7,000万円の家を買える人はどのくらいの年収? ローン破綻を防ぐためにすることは?

7,000万円の家となると高額な部類に入るため、購入する際には慎重な判断が必要です。この記事では、7,000万円の家を買うためはどのくらいの年収が必要かを解説するとともに、住宅ローンの返済が難しくなったときに考えられる対応策についても紹介します。これから7,000万円の家を購入しようと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

住宅価格は上昇している

近年、住宅の価格が上昇しています。その背景にあるのは、慢性的な人手不足やウクライナ情勢による資材価格の上昇に伴う建設費の高騰です。事実、2021年度の東京23区の新築マンションの平均価格は8,449万円と過去最高を記録しています。

住宅の価格が上昇しているにもかかわらず、住宅の売れ行きが好調な理由は、共働き世帯が増えていることや、リモートワークの定着により、住環境に充実さを求める傾向が強まっていることなどが考えられます。そのような状況で、利便性の良い立地に建つタワーマンションなどといった高級物件の人気が高まっている状況です。

7,000万円の家を買える人の年収

7,000万円の家を買おうと思った場合、年収はいくらくらい必要になるのでしょうか。シミュレーションや頭金の額、毎月の支出額の三つの視点から、7,000万円の家を購入するために必要となる年収を試算してみました。

住宅ローンシミュレーションから試算
ARUHIの住宅ローンシミュレーションを利用し、7,000万円を借りられる年収はどのくらいかを試算してみました。
試算の条件は以下のとおりです。

商品:ARUHIフラット35(9割以下)
借入期間:35年
返済方法:元利均等
団信種別:新機構団信
住宅ローン以外の借り入れ:なし
金利:1.65%(2022年12月時点)

シミュレーションの結果、年収800万円だと7,440万円まで借入可能であることがわかりました。年収が750万円だと借入可能額は6,975万円まで下がってしまうので、最低でも年収800万円は必要といえそうです。ちなみに年収が850万円だと、借入可能額は約7,905万円まで上がります。

家の購入にあたり、住宅ローンを利用する際にはさまざまな諸費用がかかりますし、新居に準備する家具の購入費用や引っ越し代などを考えると、年収は850万円くらいあったほうがいいでしょう。

また、試算にあたり住宅ローン以外の支出は考慮されていないことや、家族構成によっても7,000万円の家を購入するために必要な年収は変化する点に注意してください。

頭金別に試算
住宅ローンをいくら借り入れるかを判断する指標に「返済負担率(返済比率)」があります。返済負担率とは、年収に対する年間のローン返済額(住宅ローンとほかのローンを合わせた額)の割合のことです。理想的な返済負担率は25%~35%といわれています。

今回は、頭金を入れないケースと、頭金に700万円、1,000万円、1,500万円を用意したケースで、毎月の返済額を算出し、そのうえで返済負担率を30%とした場合に借り入れできる年収を試算します。試算にあたっては、ARUHIの住宅ローンシミュレーションを利用します。

また、試算においては、以下の条件の下で行います。

所要資金:7,000万円
借入希望金額:頭金を引いた額
ボーナス金額:0
商品:ARUHIフラット35
借入期間:35年
返済方法:元利均等返済
団信種別:新機構団信

試算の結果、それぞれの頭金を入れた場合の毎月の返済額、そしてそこから導き出された返済可能年収は上記のとおりです。

毎月の支出別に試算
当たり前ではありますが、生活していくうえで住宅ローン以外の支出も発生します。上記で求めた毎月の返済額を使用し、加えて20万円、30万円、40万円の支出が毎月発生すると仮定した場合、必要な年収はいくらになるかを求めてみましょう。

ちなみにここでの必要な年収は所得税や住民税、社会保険料をすべて支払った後に残る手取り額です。

    (頭金0円:毎月の返済額22万8,663円)

    (頭金700万円:毎月の返済額19万7,558円)

    (頭金1,000万円:毎月の返済額18万8,151円)

    (頭金1,500万円:毎月の返済額17万2,471円)

頭金を多く入れることにより、毎月の返済額は少なくなりますが、住宅ローン返済以外の支出額が多ければ、その分必要な年収額は大きくなります。

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返せる額と借りられる額は違う

住宅ローンを利用する際には、金融機関の審査を受ける必要があります。金融機関としてもできるだけ貸し倒れリスクを防ぐ目的から、審査によって申込者の返済能力を判断します。
とはいえ、金融機関は返せない額を絶対に貸さないわけではありません。返済が大変になる額でも、金融機関によっては審査にとおることもあります。

しかし、返せる額と借りられる額は異なります。自分の生活レベルに合った額以上の借り入れを行うと、住宅ローン破綻を起こしてしまう可能性があります。

住宅ローン破綻を起こすと家計も破綻してしまい、最悪の場合、購入した自宅や財産を失ってしまうことにもなりかねません。住宅ローンを利用して借り入れる際には、返済に無理のない金額を借り入れることが大切です。

住宅ローン破綻を防ぐためにすること

住宅ローン破綻を防ぐためには、事前にきちんと対策を行っておくことが必要です。住宅ローン破綻を防ぐための具体的な対策について、次項で紹介します。

ファイナンシャルプランナーに相談する
自分だけで住宅ローンの返済計画を考えると、どうしても見通しが甘くなりがちです。「なんとかなるだろう」という気持ちや「返済が難しくなったときに考えればいい」という思いが先行してしまうのです。しかし、返済が難しくなったときには半分手遅れの状態になっている可能性もあります。

そのためにも、第三者の意見を取り入れるようにしましょう。ファイナンシャルプランナーは、住宅ローンに関する相談も受け付けています。ファイナンシャルプランナーによって得意不得意がありますので、経験や得意分野などを調べたうえで住宅ローンを組む前に相談するようにしましょう。

基本的にファイナンシャルプランナーは資産形成や家計の見直し、老後の生活設計、相続問題など、お金と生活にかかわるさまざまなことを相談できます。相談の内容に応じて、毎月の支出がわかるものや、年収や資産状況がわかるものを準備しておきましょう。

ペアローンやリバースモーゲージローンを検討する
ペアローンやリバースモーゲージローンを検討することも、住宅ローン破綻を防ぐために有効な対策です。

ペアローンとは、一つの物件に対して夫婦などそれぞれが契約者となって、二つの住宅ローンを申し込む方法です。ペアローンを利用することで、それぞれの年収を合算して住宅を購入できるほか、それぞれの持ち分に応じた住宅ローン控除が受けられるメリットがあります。

リバースモーゲージローンとは、自宅を担保にして資金を借り入れ、生きている間は利息分だけを返済し、亡くなったときに自宅を売却するなどして元本を一括返済する仕組みのローンです。まとまった資金を借り入れることができ、生きている間の返済も少なくて済むというメリットがありますが、亡くなったあとに家が残らない点には注意が必要です。

まとめ

7,000万円の家を購入しようと思うと、頭金の額や返済負担率などにもよりますが、750万円から800万円程度の年収が必要です。ただし、7,000万円を借りることができたとしても、その後家計に負担をかけることなく返済できるとは限りません。

無理なく返済できる額を借りられるように、事前にファイナンシャルプランナーに相談することを考えましょう。また、家庭の状況によっては、ペアローンやリバースモーゲージ型のローンの検討もおすすめです。

さまざまな視点から比較検討し、最終的に自分に合った住宅ローンを申し込むとともに、借り入れる金額は無理なく返済できる額にとどめるようにしましょう。

(最終更新日:2023.01.30)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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