年収1,200万円で組める住宅ローンの額は? 夫婦で住宅ローンを組む方法や注意点も解説

住宅ローンは基本的に借り入れ額が高額で、返済までの期間も長くなります。毎月きちんと返済していけるのか心配になる人も多いでしょう。一般的に見て高収入である世帯年収1,200万円の家庭でも、収入に対して高額な住宅ローンを組めば住宅ローン破綻に陥ります。

そこで今回は、年収1,200万円の人が借りられる住宅ローンの額のほか、住宅ローン破綻を防ぐための方法などについて解説します。

年収1,200万円の人の一般的な生活費

扶養している家族の人数などによっても異なりますが、年収1,200万円の場合手取り額は大体830万円~900万円です。そのなかにはボーナスなども含まれますので、毎月安定して使用できる金額は約60万円でしょう。

上記を想定すると、世帯年収1,200万円の世帯の一般的な生活費の一例は以下のようになります。

支出額は居住地や職業、子どもの年齢によっても大きく変わるため、あくまで一例です。条件によっては大きく数値が異なるでしょう。ただ、住宅費は手取り30%目安などと言われているので、手取り収入が月額60万円あれば毎月15~20万円は住宅にかけられるのではないでしょうか。教育費や娯楽費、保険料などにお金をかけないのであれば、それ以上の額を住宅費にあてることも可能です。

世帯年収1,200万円で組める住宅ローンはどのくらい?

住宅ローンを組むときに、いくら借り入れできるのかについては悩ましい部分でしょう。ここでは、世帯年収1,200万円の家庭はどのくらいの住宅ローンを借り入れできるのか、年収と毎月の返済額の二つの面から検討します。

年収から考える
ARUHI住宅ローンの住宅ローンシミュレーションによると、ARUHIフラット35(融資比率9割超、2022年8月現在の金利1.59%、元利均等返済、団信不加入)の場合、借り入れ可能額は8,000万円でした。この場合、毎月の返済額は24万8,489円で、返済総額は1億436万5,494円です。

ただし、この8,000万円という額はARUHIフラット35で借り入れができる上限です。支出が多い世帯の場合、年収1,200万円であっても8,000万円の住宅ローンを組むと、生活が苦しくなる可能性があります。

特に、子どもがいる家庭では食費や教育費が多くかかる傾向があるため、世帯年収が1,200万円あったとしても、8,000万円の住宅ローンを組むことはおすすめできません。

毎月の返済額から考える
ARUHI住宅ローンの住宅ローンシミュレーションを利用して、借り入れ額と毎月の返済額がいくらになるのかを下記の表にまとめました。

【条件】
・ARUHIフラット35(9割超)
・借入期間35年
・金利1.59% (2022年8月の実効金利)
・ボーナス返済額0円
・団信不加入
・元利均等返済

夫婦で住宅ローンを組むための方法

世帯年収1,200万円ともなると、そのなかには、夫婦共同で住宅ローンを返済していく予定の家庭も多いでしょう。ここでは、夫婦で住宅ローンを組むための方法を紹介します。

ペアローン
ペアローンとは、夫婦がそれぞれ1本ずつ住宅ローンを組む方法で、一つの住宅に2本の住宅ローンがある状態です。団信加入や返済も夫婦それぞれ個別に行います。住宅ローン控除もそれぞれ受けられます。

ただ、夫婦ともに団信加入したとしても、適用されるのは亡くなった方の分だけです。配偶者が亡くなってしまっても、自分の分の住宅ローンは支払い続けなければなりません。

また、ペアローンではお互いが保証人となるため、配偶者が支払いをしなければその分の支払いも発生します。2本の住宅ローンを組むことと等しいため、契約時の事務手数料も2本分かかります。

そのため、ペアローンは夫婦ともに経済力があり、配偶者が働けなくなったとしても問題がないような夫婦におすすめです。

連帯債務契約
連帯債務契約は、収入合算型の1つで、二人で1本の住宅ローンを組むような形です。どちらかが主債務者、その配偶者が連帯債務者となり、住宅ローンを返済していいきます。

二人で契約しますが住宅ローンは1本分だけであるため、かかる事務手数料も1契約分のみです。また、住宅ローン控除に関してはペアローンと同じく、自分の持ち分に対して受けられます。

ペアローンとの違いは、連帯債務者が団信に加入できない可能性があるという点です。連帯債務者が亡くなったときは主債務者がすべてを支払わなければならなくなるため、もしもの場合に負担が増します。

こういったことを考慮すると、連帯債務契約は夫婦で収入に偏りがあり、連帯債務者に何かあっても返済できるような家庭に向いているでしょう。

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年収1,200万円の人が住宅ローンを組むときの注意点

年収が1,200万円あったとしても、住宅ローン破綻が起こることはあります。返済不能に陥る、住宅ローンの返済の負担が重すぎる、といった事態が起こらないようにするために、以下のようなことに気をつけてください。

ライフプランを立ててから借り入れする
住宅ローンを契約する前に、まずは長期的なライフプランを立ててみてください。まずは子どもの進学や親の介護、自分たちの老後に必要な資金を割り出します。

次に、何歳まで働くことができ、どの程度の収入を得られるのか概算を算出。それらの結果から、住宅ローンの返済にあてられる金額を計算します。自分では難しい場合や、どうしても見通しが甘くなってしまう場合は、ファイナンシャルプランナーに依頼してみましょう。

基本的に住宅ローンの返済は長期間にわたります。今現在問題なく返せる額かどうかだけではなく、将来的に長く返済し続けられるか検討することが重要です。

メンテナンスコストも考慮に入れる
住宅にかかるお金は、毎月の住宅ローン返済額だけではありません。水回りや給湯器などの設備は経年劣化するため、いつかは修繕や取り換えが必要になります。

戸建ての場合は外壁や屋根の修繕も必要になるでしょう。分譲マンションでも管理費や修繕積立金がかかりますし、大規模修繕の際にはさらにお金が徴収されるケースもあります。

こういったメンテナンスコストもかかってくるため、住宅ローンは修繕費も考慮して契約しなければなりません。

住宅ローンを夫婦で目いっぱい借りるのは要注意
ペアローンや連帯債務契約のように、夫婦で協力して契約する住宅ローンもありますが、二人とも健康で働き続けられることを想定して借り入れするのは危険です。

女性の場合は妊娠・出産の時期は一時的に収入が落ちますし、どちらかが病気やけがで退職や転職を余儀なくされる場合もあります。そんなときにも、余裕をもって借り入れしておけば夫婦のどちらか一方が助けられます。しかし、どちらも自分の返済分で手一杯だと、何か予定外のことが起きたときに住宅ローン破綻に陥るかもしれません。

働き手が二人いる世帯だとしても、余裕をもった額を借りるようにしましょう。

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まとめ

年収1,200万円でARUHIフラット35で借り入れができる住宅ローンの上限は8,000万円でした。ただし、これはほかの支出などは考慮しない上限額であり、余裕をもって返済できる額はこれよりも低いでしょう。子どもがいる家庭では6,000万円くらいまでにしておいたほうが安心です。

(最終更新日:2023.12.14)
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