、一段と資産価値上昇の可能性のありそうなエリアを見つけて購入するのもいいのではないでしょうか。

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