住宅ローン金利速報|前月の引き下げから、今月は0.06%引き上げに。11月の【フラット35】金利

朝晩の冷え込みが感じられるこの頃、季節は秋から冬へと変わりつつあります。10月から訪日外国人観光客の受け入れが緩和され、さらに「全国旅行支援」がスタート。各地は観光客でにぎわっているようです。人も経済も動きつつある中、2022年11月の【フラット35】金利はどうなったのでしょうか。動向を見ていきます。

2022年11月の【フラット35】金利

今月の全期間固定金利型住宅ローン ARUHI フラット35の金利は融資率9割以下、返済期間21~35年、機構団信加入で1.54%となり10月から0.06ポイント引き上げに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.38%と、0.06ポイント引き上げとなりました。なお、8月1日から取り扱いが開始された融資比率9割以下・返済期間36~50年の金利は10月の2.17%から0.19ポイント引き上がり、2.36%となりました。

※ARUHI フラット35 各商品の概要、ARUHI フラット50の活用方法はこちら

ARUHI 住宅ローンの実行金利一覧

建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHI フラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHI スーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。

物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット5」(※団信込み。全疾病別途)は1.38%。

物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6」(※団信込み)は1.42%。

物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.45%。

物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7」(※団信込み)は1.46%。

物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.47%。

物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8」(※団信込み)は1.48%。

物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.52%となっています。

物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット9」(※団信込み)は1.53%となっています。

最新の住宅ローン金利はこちら→【ARUHI フラット35】

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

2022年11月の【フラット35】金利が小幅な上昇に抑えられた理由

インフレの急伸する米国ではFOMCによる大幅利上げが連続して決定され、米長期金利が上昇を続ける中、10月21日には【フラット35】のベースとなる機構債の表面利率が発表され、10月よりも0.16ポイントも高い0.74%となりました。わずかひと月で0.16ポイントも上昇するのは非常にめずらしいことです。

9月から10月にかけては、機構債の0.08ポイント上昇とは逆行して【フラット35】の金利は0.04ポイント下がったのですが、10月から11月にかけてはさすがに0.06ポイントの上昇となりました。しかし、機構債の上昇幅は0.16ポイントあったわけですから、0.1ポイントも上昇を抑制したことになります。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組みによると、住宅金融支援機構が機関投資家に機構債を販売して資金調達し住宅ローンを貸すという基本スキームとなっています。つまり機構債の表面利率はいわば資金の仕入値にあたり、【フラット35】の金利が売値にあたると考えてみれば理解しやすいと思います。

しかし、【フラット35】の金利は仕入値が上がったからといって、売値を同じ幅で上げるとは限らないのです。なぜならば【フラット35】を取り扱う住宅金融支援機構が独立行政法人であり、政府に代わって公共的な事業を行うために設立された法人で、利益の獲得を目的としていないためです。国民の住宅の建設等に必要な資金の円滑かつ効率的な融通を図ることを設立目的とするので、急激な金利上昇局面では、利用者が困ってしまわないように住宅ローンの金利上昇幅を緩やかにして、吸収する対応を行うのです。

2022年9月までは、機構債の表面利率の上昇または下降に対して【フラット35】は同じ方向にだいたい同じ幅で動いてきました。9月から10月にかけて、機構債の表面利率が0.08ポイント上昇し【フラット35】金利が逆に0.04ポイント低下するというのは極めて異例なことでした。10月から11月にかけて0.1ポイントも金利上昇が抑制されたことも、同じ理由によるものでしょう。

さらに、2022年10月からは、【フラット35】の金利引き下げ制度が改正され、事実上、適用金利が下がる人が増えています。【フラット35】S(ZEH)ではZEH水準の住宅を取得する場合に【フラット35】の借入金利を当初5年間0.5%引き下げ、6年目から10年目まで0.25%引き下げる制度であり、住宅建設業者や販売業者にも補助金の恩恵があるため、今後増えていくことが予想されます。さらに多数ある【フラット35】金利引下げ制度の併用を行いやすくするため、2022年10 月以降借入申込受付分から金利引き下げ方法が「ポイント制」に変更されています。

金利の急激な上昇が抑制されるうえ、金利引き下げ制度の恩恵が増えるため、今後さらに【フラット35】を利用する人が増えていくと思います。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

フラット35の仕組み

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※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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