デュアルライフ(二拠点生活)とは? 魅力や実態、成功のポイントなどをくわしく解説!

都会と田舎の両方に拠点を持ち、二拠点を行き来しながら生活するデュアルライフ(二拠点生活)。働き方やワークライフバランスの多様化に加えて、新型コロナの影響による在宅勤務の増加もあり、現在デュアルライフは注目されています。

デュアルライフに興味を持っている人や、実際に始めてみたいと考えている人もいるでしょう。本記事ではデュアルライフの魅力や始め方などについて紹介します。

デュアルライフ(二拠点生活)とは

デュアルライフとは、文字通りデュアル(二元的)にライフ(生活)の拠点を持つことです。一般的には都会と田舎の両方に拠点を持ち、それぞれを行き来するライフスタイルを指します。

デュアルライフの最も大きな魅力は、利便性に富む都会暮らしと、自然が豊かな田舎暮らしの双方のよさを満喫できることでしょう。田舎にも拠点を持つことで、地域での人間関係や愛着も深まり、田舎でしかできない活動や趣味なども楽しめます。

これらは旅行や出張のような一時的な滞在では得にくいものです。さらに、オンとオフの切り替えや気分転換ができて、気持ちにゆとりが生まれやすくなるのもメリットといえるでしょう。

デュアルライフ(二拠点生活)の実態

デュアルライフにチャレンジしたいものの、費用面などに不安を抱いている人もいるでしょう。また、二拠点目となる場所や、住居形態をどのように選べば良いのかも悩ましい問題です。

ここからは、株式会社リクルート住まいカンパニーが、1都3県、2府1県に在住し、デュアルライフを実施または実践する意向がある人に行った意識・実態調査を元に、デュアルライフの実態を検証します。

年収や年代、家族構成
まずは、デュアルライフを実践している人がどのような年代、年収、家族構成なのかを見ていきましょう。




年代としては、30代が29.1%と最も多く、次いで20代が27.9%です。20代と30代で5割を超えており、デュアルライフを実践しているのは若い世代に多いことがわかります。

家族構成では「既婚子あり」が4割を超え、「既婚子なし」の24.6%を大きく上回っています。デュアルライフは単身者や子どもがいない世帯向きというイメージがあるかもしれませんが、実態はむしろ逆です。子どもがいるからという理由でデュアルライフを諦める必要はないでしょう。

さらに、世帯年収による属性をみると、デュアルライフを実践している世帯は必ずしも年収が高いわけではないことがわかります。

かつては、別荘を持つのは富裕層というイメージがありましたが、デュアルライフを実践している世帯数に、年収による顕著な差は見られません。調査結果によると、世帯年収600万円未満の人が約35%、800万円未満が半数以上を占めており、そこまで高収入でなくてもデュアルライフを実現していることがうかがえます。

※参考元:株式会社リクルート住まいカンパニー 「デュアルライフ(二拠点生活)に関する意識・実態」調査

デュアルライフ(二拠点生活)を選択した理由
同調査では、デュアルライフを選択した理由として、最も多かったのが避暑や避寒、くつろぎや癒やしなどを求め「別荘として活用するため」です。この理由で二拠点目を選んだ人が約3割でした。続いて多かったのが「趣味を満喫するため」と「自然を感じられる環境で過ごすため」です。

「既婚子あり」世帯では他の家族形態に比較して、「自然が多い環境で多様な体験をさせ、のびのびと子育てするため」と「(第二の)ふるさとを持つため」を理由として挙げる割合が高く、子どもにとっての環境を重視してデュアルライフを選択していることがわかりました。

※参考:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(二拠点生活)に関する意識・実態」調査

デュアルライフ(二拠点生活)の住居形態
デュアルライフをしている人の二拠点目の住居形態は以下のとおりです。



デュアルライフの二拠点目の住居形態では、戸建てやマンション、アパートを購入して「持ち家」にしている人が全体の半数を占めています。

ちなみに、本拠と二拠点目との組み合わせでは、どちらも持ち家の一戸建てがもっとも多く、次いで持ち家のマンション・アパートになります。本拠も二拠点目もどちらも持ち家でデュアルライフを送っている人が多いようです。

※参考:株式会社リクルート住まいカンパニー「デュアルライフ(二拠点生活)に関する意識・実態」調査

デュアルライフ(二拠点生活)をするための方法

デュアルライフを実践している世帯の実態を見て、憧れていたライフスタイルが実現の可能性を帯びてきたように感じた人もいるでしょう。ここからは、デュアルライフの始め方について解説します。

物件を購入する
デュアルライフを始めるなら、まずは拠点選びからです。デュアルライフは本拠も二拠点目も持ち家を選ぶ人が多い状況です。二拠点目の持ち家には一戸建てとマンション・アパートがありますが、いずれの場合も地価が安い地域や、中古物件であれば1,000万円程度で購入することも可能です。

マンスリーマンションを借りる
デュアルライフを続けられるかどうか不安な人もいるでしょう。そのような場合は、マンスリーマンションを借りるという方法もあります。

マンスリーマンションは、家具や家電が揃っている賃貸物件で、1週間からの短期契約が可能なうえ、敷金や礼金も不要です。まずは希望の地域の住み心地や環境を確認しながら、デュアルライフを試してみたいという人にも適しています。

賃貸物件を借りる
いつデュアルライフを終了させるか未定の場合は、賃貸物件を借りてデュアルライフを始めるのもよいでしょう。小さい賃貸物件であれば、家賃が安く、光熱費も抑えられます。地方であれば月額2~5万円程度で借りられる物件もあります。

デュアルライフ(二拠点生活)に向いている地域

デュアルライフを実践する際は、地域選びも重要です。どうしても住んでみたい地域があったり、すでに物件を持っていたりする場合などは別ですが、これから二拠点目を探す際は、デュアルライフ向きの地域を選ぶことをおすすめします。どのような地域がおすすめか、解説します。

本拠点から近い地域
充実したデュアルライフを過ごすためのポイントの一つが、本拠と二拠点目との往復が苦にならない地域を選ぶことです。非日常感を満喫するために、本拠とはなるべく離れた地域に二拠点目を持ちたいと考える人もいるでしょう。

しかし、あまり遠すぎると移動に時間と交通費がかかります。次第に行くのが億劫になり、訪れる回数が減ってしまうかもしれません。行きたいときに気軽に行ける場所のほうが、無理なくデュアルライフを続けられます。そのため、二拠点目は、本拠から2時間程度で行ける地域を選ぶとよいでしょう。

地価が安い地域
デュアルライフを長く続けるために、かかる費用を極力抑えることも大事なポイントです。そのためには、地価が安い地域やリーズナブルな物件を選ぶようにしましょう。田舎暮らしといっても、二拠点を維持するにはそれなりに費用がかかります。

気に入った物件を無理して手に入れたとしても、費用負担が大きいと維持できなくなってしまいます。いずれは移住を視野に入れているなどで、二拠点目を充実させたい場合は、本拠のほうを縮小するようにして両拠点にかかる費用のバランスを見直すようにしましょう。

都心に住む人のおすすめデュアルライフ(二拠点生活)の場所
都心付近に本拠がある場合、二拠点目は関東圏内で探すのがおすすめです。茨城県や千葉県南部、神奈川県の山間部、埼玉県北西部や山間部などは地価が安いものの、都心へのアクセスが良く、2時間以内で移動できます。

いずれも大自然の中でのアウトドアや農作業などを楽しむのに適していますし、温泉やレジャー施設が近い場所もあります。ディープ過ぎず、適度な田舎暮らしが楽しめる場所もあるので、目的に合った拠点を探せるでしょう。

デュアルライフ(二拠点生活)を送るときのポイント

デュアルライフにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも少なくありません。デュアルライフを成功に導くために、いくつか注意したいポイントを紹介します。

費用に関することは計画的に行う
まず、気を付けたいのが費用面です。二拠点目は賃貸にするにしても、持ち家にするにしてもさまざまな費用が発生します。賃貸、持ち家に関わらずかかる費用としては、拠点間の移動の交通費や住宅の光熱費、通信費、火災保険料などがあります。

また、二拠点目が地方になる場合、移動や買い物には車が必要です。車の購入費用のほか、ガソリン代や自動車税、車検代などの維持費も考慮しなければなりません。さらに、持ち家の場合は固定資産税が、賃貸であれば管理費がかかります。費用に関することは、無理なく払えるように慎重に計画を立てておくことをおすすめします。

各地域の移住支援を利用する
地域によっては、移住してくる人に奨励金やさまざまなインセンティブを用意して支援する制度があります。引っ越しや住宅取得にかかる費用を節約できるため、デュアルライフを考えている人は一度調べてみることをおすすめします。

まとめ

都会と田舎の両方に拠点を持って、行き来しながらそれぞれの暮らしを楽しむデュアルライフ。かつての別荘などとは違い、必ずしも富裕層だけの特権ではありません。平均的な収入の世帯や子どもがいる世帯でも、デュアルライフは楽しめます。

まずはマンスリーマンションなどを利用しながら、拠点を持つ準備をするのもよいでしょう。充実したデュアルライフを実現するために、資金調達や物件選びは慎重に行うことをおすすめします。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア