徳島へ移住する人は年々増えている! 魅力は温暖な気候と手厚い移住サポート

徳島県では移住者に対するさまざまなサポートを行っており、移住者は年々増加傾向にあります。徳島県にはどのような特徴があり、地方移住を検討している人にとってどのような魅力があるのでしょうか。

今回は、徳島県での暮らしがイメージしやすいよう、住まいや仕事、子育て、公的な支援制度などについて解説します。

徳島県へ移住した人の推移

徳島県の調査によると、2021年度に県外から徳島県へ移住した人は2,471人でした。この人数は、会社都合による転勤、進学、施設入所などでの転入者数を除き、自発的に徳島県への移住を決めた移住者を集計したものです。

2015年度以降は、移住者がほぼ右肩上がりに増えています。年齢層別では特に20歳代の移住者が多く、全体のおよそ37%を占めています。次いで、30歳代が約19%でした。前の居住地別に見ると、大阪府や兵庫県、香川県など近隣の府県からの移住者が多くなっています。

出典:令和3年度における徳島県への「移住者数」について|徳島

徳島県ってどんなところ?

徳島県は四国の東部に位置し、東は紀伊水道、南東部は太平洋に面しています。淡路島を経由して本州と四国をつなぐ神戸淡路鳴門自動車道があり、兵庫県や大阪府とのアクセスにも便利な立地です。

県土の約80%が山地で、東西に吉野川が横断し、その北に讃岐山脈、南に四国山地があります。温暖な気候を生かし 、野菜や果樹、花の栽培が盛んです。特に、すだちは全国シェアのほぼ100%を占める徳島県の代表的な農産物で、すだちの花は徳島県の県花にも指定されています。

また、瀬戸内海、紀伊水道、太平洋と異なる性質の3つの海に面する恵まれた環境にあり、古くから沿岸漁業や養殖業が盛んな地域でもあります。徳島県の北部は瀬戸内海気候、南部は太平洋気候に属し、年間を通じて温暖で、冬でも過ごしやすい地域です。

徳島県での暮らしは?

徳島県に住むとどのような暮らしができるのでしょうか。ここでは主に、住居、就労、育児について取り上げます。

住まい
不動産情報サイトSUUMOによると、徳島県の賃貸物件の家賃相場はファミリー向けマンション(2LDK/3K/3DK~3LDK/4K~)で月4万円台~6万円台です。賃貸の一戸建ての相場は月4万円台~8万円台ですが、一部の人気エリア以外なら3LDK/4K~の一戸建てでも6万円台で借りられます。

また、単身向けの賃貸アパートやマンション(ワンルーム~1LDK/2K/2DK)は、月3万円台~5万円台となっています。土地付き新築戸建てを購入する場合は、2,000万円台~3,000万円台が相場です。

出典:徳島県の家賃相場情報|SUUMO

仕事
徳島県には、大塚製薬グループの母体企業である大塚製薬工場や、青色LEDの開発で知られる日亜化学工業といった有名企業の工場や本社があります。年商100億円を超える企業は30社以上、中小やベンチャーの優良企業も多い県です。

また、県では就農支援などを実施して、就労の不安を解消するべく手厚いサポートを行っています。さらに、1年の研修期間を設けた林業アカデミーや水産資源に恵まれた漁業の担い手を育成するための漁業アカデミーなど、より実践的な研修制度も用意されています。

ほかの都道府県に本社を置く企業の、サテライトオフィスの誘致を県としても推進しており、 東京などの企業に所属しながら働くことも可能です。

子育て
徳島県では、安心して子育てができる環境づくりに積極的に取り組んできました。その結果、保育園や幼稚園の環境整備、小児科医の確保、男性の育児参加などで高い成果を実現しています。総務省統計局の資料によると、2019年度の人口10万人 あたり幼稚園数は全国1位でした。また、厚生労働省の調査では、人口10万人あたり小児科医師数も全国平均より多くなっています。

徳島県では官民問わず少子化対策や子育てに力を入れているため安心して子育てができる地域です。また、男性の1日あたり平均育児時間が比較的長く、男性の育児参加にも協力的な環境であるといえます。

出典:社会・人口統計体系 / 統計でみる都道府県のすがた2021 / 社会生活統計指標 | 総務省統計局

出典:平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 | 厚生労働省

出典:徳島は宣言するVS東京

徳島県の移住サポートは?

徳島県では、県や市町村の地方自治体で各種の移住支援制度や移住サポートを行っています。市町村単位で独自の支援制度を打ち出しているところもあるため、自分が利用できる制度について確認してみることをおすすめします。以下に主な移住サポートを紹介します。

移住支援金
徳島県では、東京の一極集中を防ぎ、地方の人材不足の解消を目的として、東京23区の居住者や通勤者に向けて移住支援金制度を実施しています。単身者は60万円、2人以上の世帯では100万円の移住支援金が支給されます。徳島県内での就業のほか、移住後にテレワークや起業をする場合も対象となります。

ほかにも、県外から移住した子育て世帯には、未就学児がいれば10万円の支給、2年後にはさらに定住応援金として10万円が支給されるなど、県外からの移住者の受け入れも積極的に行っています。移住先の市町村により支給要件が異なる ため、各自治体のホームページ等で確認してみてください。

各市町村の移住支援制度
徳島県では、各市町村も独自に市町村内への移住に関連した支援制度を設け、移住者のサポートを行っています。たとえば、徳島市では市内の中小企業に向けて「UIJターン人材確保支援補助金」として、全国からの移住希望者が就職しやすい環境を整備する費用を補助しています。

鳴門市では、移住者の住居を確保するため、市民が所有する空き家や移住者が居住する住宅のリフォーム工事費用を補助。また、市内への移住を検討している人に、「お試し滞在助成制度」として宿泊費の一部を助成しています。

さらに吉野川市の「YYターン移住創業支援事業」は、市内の空き店舗を活用して起業する人に向けて、改修費や家賃の補助金を支給する制度です。このように、市町村はそれぞれ独自のユニークな施策で、移住者だけでなく県内の企業や在住者へも積極的に働きかけ、移住しやすい環境づくりを進めていることがわかります。

移住お試し住宅
徳島県では、本格的な移住前のお試し体験として、家具や家電付きの宿泊施設を提供しています。1泊からでも宿泊可能で長期滞在もできるため、徳島県での実際の暮らしを体験してみたい人におすすめです。以下に、主な移住お試し住宅の利用料金や間取りなどの概要を紹介します。

● 藍住さくら団地(板野郡藍住町)
利用料金:1泊2,000円(光熱費別途)119泊目から1泊1,900円、239泊目から1泊1,800円、間取り:2K(一部屋貸し)

● いもちの家(海部郡海陽町 )
利用料金:1週間まで1泊3,000円(中学生から大学生は2,000円)1ヶ月以上は月3万円(水道光熱費として月5,000円)、間取り:3K(一棟貸し切り)

● 神野移住体験住宅(海陽町 )
利用料金:月額3万円(日額1,000円)、間取り:3LDK(1戸貸し切り、間取りは自由に調整可能)

まとめ

徳島県では20~30代の若い世代で、特に大阪府や兵庫県などの近隣府県からの移住者が多い傾向にあります。県や市町村でも、支援金の支給や相談窓口の設置、移住お試し住宅の提供など、さまざまなサポートを行い、移住を歓迎しています。徳島県への移住を検討している人は、移住や起業の支援制度で利用できるものがあれば、積極的に活用しましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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