十五夜とは? お月見とは? お月見のやり方や歴史について徹底解説!

秋の風物詩と聞いて、お月見を思い浮かべる人も多いでしょう。お月見は十五夜に行うものとされていますが、具体的には何月何日を指すのでしょうか。そもそもなぜお月見をするのでしょう。それらの疑問にお答えすべく、今回はお月見の目的や歴史、準備するもの、過ごし方などを解説します。

十五夜とは

十五夜とは、本来は旧暦15日の夜のことです。旧暦は月の満ち欠けを基準につくられて、新月から次の新月までの期間をひと月としていました。そのため、旧暦の15日はおのずと満月にちかい月となります。ただし、新月から満月になるまでに日数は、13.9日から15.6日と変動があるため、必ずしも15日が厳密な満月であるとはいえません。

現在では、旧暦の8月15日、つまり9月の満月の日を十五夜と呼ぶことが一般的となっています。

十三夜、十日夜とは?
十五夜のお月見は全国的に知られた風習ですが、地域によっては十三夜(じゅうさんや)や十日夜(とおかんや)にもお月見をするところもあります。

十三夜は旧暦9月13日、十日夜は旧暦10月10日にあたります。いずれも秋の農作物が無事に収穫できたことを感謝する風習で、行事の内容は地域によってさまざまです。2022~2025年の十三夜・十日夜にあたる日は、それぞれ以下のとおりです。

中秋の名月との違いは?
中秋の名月は旧暦8月の十五夜に見られる月のことです。旧暦での四季は、気象条件に関係なく3ヶ月で区切られます。まだ寒い1月からの3ヶ月間を春といい、7月から9月までを秋と呼びます。十五夜である旧暦8月15日は秋のちょうど真ん中。そのため、十五夜の月を「中秋の名月」と呼ぶようになりました。

ただし、名月が見られるかどうかはその日の天候にもよります。俳句の季語では、十五夜に曇っていて月が見られないことを「無月」、雨が降っていることを「雨月」と呼びます

2022年の十五夜はいつ?
旧暦での1年間は約354日で、現在の暦とは日付にズレが生じます。そのため、現在の暦では、9月7日から10月8日の間で満月が出る夜を十五夜と呼んでいます。ちなみに、2022年から次の3年間に十五夜と中秋の名月とされる日は以下のとおりです。

お月見とは

お月見は、美しい満月をただ観賞するだけのものではなく、本来は秋の農作物が無事に収穫できたことを感謝する行事です。また、月の満ち欠けが生物の誕生と死を連想させることから、先祖への感謝を伝える意味合いも含まれています。

地方によっては子どもがお菓子やお供え物、作物をもらいに近所をまわる風習があるところもあります。なお、この風習ではお供え物が全部なくなると縁起がよく、翌年の豊作が期待できると喜ばれるそうです。

お月見をするのは十五夜以外でもOK
肉眼ではわかりにくいのですが、十五夜に必ず満月になるとは限らず、1~2日のズレがあります。また、十五夜に雨が降り、月が見られない可能性もあります。そのときには日付にこだわるのではなく、また違う満月の日に合わせてお月見をするのもおすすめです。十三夜や十日夜など、月が美しく見える日にお月見してみてはどうでしょうか。

お月見に必要なもの
お月見のお供え物といえば、月見団子とススキです。一般的には、月見団子は十五夜には15個、十三夜には13個用意します。三方(お供え用の台)がなければ、白い紙を敷いたお皿やお盆でも構いません。

ススキは実りの秋を象徴する稲穂の代わりで、秋の草花とともに花瓶に生けて供えます。また、収穫に感謝する行事なので、季節の野菜や果物を一緒に供えることも多いでしょう。ち

なみに、十五夜にはサトイモやサツマイモ、栗を供えたことから「芋名月(いもめいげつ)」や「栗名月(くりめいげつ)」、十三夜には枝豆を供えたことから「豆名月(まめめいげつ)」という別名があります。

お月見のやり方
まずは「月見台」を用意してください。月見台とは月見をする場所のことで、月が見える窓辺に小さな台やテーブルを置いて月見台とし、お供え物を飾ります。

庭でお月見をするなら、普段から使っているガーデンテーブルを利用するとよいでしょう。出窓をそのまま月見台にしてもOKです。できれば部屋の照明を消して、月のあかりを楽しみましょう。

月を眺めながら食事や晩酌をして、最後に月見団子をいただきます。お供え物を体に取り入れることで、健康や幸福が得られるとされています。月に供えた団子や野菜・果物は処分せず、なるべく食べるようにしましょう。

お月見の歴史

十五夜にお月見をする文化は、平安時代に中国から伝わったものです。中国では、旧暦の8月15日の中秋節に月餅やスイカなどの丸い食べ物を月に供え、五穀豊穣を祈念したそうです。この風習が日本にも伝わり、日本でもお月見が始まったといわれています。

当時のお月見は貴族が行う風雅な遊びでした。舟に乗って酒宴を開き、月を見上げるのではなく、水面や盃に映る月を眺めていたそうです。庶民にお月見文化が広がったのは江戸時代になってから。作物を収穫する時期であることから、収穫の喜びと感謝を表す行事へと変わりました。

今では全国的にお月見という風習は根付いていますが、行事の内容やお供え物は地域によって少しずつ異なります。
参照元:郷土史ていね:「縄文人の世界観」

まとめ

十五夜とは旧暦8月15日の夜のことです。旧暦では7~9月が秋になるため、ほぼ真ん中にあたる十五夜の月を中秋の名月と呼びます。ただし、旧暦と新暦とでは日付にズレがあるため、十五夜が何月何日になるのかは毎年変わります。

ちなみに、2022年の十五夜は9月10日(土)です。十五夜に月を観賞する風習は古くからありましたが、お供え物をするようになったのは江戸時代からとされています。月見団子などのお供え物を食べると、健康や幸福がもたらされるのだとか。今年の十五夜は、ご家族や近しい人とお月見を楽しんでみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア