コロナ禍で在宅ワークになり、これを機会にフリーランスで働く計画をしている人もいるかもしれません。フリーランスになるとどんな税金がかかるのか、事前に知っておかないと、事業や家計の資金繰りが立ち行かない、ということにもなりかねません。フリーランスにはどのような税金がかかるのか、主なものをチェックしておきましょう。

1.フリーランスの収入は事業所得にあたる

会社員として働いている場合の収入は給与所得となりますが、フリーランスは個人事業主となるので、収入は事業所得として計上します。

そして、「収入-必要経費-各種所得控除」で計算された金額に対して所得税が課税されるのです。経費はその収入を得るために使った費用を計上することができます。例えば、事務所を借りたというのであれば、その家賃も経費として計上できますし、その収入を得るためにかかった交通費、通信費なども経費となります。

なお、受け取った報酬から、すでに所得税が源泉徴収されている場合には、確定申告の際に「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」を基に源泉徴収税額を計算して、「払うべき所得税>源泉徴収された金額」であれば、差額を納税し、「払うべき所得税<源泉徴収された金額」であれば差額の還付を受けることができます。

住民税は所得税の確定申告書を基に計算されますので、所得税の確定申告をすれば住民税の申告は原則として不要です。ただし、住民税と所得税では基礎控除や扶養控除等の金額に違いがあるため、所得税がゼロでも住民税がかかり、納税が必要というケースもあるので注意が必要です。

2.確定申告は青色申告がお得

フリーランスの確定申告には白色と青色があります。

青色申告では、1月1日から12月31日までの1年間の収入金額や必要経費などの日々の取引状況を記録した複式簿記の帳簿をつけ、書類を保存する必要があります。事前に申請が必要であり、帳簿作成などの手間はかかりますが、最大65万円の所得控除が受けられる、家族の給与を経費扱いにできるなどのメリットがあります。

一方、白色申告は、複式帳簿による帳簿の必要がないなど青色申告よりも対応が簡単ですが、節税メリットがありません。ただ、白色申告でも記帳や帳簿の作成は義務となり、青色と手間はあまり変わらないので、できる限り、青色申告をしておきたいものですね。

3.個人事業税は忘れた頃にやってくる

フリーランス独自にかかるのが個人事業税です。個人が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる都道府県税で、現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します。

年間の合計所得金額が290万円を超えたときに3~5%の税率で課税されますが、例えば、「あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復は3%」、「運送業5%」「行政書士、社会保険労務士、税理士などの士業やコンサルタント業は5%」というように、税率は業種によって異なります。まずは自分の事業がどの法定業種に該当して、税率が何%なのかをチェックしておきましょう。

原則として8月、11月の年2回(第1期納期限8月31日、第2期納期限11月30日※休日の場合はその翌日)で、8月に送付される納税通知書により各納期に納めます。

所得税や住民税の確定申告をすれば、自動的に納付書が送付されるので手続き上はあまり気にする必要はありませんが、例えば年間の合計所得金額が400万円で税率が5%とすると、合計20万円とそれなりの金額となります。忘れた頃にやってくる税金ですので、資金繰りには注意が必要です。

4.消費税は払う必要があるの?

消費税は、事業者が消費者から預かった消費税をまとめて国へ納めるものです。フリーランスとして働く場合でも、同じように働いた報酬に消費税を上乗せして請求し、預かった消費税額を申告し、まとめて国に納めるという仕組みになっています。

すでにフリーランスとして活動している人で、「あれ?自分は消費税を国に納めたことないよ」という人も多いかもしれませんね。実は、原則、フリーランスでも1年に1回、「報酬とともに預かった消費税」から「自分が経費で支払った消費税」を控除して申告・納税する必要があるのですが、小規模で事業をしている事業者にとっては大きな負担です。

そこで、売り上げが1,000万円以下、もしくは開業後2年以内であれば、消費税が免除されているのです。ただし、この1,000万円の売り上げの算定期間は、「その年の前年の1月1日~6月30日までの期間」です。課税対象期間に1,000万円以下ではないので要注意ですね。

なお、仕事の依頼を受ける際には、消費税の取り扱いをどうするのか、事前に確認しておくことをおすすめします。例えば、1つのタスクについて報酬5万円だったとします。これだけでは「報酬5万円+消費税」なのか「消費税込みでトータル5万円」の依頼なのかはわかりませんし、金額に1万円近くも差が出てしまいます。見積もりを出す際には、しっかり「報酬5万円+消費税5,000円」と内訳を記載しておきましょう。

また、2023年10月1日からは、インボイス制度に対応した方法でやりとりを行なわなければ支払った消費税を経費として控除できません。このインボイス制度に対応するためには「適格請求書発行事業者」として所轄の税務署に登録する必要があり、そのためには「消費税課税事業者選択届出書」も提出しなければならず、つまり売り上げ1,000万円未満でも免税を受けられないことになります。経過措置もありますが、今後の動向は要チェックです。詳しくは、国税庁ホームページ「特集 インボイス制度」を参考にしてください。

その他、会社員だった方がフリーランスに転身する場合には、健康保険は国民健康保険への加入が必要ですし、年金では国民年金(第1号被保険者)に加入しなければなりません。健康保険では、これまで労使折半だった保険料が全額自己負担となり、費用負担も高額です。事前に資金繰りを確認しておくことも大切ですね。

ちなみに年金については、フリーランスの期間は第1号被保険者ですので、その期間は1階建ての部分しか年金は受給できない、専業主婦の妻は第3号被保険者から第1号被保険者となり、保険料の納付が必要になる、などの留意点もあります。老後の年金がどうなるのかも含めて確認が必要といえます。

フリーランスになると、確定申告や社会保険の手続き・納付はすべて自分で行わなければなりません。いざというときに困らないよう、事前に確認しておきたいものですね。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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