クレジットカードの不正利用が拡大中!? 心当たりのない請求が来たらどうしたらいい?

日本クレジット協会の調査によると、2021年におけるクレジットカード不正利用の被害額はおよそ330億円で過去最高となっています。誰もが被害に遭う可能性があるため、クレジットカードの不正利用に対する十分な対策が必要です。

今回は、クレジットカードの不正利用について、対処法や補償について解説します。不正利用される原因と対策も解説しますので、参考にしてください。

出典:クレジットカード不正利用被害の発生状況|日本クレジット協会

クレジットカード不正利用の疑いがあるなら明細を確認!

クレジットカードが不正利用された疑いがある場合は、まずは落ち着いて明細を確認することが大切です。ここでは、確認する際にチェックすべきポイントを解説します。

自動更新や家族利用ではないか
自分で購入あるいは利用した覚えのない請求を見ると、間違いか不正利用されたかと驚くことでしょう。まずは、利用日や請求元をよく確認してみてください。サービスの自動更新や家族利用の可能性もあります。

たとえば、動画配信サービスの無料試用期間が過ぎて、自動的に有料プランに移行して課金された場合です。また、家族が自分のアカウントを利用してショッピングやゲームの課金をしていたケースもあります。ほかにも、初年度年会費無料のクレジットカードに加入し、次年度に切り替わるタイミングで年会費を請求されたケースなどです。

利用した店舗と別の名前になっている可能性はないか
聞き覚えのない会社から請求が来て不審に思うケースもあるでしょう。利用したサービスや店舗が、クレジットカード払いなどの現金以外の支払いを、決済代行会社に任せている場合があります。その場合は、なじみのあるサービス名や店舗名ではなく、決済代行会社の名前が表示されます。

また、ショッピングモールやスーパー、ガソリンスタンドなどで利用した場合、店舗名ではなく親会社や運営会社の名前で請求される場合もあるようです。海外に行っていなくてもネット通販などで海外のWebサービスから購入すると、海外利用と表示されることもあります。

遅れて請求がきた可能性はないか
店舗によっては、クレジットカードの利用情報がかなり遅れてカード会社へ届くことがあります。同日に別店舗で利用したカード払いが、異なる月に請求されるのはめずらしいことではありません。

また、ネット通販などを利用した場合、商品の到着と請求のタイミングがずれることもあります。購入した消耗品などをすでに使い切って、忘れた頃に請求が届くケースもあるでしょう。過去に予約していた商品が納品までに日数を要した場合など、注文日でなく納品後に決済が行われている可能性もあります。

不正利用の可能性が高い場合の対処法

利用明細を確認して不正利用の可能性が高いと判断した場合は、速やかに対処しなければなりません。まずは、クレジットカード会社への連絡が最優先です。以下に、不正利用が疑われる場合の対処方法や流れについて解説します。

すぐにクレジットカード会社へ連絡する
クレジットカードの不正利用に気がついたら、すぐにクレジットカード会社の年中無休24時間受付の対応窓口へ連絡しましょう。クレジットカード会社は、連絡を受けたらすぐにクレジットカードの利用を停止し、不正利用かどうかを調査してくれます。

不正利用や盗難、紛失などの場合、今のクレジットカード番号は今後使えないため、カード再発行の手続きをして新しい番号に変更してもらう必要があります。1週間から10日程度で現住所に新しいクレジットカードが送られてきますので、必要に応じて利用サービスのクレジットカード番号の変更手続きを済ませましょう。ただし、所定の再発行の手数料がかかります。

不正利用が判明したら警察へ被害届を出す
クレジットカード情報は、巧妙な手口で盗み出されることが多いものです。クレジットカードの契約者本人に落ち度がない場合は、クレジットカード会社から補償が受けられる可能性があります。

補償を受けるためには、警察に被害届を提出した際の受理番号が必要です。クレジットカード会社の調査により不正利用が認められた場合は、警察からの受理番号を通知することにより補償の手続きが行えます。

クレジットカードの不正利用に対する補償とは?

クレジットカードの契約者本人以外の第三者がクレジットカードを不正利用したことが認められた場合、不正利用された金額の補償が受けられます。ただし、不正利用した人がクレジットカード契約者の家族、同居人、代理人などの場合は補償が適用されません。

そのほか、契約者本人の故意や過失により不正利用されたと判断された場合は補償の対象外となります。以下の事例は、補償の対象外となる可能性が高いケースです。

・カードの裏面に署名がない
・誕生日や電話番号など推測されやすい暗証番号にしていた
・カード会社への届け出が不正利用の日から60日を経過していた

利用者側も不正利用されないように十分注意し、万一不正利用された場合には迅速に対処をすることが大切です。

クレジットカードが不正利用される原因と対策

そもそもクレジットカードが、これほど多くの不正利用の被害に遭う原因は何でしょうか。また、どのような対策をすれば不正利用を防げるのでしょうか。以下によくある手口について解説します。

スキミング
スキミングとは、クレジットカードの情報を不正に読み取ることです。カードリーダーや隠しカメラなどでカード情報を盗み、偽造カードを作成して不正利用する犯罪の手口です。

スキミングは、セキュリティに優れたICカードに変更することで対策ができます。さらに、暗証番号を入力する際は人に見られないようにする、カード利用時はクレジットカードから目を離さないようにするなどの注意が必要です。

フィッシング
フィッシングとは、Web上でクレジットカードの情報を盗む手口のことです。メールやSMSなどから、公式サイトに見せかけた偽サイトへ誘導し、クレジットカード情報を入力させて情報を盗みます。パソコンやスマートフォンなどの端末にウイルスを感染させて、クレジットカード情報を盗み取る手口もあります。

フィッシングの対策として、メールやSNSなどに記載されたURLには無闇にアクセスしないことが大切です。また、ワンタイムパスワードを設定すれば、Web上で決済する際のセキュリティを強化できます。

紛失や盗難
クレジットカードの紛失や盗難により不正利用されてしまうケースもあります。有効期限が切れているクレジットカードでも、不正利用されるリスクがあるため注意が必要です。

何枚もクレジットカードを持っている場合、使わないクレジットカードは解約して利用できないようにしましょう。また、有効期限が切れたクレジットカードは個人情報が読み取れなくなるまで細かく切断し、複数回に分けて処分すると不正利用を防止できます。

情報漏えい
利用したオンラインショップなどからクレジットカードの情報が漏洩してしまう可能性もあります。運営会社のスタッフの故意や過失による情報漏えいのほか、店舗のシステムがハッキングされてしまうこともあります。

情報漏えいを防ぐには、オンラインショップを利用する前にセキュリティ意識の高い信頼のおける会社なのか確認することが大切です。さらに、ログインパスワードを定期的に変更し、決済時にはワンタイムパスワードを利用するなどの対策をしましょう。

まとめ

クレジットカードの利用明細に不正利用の可能性がある請求を見つけた場合は、すぐにクレジットカード会社へ連絡することが大切です。契約者本人に故意や過失がない場合は、所定の手続きをすることにより補償を受けられる可能性があります。

被害に遭わないようにするためには、毎月クレジットカードの請求明細を見て内容をよく確認することや、クレジットカード不正利用の手口を知って対策を行うことが重要です。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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