マンションストック豊富な江東区の狙い目な街4選! 新施設が続々誕生で注目度アップ

東京都の東南部に位置する江東区は、西に隅田川、東に荒川、南は東京湾に面する海や川など自然に恵まれた行政区です。面積は43.01平方キロメートルで、大田区、品川区、港区、中央区、墨田区、江戸川区に隣接しています。

また、江東区は、江戸時代に奥の細道などで知られる松尾芭蕉が居を構えた歴史ある場所でもあります。1627年に創建された富岡八幡宮や成田山新勝寺の東京別院である深川不動堂は、多くの人が参拝に訪れます。近年は分譲マンションなどの供給が活発で、人口が大きく増加しています。今回は、江東区の暮らしと住宅事情、筆者おすすめの街について紹介します。

富岡八幡宮
門前仲町駅にある富岡八幡宮(画像素材:PIXTA)

江戸時代からの歴史ある内陸部と埋め立てによって誕生したウオーターフロント

東京湾に面した低地に位置する江東区は、江戸期には亀戸を中心とした城東地区が江戸近郊の農地や行楽地として栄えました。また、水運に恵まれた南部は、木材を貯留する貯木場として江戸の街の発展に寄与してきました。木場という地名は、材木置き場に由来します。その後、江戸期・明治期以降に海に面した地域は、埋立地となり工場や倉庫などが建てられました。現在の東京メトロ東西線沿線の南側にある多くのエリアは、江戸期以降の埋立地です。明治以降の江東区は、広い土地と水を利用した工業地帯として発展しました。

高度成長期を経て江東区は、大きく姿を変えました。特に変化が大きかったのは、東京湾に面したウオーターフロントとよばれるエリア。江東区の有明や青海は、港区台場などとともに臨海副都心に指定され、スケールの大きな開発が行われています。臨海副都心エリアには、新交通ゆりかもめ、東京臨海高速鉄道りんかい線の2本の鉄道と幹線道路が拡充され、都心や羽田空港などへのアクセス利便性がアップ。先端的な都市インフラを備え、職・住・学・遊の機能が複合したサスティナブルな街づくりが進められています。

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臨海副都心の有明の街並み
臨海副都心の有明の街並み(画像素材:PIXTA)

地域によって趣の異なる江東区ですが、2000年以降大規模なマンション開発が各地で活発化し、人口は大きく増加しています。2000年1月1日時点の人口総数37万8,923に対し、2022年5月1日時点の人口総数は52万8,399。22年余りで15万人近く人口が増加しています。

【江東区のデータ】
 総面積…43.01平方キロメートル
 人口…52万8,399(2022年5月1日現在)
 世帯数…27万9,562(2022年5月1日現在)

都心直結だけじゃない! スポーツ施設、国際展示場、商業施設も

2000年以降の人口が大きく増加している江東区ですが、魅力の1つに挙げられるのが都心近接の良好な交通アクセスです。JR総武線・京葉線、都営新宿線・大江戸線、東京メトロ東西線・有楽町線・半蔵門線、東京臨海高速鉄道りんかい線、新交通ゆりかもめなど多くの鉄道路線が通り、都心と結ばれています。さらに、2022年3月には東京メトロ有楽町線の豊洲-住吉間4.8キロメートルの延伸が認可され、2030年代半ばの開業を目指して事業が進められます。

江東区都市計画マスタープラン(目指す将来の都市像)
江東区都市計画マスタープラン(将来都市構造図)

たとえば、東京メトロ東西線門前仲町駅から日本橋駅、大手町駅へは5分以内のアクセス。東京メトロ有楽町線豊洲駅から有楽町駅へも10分以内という便の良さです。2020年に豊洲駅前に大規模なオフィス・商業の複合ビル豊洲ベイサイドクロスタワーが開業するなどビジネス拠点の整備も進んでいます。江東区は、オフィスビルの建設も活発で働く場としても成長を続けています。

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木場公園
木場公園(画像素材:PIXTA)

江東区のもう1つの魅力は、東京湾に面し水辺や公園など自然が豊かなことです。東京メトロ東西線木場駅にある木場公園は、23万平方メートル超もの広さを持つ広大な公園。木材関連業者が新木場駅へ移転した跡地を、防災拠点としての役割持たせて一帯を整備。テニスコート、バーベキュー広場、都市緑化植物園、木場ミドリアムなどがあり、東京都現代美術館も敷地内にあります。

そのほか水辺を利用した猿江恩賜公園、清澄庭園、仙台堀川公園、海に面した若洲海浜公園、夢の島公園など憩いのスポットが点在しています。運河沿いや河川沿いの歩道の整備も進んでいて、散策やジョギングなどが楽しめるスポットも豊富にあります。

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清澄庭園
清澄庭園(画像素材:PIXTA)

江東区にはスポーツ施設も充実しています。2021年に開催された東京五輪では、有明テニスの森、東京辰巳国際水泳場をはじめ、多くの施設が大会に活用されました。東京アクアティクスセンターや有明アリーナ、夢の島公園アーチェリー場など、新たなスポーツ施設も新設。改修を経て今後も活用されていきます。国際大会などが開かれるスポーツ施設が身近にあることは、江東区に住む魅力でしょう。

東京アクアティクスセンター
東京アクアティクスセンター(画像素材:PIXTA)

さらに、大規模な商業施設やイベント施設などが多くあるのも特筆すべき点です。有明にある東京ビッグサイトは、国内最大の国際展示場。総展示面積は11万5千平方メートル超もあり、国内外のさまざまなイベントが行われています。また、大規模な商業施設も複数あり、ららぽーと豊洲や深川ギャザリア、有明ガーデンなど大型複合施設も点在しています。こうしたスケールの大きな街づくりが広範囲に見られるのは、江東区の特徴です。

江東区の住宅事情は、地域によって大きく異なります。都営新宿線沿線は、「都営新宿線は便利で暮らしやすい! 新宿周辺エリア勤務の人に特におすすめの穴場3駅」で紹介したように、大規模な団地が多いエリア。暮らしやすい住宅中心の街づくりが魅力です。

参考記事:都営新宿線は便利で暮らしやすい! 新宿周辺エリア勤務の人に特におすすめの穴場3駅

また、東京メトロ東西線は、日本橋駅や大手町駅へ直通で短時間にアクセス可能。門前仲町駅のように商店街があるなど、地域に根差したお店がたくさんある街も見つかります。

シティタワーズ東京ベイ
有明ガーデンにあるシティタワーズ東京ベイ(画像素材:PIXTA)

豊洲、東雲、有明といった湾岸エリアは、タワーマンションなどの大規模マンションの供給が目立ちます。なかには、総戸数1,000戸を超えるプロジェクトも。パーティールームやゲストルームなど多彩な共用施設が魅力で、プールやバーなども入るマンションやフィットネスジムなどをマンション内で利用できる物件もあります。どのマンションで暮らすかによって、ライフスタイルも変わってきます。ホテルライクな暮らしが実現できるのは、豊洲をはじめとする東雲、有明など湾岸エリアの特徴でしょう。

豊洲6丁目公園
豊洲6丁目公園周辺の景色(画像素材:PIXTA)

コロナ禍を経て、開放的なロケーションが評価され、江東区のマンション価格は高止まりしています。一方、新築戸建ての供給は敷地面積を抑えた小規模なものが多くなっています。このエリアは、中古マンションのストックは豊富なので、マンションを選ぶなら中古と新築を比較しながら購入を検討することをおすすめします。

次に江東区の筆者おすすめの街を4つ紹介します。

サンストリート亀戸跡地がカメイドクロックとして再生 話題の亀有

まず、1つ目に挙げるのがJR総武線亀戸駅です。江東区内では、唯一のJR総武線の駅です。東武亀戸線利用で、曳船方面へもアクセスできます。亀戸中央通り商店街をはじめ下町情緒を感じる街で、駅周辺には食堂などの飲食店も豊富にあります。

「KAMEIDO CLOCK」とプラウドタワー亀戸クロスの外観
KAMEIDO CLOCKとプラウドタワー亀戸クロスの外観(筆者撮影)

2022年4月には、亀戸駅前のサンストリート亀戸跡地に商住複合施設KAMEIDO CLOCK(カメイドクロック)が開業。飲食店やスーパーなど130店舗以上が入る大型商業施設で、下町風の「カメクロ横丁」やイベントなどを行うコミュニティースペース「カメラボ」など地域交流をはかれる施設も。隣には、施設にデッキで直結する分譲マンション棟「プラウドタワー亀戸クロス」も建てられています。

「KAMEIDO CLOCK」のカメクロ横丁
KAMEIDO CLOCK内の「カメクロ横丁」(筆者撮影)

旧中川沿いには、亀戸中央公園があり子どもが遊べる憩いのスポットも。JR山手線へ乗り換えできる秋葉原駅へも総武線利用で10分圏内。ビジネスパーソンや共働きファミリーが暮らしやすい街と言えるでしょう。

亀戸中央公園
亀戸中央公園(画像素材:PIXTA)

新築マンション相場は、駅近なら3LDKタイプで7,000万円台以上とやや高めです。中古マンションストックは豊富で、駅近3LDKタイプが4,000万円台から。好立地や大規模マンションも多いので、並行して検討してみてはいかがでしょう。

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駅前に公園、南北両側に商業施設があり、生活利便性の高い南砂町

2つ目は、東京メトロ東西線の南砂町駅です。

南砂3丁目公園
南砂3丁目公園(筆者撮影)

都心直結の東京メトロ東西線は人気の沿線で、商店街の充実した下町情緒あふれる門前仲町駅、木場公園のある木場駅、江東区役所のある東陽町駅など、暮らしやすい街がそろっています。南砂町駅は、荒川が東側に流れる江戸川区との区境の駅。駅前に南砂3丁目公園や新砂あゆみ公園が立地する暮らしやすい住環境が魅力の街です。

南砂町の魅力は、商業施設の充実。駅南側にある大型商業施設南砂町ショッピングセンターSUNAMO(スナモ)は、8つの大型店と約100の専門店が入る買い物に便利な商業施設です。

大型商業施設「SUNAMO」
大型商業施設「SUNAMO」(筆者撮影)

また、南砂町駅北側には複合商業施設であるトピレックプラザが立地。イオンスタイル南砂などの買い物施設やホームセンター、アミューズメント施設など多彩なお店が入ります。さらに、駅からやや離れた場所には、砂町銀座商店街や大型商業施設アリオ北砂が立地します。ニトリ南砂店などの専門店もあり、ファミリーが暮らしやすい買い物に便利な街です。

トピレックプラザの外観
トピレックプラザの外観(筆者撮影)

南砂町駅では、大規模マンションの供給が活発です。中古マンションのストックも豊富にあるので、新築と中古を比較検討するのも良いでしょう。新築は3LDKタイプが5,000万円台から、中古は3,000万円台から検討できます。南砂町駅などの東京メトロ東西線沿線駅は、人口増加で通勤時の混雑が課題となっていましたが、南砂町駅ではホームを増設することによる2面3線化の工事が進められています。2027年度に工事完了予定で、これにより前に電車がいてもホームに進入することが可能となり、混雑時の遅延を防ぎます。

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住吉駅への有楽町線の延伸計画も 多様性のある街づくりが進む豊洲

豊洲駅前
豊洲駅前(画像素材:PIXTA)

3つ目は、都心直結のアクセス性の高さが魅力の東京メトロ有楽町線豊洲駅です。新交通ゆりかもめも利用できるウオーターフロントの起点ともなる駅。豊洲駅~住吉駅間の有楽町線の延伸計画もあり、将来性も期待できます。

ブランズタワー豊洲の外観
ブランズタワー豊洲の外観(筆者撮影)

駅周辺は地区計画によりゾーニングされ、職・住・学・遊がバランスよく整備された街づくりが進んでいます。土地区画整理事業などによって豊洲公園、豊洲3丁目公園などの公園や幹線道路などを整備。歩道がゆったりとしていて、ベビーカーなどを押しても歩きやすい街です。

豊洲シビックセンターと豊洲ベイサイドクロス
豊洲シビックセンターと豊洲ベイサイドクロス(画像素材:PIXTA)

駅前には、豊洲シビックセンターなどの公益施設も整備されています。さらにアーバンドック ららぽーと豊洲などの商業施設の豊富さも魅力です。2014年に昭和大学江東豊洲病院が開院するなど医療施設も充実しています。また、2015年に豊洲西小学校が開校するなど、人口増加に対応して教育施設も整備されてきています。

豊洲の風景
豊洲の風景(画像素材:PIXTA)

豊洲駅周辺は街づくりが進んでおり、新規のマンション供給は限られます。人気の街ということもあり、新築・中古ともにマンション価格は高止まりしています。駅距離やマンションの階数や構造、住戸の向きによって価格は大きく異なります。新築マンションの供給は限られ、中古マンションでも築年数の浅い3LDKタイプなら8,000万円前後の予算は必要です。大規模マンションのストックが豊富なので、候補物件を絞って探すのも良いかもしれません。

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有明ガーデン開業で買い物も便利に 東京ビッグサイトや有明コロシアム至近の有明

有明ガーデンの外観
有明ガーデンの外観(画像素材:PIXTA)

最後に紹介するのが、新交通ゆりかもめ有明駅です。東京都は港区台場などとともに江東区有明南地区、有明北地区、青海地区など442ヘクタールを臨海副都心として指定しています。有明の特徴は、東京湾ウオーターフロントのスケールの大きな都市開発。臨海副都心を走る新交通ゆりかもめ、東京臨海高速鉄道りんかい線の2本の鉄道と幹線道路が拡充され、羽田空港などへのアクセスも良好です。

最先端の都市インフラを備え、災害に強いことも有明エリアの魅力です。臨海副都心は、ウオーターフロントの魅力を最大限に活かした水辺や緑の空間、うるおいとやすらぎのある都市景観がつくられています。有明はそのなかでも住環境が良好で、東京臨海広域防災公園や有明テニスの森公園など憩いのスポットが身近に点在。がん研究の先端技術を提供するがん研有明病院なども立地します。

東京ビッグサイト
東京ビッグサイト(画像素材:PIXTA)

さまざまなイベントが行われる東京ビッグサイトや有明コロシアムもあります。さらに2020年には、200店舗以上のお店が入る複合施設有明ガーデンが開業。商業施設に加え、約8,000人収容の劇場型ホールや温浴施設、有明四季劇場もオープンしました。ライフスタイルを豊かにする施設の豊富さは、湾岸エリアの中でもトップクラスでしょう。

大規模マンションの供給が中心で、1,000戸を超えるプロジェクトも。新しく造られた街だけに、中古流通は2000年以降築の比較的新しいマンションが中心です。新築マンション価格の上昇にともない、中古マンション価格も上昇気味。1LDKや2LDKの流通も多いので、単身者やカップル向けには間取りの選択肢が豊富にあります。新築、中古ともに1LDKタイプなら5,000万円台から、新築の3LDKタイプなら8,000万円台で検討可能です。

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都心アクセスが良好で、海や運河などの豊かな自然に囲まれた商業利便性が高い江東区ですが、留意したい点は地震リスクです。埋立地が多いこともありマンションを建てる際には、支持層まで深く杭を打つ必要がある場合も。マンションの地震対策は、確認したいポイントです。

東雲のタワーマンション群
東雲のタワーマンション群(画像素材:PIXTA)

また、人口流入が活発なため、未就学児がいる場合は保育施設の状況の確認も忘れずに。保育施設の整備によって待機児童数は大きく減少していますが、申し込み倍率が高い保育施設が目立ちます。また、共用施設の充実した大規模マンションの中には、管理費や修繕積立金が相応の額のケースも。月々の費用負担はよく確認しましょう。

職住近接が実現可能で、充実したライフスタイルをかなえる場がたくさんあるのは、江東区で暮らす魅力です。買い物やレジャーと一緒に街を見学してみてはいかがでしょうか。

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