江戸川区は子育て世代にぴったり! 水辺も公園も身近で好アクセス、大規模再開発も進行中

江戸川区は、葛西臨海公園に代表されるように、水と緑に囲まれた自然あふれる行政区です。公立の公園面積は、東京23区で最も広い約776万平方メートル。区の南部は東京湾に面しているほか、江戸川、中川、新川、荒川といった多くの河川が流れています。また、子育て施策が充実していて子育て層に注目されています。今回は、豊かな自然が身近にある江戸川区の住宅事情と筆者おすすめの街について紹介します。

葛西臨海公園や総合レクリエーション公園など豊かな自然が身近にある街

江戸川区は東京都の東端に位置し、西に江東区、墨田区、葛飾区、東に千葉県市川市と接し有名なテーマパークのある浦安市も隣にある東京23区で4番目となる総面積49.09平方キロメートルの広さを持つ行政区です。南北に約13キロメートル、東西に約8キロメートルと南北に長い形状。2022年6月1日時点の人口は、東京23区では5番目に多い68万9,733人で、世帯数は34万8,519世帯です。

江戸川区総合レクリエーション公園
江戸川区総合レクリエーション公園 フラワーガーデン(画像素材:PIXTA)

江戸川区を代表する葛西臨海公園の広さは、約78万平方メートル。また、東西約3キロメートルにわたって、フラワーガーデンなどさまざまなスポットが点在する総合レクリエーション公園もあります。東京都建設局の公園調書によれば2021年の江戸川区の公立公園の面積は、約776万平方メートルで東京23区中トップ。1人あたりの公園面積も、約11.25平方メートルと、2位の足立区の約4.74平方メートルを大きく引き離しています。

こうした自然環境に恵まれた魅力もあり、人口は、2012年6月1日の67万8,353人から緩やかに増加。2021年1月1日時点の平均年齢は44.18歳となっており、東京23区の中では8番目に平均年齢が若い区です。江戸川区では、小学校の放課後などに児童が校庭や体育館で活動できるすくすくスクールなど子育て支援のさまざまな取り組みも行われています。

【江戸川区のデータ】
総面積…49.09平方キロメートル
人口…68万9,733(2022年6月1日時点)
世帯数…34万8,519(2022年6月1日時点)

自然が身近な住環境で永住意向の高い街 水辺で遊べるスポットや商業施設も豊富

令和3年度 江戸川区民世論調査」によると、区民の永住意向は「住み続けたい」47.4%、「できれば住み続けたい」28.9%と高く、転出意向は7.7%。多くの人がこのまま住みたい意向を示しています。また、公園・水辺の整備や緑化の推進に満足・やや満足としている人が約6割にも及んでいます。

江戸川区の公園数は、492園(2021年4月時点)。総樹木数は、約683万本で区民1人あたり9.8本の樹木数となります。緑道を含んだ街路樹は約6万本もあり、東京23区では2番目の多さとなります。

新左近川親水公園
新左近川親水公園(画像素材:PIXTA)

水辺のある親水公園が多いのも特徴で、古川親水公園、小松川境川親水公園、新左近川親水公園、新長島川親水公園、一之江境川親水公園の5つの公園があり、総延長は約1万メートルにも及びます。親水緑道も18路線あり、身近に自然を感じられる環境が整っている街と言えそうです。

葛西臨海水族園
葛西臨海水族園(画像素材:PIXTA)

区内には、バーベキューも楽しめる葛西海浜公園や海洋生物の展示された葛西臨海水族園など、さまざまなレジャースポットも。100種5万本の花菖蒲が咲き誇る小岩菖蒲園、桜の名所である新川千本桜、動物と触れ合える自然動物園など、区民の憩いの場が豊富にあります。

江戸川区は若い世帯が多く、0歳から14歳までの年少人口は、8万4,128人(2022年6月1日時点)と東京23区で3番目の多さです。江戸川区では、子育て支援に積極的で、0歳児を養育している家庭を対象とした家事支援サービスの無償提供や、生後9週間から1歳未満を対象とした区の認定を受けた保育ママが保護者に代わって幼児を保育する制度など子育て支援が充実。区内の中学生を対象とした職場体験を行うチャレンジ・ザ・ドリーム事業なども行われています。

江戸川区総合体育館
江戸川区総合体育館(画像素材:PIXTA)

スポーツ施設も充実していて、江戸川区総合体育館や江戸川区スポーツセンター、水辺のスポーツガーデン、野球場、サッカー場などスポーツができる場所が豊富にあります。

また、江戸川区内には商店街や商業施設も多くあり、「令和3年度 江戸川区民世論調査」によれば、買い物の便について満足が35.7%、やや満足が27.6%、普通が23.6%。一方、やや不満は8.7%、不満は3.2%と不満を感じている人は少ないようです。

江戸川花火大会
江戸川区花火大会(画像素材:PIXTA)

さらに、多くの観客が訪れる江戸川区花火大会(2022年は中止)や篠崎公園で行われる江戸川区民まつりなど区内各所でイベントが行われています。子育てを見据えた若いカップルにとって、江戸川区は魅力的な場所と言えるでしょう。

南北に長い江戸川区は、5つの鉄道路線が通っています。南側からJR京葉線、東京メトロ東西線、都営新宿線、JR総武線、京成本線。地図を見てわかるように、鉄道路線と鉄道路線の間が広い場所が多く、南北の移動はバスが補っています。駅からやや離れた場所に住宅が多いのも江戸川区の特徴で、市街地も広く値ごろ感のある住宅の供給も目立ちます。

江戸川区の鉄道と道路
江戸川区の鉄道と道路(出典:江戸川区ホームページ

江戸川区内の鉄道の開通時期は、JR総武線が1899年と最も歴史があり、1912年に開業した京成電鉄が続きます。東京メトロ東西線葛西駅が1969年の開業。都営新宿線東大島駅が1978年、JR京葉線葛西臨海公園駅が1988年と、比較的新しい駅が多いのも江戸川区の特徴です。区画整理された整った街区も多く、マンションや戸建ての分譲も活発です。続いて、江戸川区の住宅事情について紹介します。

下町情緒あふれる総武線、整った街並みの新宿線、モダンで都会的な東西線

江戸川区は住宅用地が年々増加傾向にあり、区全体の約3割を占めています。一方で、商業・工業用地・農地は減少傾向にあります。また、都市計画道路の整備や区画整理が進んでおり、公共用地や道路は増加傾向にあります。一部の駅前街区を除いて、中高層住宅や低層の住宅地が広がっており、マンション、戸建てともに供給が活発です。

平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業のイメージ
平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業のイメージ(出典:東京都都市整備局ホームページ

JR総武線は、平井駅、小岩駅が江戸川区アドレスとなります。JR総武線は、秋葉原駅を経由して新宿駅方面へと結ばれる沿線。ほかの路線と比べて開業時期も早く、古くから市街地が形成され商店街も広がっています。平井駅、小岩駅では、それぞれ駅前の街区で大規模な市街地再開発事業が進行中。街の防災性や繁華性を高め、より便利な街へと生まれ変わる計画です。

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平井駅小岩駅

船堀駅前
船堀駅前(画像素材:PIXTA)

都営新宿線は、江戸川区の中では南北の中央付近を通る新宿駅直通の路線。別記事でも紹介したように、駅周辺部が区画整理された整った街づくりが進んでいます。マンションとともに戸建ての分譲も目立ち、住環境重視の人には魅力的な沿線です。現在、江戸川区の新区庁舎が船堀駅に移転する計画があり、街のさらなる発展が期待されます。

参考記事:都営新宿線は便利で暮らしやすい! 新宿周辺エリア勤務の人に特におすすめの穴場3駅

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また、東京メトロ東西線は、日本橋駅や大手町駅といったビジネスエリアへ直通する交通利便性の高い路線です。東京メトロ銀座線や東京メトロ日比谷線などの地下鉄路線との乗り換えもスムーズなので、都心のフットワークも良好です。土地区画整理された整った街区が多く、西葛西駅、葛西駅ともに駅前の高架下に商店街があるなど、にぎわいある街となっています。大規模なマンションの供給も目立ち、沿線での中古マンション流通も活発です。

なお、JR京葉線葛西臨海公園駅周辺は、南側ゾーンが葛西臨海公園などの公共用地となっていることから住宅供給は限られ、主にマンション分譲されています。

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葛西駅葛西臨海公園駅

また、各路線の間での戸建て、分譲マンションの供給も目立ちます。土地面積を10坪から15坪程度に抑えた戸建てなら新築でも3,000万円台で購入可能な物件もあります。価格は駅前エリアに比べ手が届きやすくなりますが、バス路線や商業利便性は、地域によって差異があるので暮らしやすさは、確認すべきポイントです。

次に筆者おすすめの街を紹介します。

駅から東西南北に伸びる商店街 駅前再開発でさらに生活利便性がアップする小岩

1つ目は、JR総武線小岩駅です。小岩駅は、1899年開業の歴史ある駅。「ARUHI presents 本当に住みやすい街大賞」の関東TOP10にも過去4回選出された注目の街です。駅直結のショッピングセンター「シャポー小岩」や「イトーヨーカドー小岩店」など、駅前には商業施設が集積しています。また、多彩なお店が並ぶ歴史ある商店街が広がっているのも小岩の魅力。「小岩フラワーロード商店街」、「小岩サンロード商店街」、「昭和通り商店街」は、多くの店が軒を連ね、地域住民の暮らしを支えています。街は南北に広がっていますが、スーパーなども点在し、日々の買い物に便利な環境が整っています。また、区立小岩図書館やコミュニティー会館などの公益施設もあり、子育て層にも暮らしやすい住環境です。

小岩駅前の再開発街区
小岩駅前の再開発街区(画像素材:PIXTA)

小岩では、複数の再開発プロジェクトが進行中。現在南口の駅前で工事が進められている「南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業」の再開発エリアは、3つの街区で構成され、敷地面積の合計は約8,900平方メートル超にも及びます。南口交通広場とフラワーロード商店街を結び、保育施設や交流施設なども設けられる予定です。

2021年春に、10階建ての商業施設「FIRSTA koiwa(ファスタ小岩)」が竣工し、1階部分には、地域の交流拠点にもなる江戸川区のコミュニティースペース「KOITTO TERRACE」がオープンしています。さらに、北口では「JR小岩駅北口地区第一種市街地再開発事業」も進められており、街のさらなる発展が期待できそうです。

小岩駅前
小岩駅前(画像素材:PIXTA)

小岩駅の住宅事情ですが、交通利便性と生活利便性の備わった街だけに、駅近の新築マンション価格は相応の価格設定になっています。駅近であれば3LDKで、7,000万円程度の予算は必要でしょう。一方、中古マンションストックは比較的豊富で、流通も活発です。駅近にこだわらなければ4,000万円台で3LDKタイプの部屋を探すことも可能です。

また、新築戸建ての供給も活発です。バス利用もしくは、駅から徒歩15分から20分程度の立地の供給が多く、3LDKタイプの価格帯は4,000万円台~5,000万円台が中心となっています。予算で選ぶなら、中古マンションと新築戸建てを比較検討するのも良いかもしれません。

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子どもが遊べる広場や公園が点在 整った街区と静かで暮らしやすい住環境の瑞江

2つ目は、都営新宿線瑞江駅です。

篠崎公園
篠崎公園(画像素材:PIXTA)

瑞江駅周辺も都営新宿線のほかの駅と同様に、土地区画整理事業によって整備された整った街区が広がる街。広場や公園なども住宅街の中に点在し、家からすぐの場所に子どもの遊び場があるのは子育てファミリーにとってはうれしいポイント。駅周辺に幹線道路がないため、比較的落ち着いた住環境となっています。

また、開園面積が約31万平方メートルもある都立篠崎公園も生活圏。野球場、テニスコート、児童遊園、バーベキュー広場などもあり、家族の憩いのスポットになっています。さらに江戸川区スポーツランド、東部交通公園などの施設も。子どもと過ごすには、便利な住環境です。駅前には、「ラパーク瑞江」や「ライフ瑞江店」といった買い物施設が立地。ドラッグストアや医療施設もそろっています。安心して落ち着いた暮らしをしたい家族には、好適な場所と言えるでしょう。

瑞江駅
瑞江駅(画像素材:PIXTA)

瑞江駅の住宅事情ですが、新築マンションは3LDKタイプが5,000万円台から検討可能。中古マンションは、駅近にこだわらなければ3LDKタイプが4,000万円台から探すことができます。また、新築戸建ての分譲も一定数あり、徒歩圏でも3LDKタイプが4,000万円台から販売されています。都営新宿線は、通勤時は全駅に停車するため通勤アクセスが優れているわけではありませんが、住環境と予算重視で検討するなら選択肢は広がるでしょう。

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駅周辺に公園と商業施設が充実 都心への好アクセスと暮らしやすさを兼ね備えた西葛西

3つ目は、東京メトロ東西線西葛西駅です。

西葛西駅南口
西葛西駅南口(画像素材:PIXTA)

西葛西駅は、荒川を渡って1つ目の東京メトロ東西線の駅。大手町駅へ直通で最短15分以内など、都心アクセスが良好な街です。駅周辺には行船公園や総合レクリエーション公園などの憩いの場がたくさんあり、休日の過ごし方もさまざまです。

行船公園内にある平成庭園
行船公園内にある平成庭園(画像素材:PIXTA)

さらに、「イオン葛西店」、「サニーモール西葛西」、「オーケー西葛西店」、「マルエツ葛西クリーンタウン店」など、買い物施設が駅周辺に充実している点も便利です。高架下には、「西葛西メトロ・グルメショッピングセンター」もあり、夕食のおかずの準備や食事も身近で済ませられます。また、「アリオ葛西」といった大型商業施設にも自転車などでアクセスできます。週末の買い物は、ほとんど近隣で済ませられるでしょう。

西葛西の住宅事情ですが、新築マンションで、70平方メートル台3LDKが5,000万円台から探すことが可能。ファミリーでも手が届きやすくなっています。また、中古マンションストックも豊富にあり、築年数にこだわらなければ3LDKタイプが4,000万円台で十分探せます。新築戸建ての供給は限られ、駅からやや離れた場所が中心です。価格は、3LDKタイプが4,000万円台から販売されています。

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東京都心と10キロメートル圏の街も 子どもと過ごす時間も増えそう

平井駅、船堀駅、西葛西駅といった江戸川区の街は、東京駅から直線距離で10キロメートル圏内に位置します。自然が豊富なだけでなく、都心との近さは江戸川区で暮らす大きな魅力でしょう。

江戸川区での住まい探しの留意点は、水害リスクがあることです。関東に降った雨の多くが荒川や利根川を経由して、中川や江戸川などの河川に集まります。江戸川区は、陸地の約7割が満潮時の水面より低いゼロメートル地帯。荒川や江戸川、中川など各河川の洪水による浸水想定図画は、江戸川区のホームページで公開されているので、事前に確認することをおすすめします。

とはいえ、東京23区最大の公園面積を誇る豊かな自然は、江戸川区で暮らす大きな魅力です。通勤利便性も良好で、手の届きやすい価格帯は子育て層には魅力と言えるでしょう。東京23区で4番目の広さを誇るだけに、街の特徴もさまざま。まずは、レジャー目的に気になる街を訪ねてみてはいかがでしょうか。

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