「日本のひなた」宮崎県は移住にぴったり! 暮らしやすさと魅力を解説

ライフスタイルの多様化や働き方改革、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、地方移住が注目されています。温暖な気候と豊かな自然、おいしい食べ物など、魅力が多い宮崎県を移住先に選ぶ人も増えているようです。本記事では、宮崎県への移住について、その魅力と移住支援策などを紹介します。

宮崎県の基本情報

宮崎県は九州の東南端に位置する県で、県庁所在地は宮崎市です。まずは、宮崎県がどのような県なのかについて、基本情報を見ていきましょう。

人口
宮崎県の人口は、2022年9月1日現在の推計で105万2,337人、世帯数は47万3,328世帯、日本の都道府県人口ランキングでは全国35位です。県内で最も人口が多いのは宮崎市の39万9,588人、次いで都城市の15万8,941人、延岡市の11万8,035人と続きます。

県土
宮崎県の面積は約7,735平方キロメートルで、日本の都道府県ランキングでは第14位です。総面積の76%が森林で、平地は少なく宮崎平野や都城盆地、小林盆地があるくらいです。

県内市町村でもっとも面積が広いのは延岡市の約868.02平方キロメートル、次いで都城市の653.36平方キロメートル、宮崎市の643.67平方キロメートルになります。

県内総生産と県民所得

東九州の物流拠点・細島港(日向市)

2019年の宮崎県県民経済計算によると、県内総生産は名目で3兆7,039億円でした。消費税率の引上げや新型コロナウイルス感染症の影響などもあって、2年連続のマイナス成長になっています。また、1人当たりの県民所得は242万6,000円、一人当たり国民所得を100としたときの所得水準は76.3になります

宮崎県の主な産業は、出荷額ベースで見ると食料品、電子部品・デバイス、化学工業となっています。主要産業である農業では、きんかんの栽培面積と収穫量、スイートピーの出荷量、ブロイラー産出額、飼養羽数などが日本一になっていて、2019年度の生産額ベース食料自給率も日本一でした。

さらに、東九州の物流拠点になっている細島港には、国内最大の国産材の製材工場や、世界シェア1位となるリチウムイオン二次電池の材料を製造する企業など、世界最先端の技術を誇る企業も集積しています。

宮崎県の魅力

宮崎県は全国屈指の暮らしやすい県です。温暖な気候や豊かな自然に恵まれているだけでなく、令和2年小売物価統計調査で日本一消費者物価が低い県になるなど、生活環境にも恵まれています。

年間を通して温暖な気候

宮崎の海はまるで南国

宮崎県は旧国名が「日向国(ひゅうがのくに)」であり、現在も「日本のひなた宮崎県」をキャッチフレーズにしているだけあって、気候の良さは全国トップクラスです。データで見ても、年間の平均気温が約17℃と温暖で、平均気温で全国3位、日照時間3位、快晴日数2位となっています(いずれも1981年~2010年平年値)。

温暖で晴れの日が多い気候のため、プロ野球チームをはじめとするさまざまなスポーツのキャンプ地にも選ばれています。また、キュウリやピーマン、マンゴーなど気候を生かした野菜や果物の栽培も盛んです。

青い空と海、ヤシの木や県木にも指定されているフェニックスなどが並ぶ景色は、まるで南国リゾートのようです。県民性はマイペースでおおらかとされていて、「日向時間」の言葉があるように、時間に追われてせかせかすることがないのも、南国らしさといえるかもしれません。

豊かな自然と観光地
宮崎県は海と山に囲まれた自然豊かな土地で、さまざまなアクティビティが楽しめます。特に太平洋側は、全国屈指のサーフポイントとして知られ、世界大会なども開催されています。オールシーズンでサーフィンができるため、サーフィンのために移住する人もいるほどです。

一方、県西部の山間部は冬には雪が積もるため、スキー場もあります。五ヶ瀬町には日本最南端のスキー場があり、ウィンタースポーツに興じる人々で賑わいます。さらに、カジュアルにゴルフが楽しめるトム・ワトソンゴルフコースや、海辺のリゾート気分が味わえる青島ビーチパークなどレジャースポットが充実しているのも大きな魅力です。

神話のふるさと

「天岩戸隠れ」神話のゆかりの地である天岩戸神社

宮崎県は「神話のふるさと」としても知られています。県内には、『古事記』や『日本書紀』に記された日向神話の舞台となる地が点在しています。高千穂町の天岩戸神社は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れた「天岩戸隠れ」神話のゆかりの地です。

高千穂町には、天照御大神の孫である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が、神々の住む高天原から地上に降り立ったとされる「天孫降臨」の地もあります。

さらに、日南海岸の青島や鵜戸神宮は海幸彦・山幸彦伝説の地とされ、山幸彦は後の浦島太郎伝説のモデルになったといわれています。

宮崎県の移住支援

宮崎県や県内の市町村ではさまざまな移住支援制度を設けて、移住者支援を行っています。主な移住支援制度を紹介します。

移住支援金制度
移住支援金制度とは、県外から宮崎県内の市町村に移住し、支給要件を満たした場合に、2人以上の家族・世帯で最大100万円、単身者で最大60万円の移住支援金を支給する制度のことです。

支給要件には、転入前の10年間に、宮崎県以外の都道府県に通算5年以上在住・通勤していたことや、宮崎県に移住(住民票異動)し、宮崎県内で就職することなどがあります。また支援金を受け取るには、移住および就職してから3ヶ月経過後に、移住先の市町村への申請手続きが必要です。

なお、上記は2022年度の支援金事業についての内容であり、2023年度以降の取り扱いは未定です。

宮崎ひなた移住倶楽部
現在県外に住んでいて、宮崎県への移住を考えている人に向けて、各種割引や特典サービスを提供する無料会員制度「宮崎ひなた移住倶楽部」もあります。会員になると、メールマガジンで発信される移住相談会のお知らせや、市町村の移住者支援策などの情報が受け取れる制度です。

また、レンタカーや引越し料金、賃貸住宅仲介手数料、リフォーム費などの割引や、各種ローンの金利優遇、フェリーやホテルでの食事やドリンクサービスなどの優遇もあります。

お試し滞在
いくら魅力的な土地であっても、見知らぬ場所にいきなり移住するのはハードルが高いかもしれません。しかし、一定期間滞在して、その土地の雰囲気や生活環境を知ることができれば、ハードルはかなり下がるのではないでしょうか。

県内のいくつかの自治体では、移住を目的として市内に滞在する人の宿泊費とレンタカー代の一部を補助する制度を設けています。また、体験型観光やグリーンツーリズム、農家民泊などを実施している自治体もあります。

なお、宮崎県への移住希望者のための相談窓口は、宮崎市のほか東京や大阪、福岡にもあります。まずは近くの相談窓口を訪れて情報収集してから、補助制度を利用してお試し滞在をしてみるとよいでしょう。

まとめ

リモートワークやワーケーションが当たり前となった今、生活拠点は必ずしも通勤圏内でなくてもよいとする企業が増えています。気候が良く豊かな自然に恵まれた宮崎県は、生活費も低く抑えることができて、移住先としての魅力にあふれています。のんびりとした南国暮らしにあこがれている人は、宮崎県への移住を検討してみてはいかがでしょうか。

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