住宅ローン控除が適用になると、所得税の税額控除を受けることができます。ただし、控除を受けるには、確定申告が必要なので、手続きに必要な書類をあらかじめ準備しましょう。

会社員のような給与所得者の場合、2年目以降は年末調整による手続きも可能です。今回は、住宅ローン控除の申請について、初年度と2年目以降に分けて、それぞれ詳しく解説していきます。

住宅ローン控除とは?

住宅ローン控除(正式名:住宅借入金等特別控除)とは、個人が住宅ローンを組んで一定要件の住宅を購入・建築したり、中古住宅にバリアフリーや省エネなどの改修をしたりした場合に受けられる税額控除です。

住宅ローン控除の手続きをすれば、居住の用に供した年から10年間、年末のローン残高の1%にあたる税金が戻ってきます。※2022年からは0.7%に引き下げになります。「居住の用に供する」とは、購入した住宅で日常生活を送れる状態にあり、継続的に住む目的で利用することです。一時的な利用や投資目的などで住宅を購入・建築または改修した場合は適用されません。

また、消費税10%で住宅を取得し、2019年10月1日から、2022年12月31日までに居住を開始した場合は、控除期間が13年間に延長されます。ただし、11年目から13年目は「年末のローン残高×1%」か、「建物の購入価格(税抜)※上限4,000万円×2%÷3」のどちらか少ない金額が控除額となります。

住宅ローン控除が適用されるには、所得や返済期間などの要件があるため事前に確認が必要です。また、初年度と2年目以降では手続きのしかたが異なるため、書類を正確に準備するしましょう。

出典:一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

住宅ローン控除を受けるための要件とは?

住宅ローン控除を受けるためには、以下のようなさまざまな要件があります。たとえば、新築住宅を取得した場合の要件は次のとおりです。

・控除を受ける本人の居住用である
・新築または取得した日から6ヶ月以内に居住を開始し、控除の適用を受ける各年の12月31日まで住み続けている
・居住の前後一定期間において「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」などの特例を受けていない
・床面積50平方メートル以上、かつ床面積の2分の1以上を居住用に使用している
※契約期限(注文住宅は2020年10月~2021年9月、分譲住宅等は2020年12月~
2021年11月)や入居期限(2021年1月~2022年12月)など、一定の要件を満たす場合は床面積40平方メートル以上に緩和される
・住宅ローン控除を受ける年分の合計所得が3,000万円以下である
※40平方メートル以上50平方メートル未満については、合計所得金額1,000万円以下が要件となる・銀行などの金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先からの借入金などによって、返済期間10年以上の住宅ローンを組んでいる

そのほか、中古住宅やリフォームの場合は個別の要件があります。

出典:一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

出典:令和3年度住宅税制改正概要(住宅ローン減税・贈与税非課税措置)|国土交通省

住宅ローン控除の申請はどうやるの?

住宅ローン控除の申請方法は、初年度と2年目以降で手続きのしかたが異なります。

初年度は個人事業主だけでなく、会社員のような給与所得者でも確定申告が必要になります。2年目以降も個人事業主は確定申告が必要ですが、給与所得者は年末調整での手続きが可能です。

手続きの期間は、住宅に入居した翌年の2月16日~3月15日(確定申告期間内)です。ただし、給与所得者の還付申告は翌年1月からできます。

初年度は、確定申告に必要な書類をそろえて管轄の税務署へ提出します。書類の提出は、持参や郵送のほか、e-Taxで申請する方法も選択可能です。給与所得者は2年目以降、年末調整の際に必要書類を勤務先に提出できます。

住宅ローン控除を受けるための必要書類は?

住宅ローン控除を受けるための必要書類には、税務署で入手・作成する書類、住宅に関する書類、住宅ローンに関する書類、取得者に関する書類があります。それぞれ解説していきます。

税務署で入手・作成する書類
税務署で入手・作成する書類は以下のとおりです。

・確定申告書
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

確定申告書とは税金に関する申告を行うための書類です。AとBの2種類があり、給与所得者はA、個人事業主はBを使用するのが一般的です。住宅借入金等特別控除額の計算明細書は、住宅ローン控除を受けるための書類です。どちらの書類も税務署で入手できるほか、国税庁のホームページでダウンロード可能です。

住宅に関する書類
住宅に関する必要書類には以下のものがあります。

・建物、土地の登記事項証明書
・建物、土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写し
・耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写し
・認定通知書の写し

建物・土地の登記事項証明書は、登記済みの建物や土地の情報が記載されている書類で、法務局から入手します。

建物・土地の不動産売買契約書(請負契約書)の写しは、建物・土地の購入や建築を証明する書類です。契約した不動産会社から入手します。

耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写しは、中古住宅取得の場合に一定の耐震基準を証明する書類および住宅の性能を公平な立場で評価し、その結果を表示した書類です。また、認定通知書の写しは認定長期優良住宅などの証明に必要な書類で、どちらも契約した不動産会社から入手します。

住宅ローンに関する書類
住宅ローンの残高を証明する書類として、住宅ローンを借り入れた金融機関から、融資額残高証明書が発送されます。

たとえば、【フラット35】を利用している場合の発送元は住宅金融支援機構です。発送日は、2021年8月31日までに融資を実行して入居した場合は2021年10月1日、2021年9月1日から12月31日の場合は2022年1月26日となっています。そのほかの金融機関でも、10月上旬頃から郵送が開始されます。

なお、夫婦など2人以上でローン契約している場合は、それぞれに発送されるので確認しましょう。

取得者に関する書類
取得者に関する書類には以下があります。

・源泉徴収票
・本人確認書類

源泉徴収票は1年間に支給された給与や、給与から天引きされて納付した所得税額が記されている書類です。一般的に正社員は12月、公務員は1月、退職者は退職時に勤務先から交付されます。

本人確認書類は下記いずれかが必要になります。

・マイナンバーカード
・マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票+運転免許証やパスポートなどの本人確認書類

マイナンバーカードは市町村役場などで入手しましょう。

出典:会社員が住宅ローン控除を受けるための「はじめての確定申告」|住宅金融支援機構

2年目以降の必要書類は?

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で手続きすることも可能です。一方、個人事業主など、年末調整がない人は2年目以降も確定申告が必要です。それぞれ必要な書類を解説していきます。

年末調整をする場合
給与所得者が年末調整をする場合、以下の書類を職場に提出します。

・「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」
→10月頃、税務署から送られてくる書類です。

・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
→10月頃、金融機関から送られてくる書類です。

個人事業主の場合は年末調整がないため、2年目以降も確定申告が必要になります。

確定申告をする場合
個人事業主など年末調整がない人は2年目以降も確定申告が必要ですが、初年度よりも提出する書類は少なくなります。必要書類は以下の2種類です。

・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

前述したように、住宅借入金等特別控除額の計算明細書は税務署で入手できる書類です。住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書は、金融機関から発送されます。

出典:一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

まとめ

一定の要件を満たして住宅ローン控除が適用になると、ローン残高の1%が戻ってきます。ただし、控除を受けるには、初年度は会社員のような給与所得者でも確定申告が必要になるため、住宅に関する書類などを準備しておく必要があります。

2年目以降、給与所得者は年末調整での手続きも可能です。確定申告する場合も、必要書類は初年度より少ないので負担は軽いでしょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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