地方移住をするとしたら、どんなことが気になるでしょうか。もし資金面であれば、国や地方自治体が提供する支援金・補助金制度を利用することで負担を軽減できる可能性があります。そこで今回は、地方移住の支援金や補助金に関する情報のほか、地方移住の失敗例や成功のコツなどを紹介します。移住を検討する際の参考にしてください。

地方移住が注目される背景

地方移住希望者といえば、かつては定年を迎えたシニア層がほとんどでした。ところが近年は、若い世代の単身者やファミリー層が急増しています。その理由として、コロナ禍でテレワークが普及したことがあげられます。

テレワークが可能な職種は、インターネット環境があれば働く場所を選びません。都心まで毎日通勤する必要がなくなったため、家賃が安く自然環境の豊かな地方への移住に関心が集まっているのです。

さらに、国や地方自治体でも、若年層の移住を後押しするさまざまな支援を行っています。インターネットを通じて情報が集めやすくなったことも、地方移住への関心が高まる要因になったといえるでしょう。

地方移住で受け取れる主な支援金や補助金

実際のところ、国や地方自治体では移住者に対してどのような支援を行っているのでしょうか。ここでは、2022年4月時点で実施している主な支援金・補助金制度を紹介します。

「地方創生」移住支援金
「地方創生」とは、東京圏への人口集中を緩和し、地方を活性化することを目的とした一連の施策を指す言葉です。地方創生移住支援金は、東京23区に在住または通勤する人を対象とした支援金制度で、次にあげる条件をすべて満たす必要があります。

● 東京23区に在住または東京圏から東京23区へ通勤している人
(移住直前の10年間で通算5年以上かつ直近1年以上)
● 東京圏以外の地域へ移住し、申請後5年以上継続して居住する意思がある人
● 移住後3ヶ月以上1年以内に支援金の申請を行うこと
● 移住先で就業、起業、またはテレワークによる業務継続を行うこと

支援金の額は世帯人数で異なりますが、最大で100万円が支給されます。条件の詳細など、下記の内閣府Webサイトにて確認してみてください。

出典:移住支援金|内閣府地方創生推進事務局

【フラット35】地方移住支援型
【フラット35】地方移住支援型とは、地方移住者に対し、移住支援金とセットで住宅ローンの金利を引き下げる制度のことです。申込受付は2022年4月時点で、2023年3月31日までとなっています。適用された場合、当初10年間の借入金利が通常より0.3%引き下げられます。この制度を利用するには、地方公共団体が交付する「移住支援金の交付決定通知書」が必要です。

なお、移住支援金の申請は移住後3ヶ月以上1年以内に行うため、移住と同時に物件を購入する場合は対象外となることに注意してください。

出典:【フラット35】地方移住支援型|住宅金融支援機構

地方自治体による移住支援や補助金
各地方自治体でも独自の移住支援を行っています。住宅購入資金やリフォーム資金の補助、賃貸住宅の家賃補助といった住宅支援、就業や子育てに関する支援、通勤補助金の支給や移住体験など、内容はさまざま。以下に紹介するのはごく一部です。移住してみたいと考えている自治体ではどのような支援が行われているか、ぜひ調べてみてください。

● 茨城県取手市:テレワーク移住促進事業補助金
テレワークのための移住に最大50万円を補助
● 長崎県雲仙市:結婚新生活支援補助金
市内に3年以上定住できるカップルに対し、結婚生活にかかる住居費や引越し費用の一部を補助

※2022年4月時点の情報なので、詳しくは各自治体のホームページでご確認ください。

地方移住のよくある失敗例

さまざまな支援制度や補助金などは、地方移住をより魅力的に感じさせてくれます。しかしながら、移住を後悔する声がないわけではありません。ここでは、地方移住にありがちな失敗例を紹介します。

田舎暮らしが合わない
都会に比べると、地方は近所付き合いが密な傾向にあります。町内会や組合などへの加入はもちろん、地域での行事や集会への参加を求められることがほとんどです。比較的あっさりとした近所付き合いを好む人にとっては、戸惑うことが多いかもしれません。反対に、地縁が強い地域では移住者に閉鎖的な考えを持つ人もいるため、なじむまでに時間がかかる可能性もあるでしょう。

人口の少ない地域では一人ひとりの行いが目立ち、思わぬところで「常識がない」というレッテルを貼られるおそれがあります。その土地の風土や習慣を、ある程度理解しておくことが大切です。

生活環境になじめない
都会のように公共交通機関が充実していない地方では、しばしば車が主な移動手段となります。運転免許を持っていない人やペーパードライバーは、まず車の運転ができるようにならないと移住生活は難しいでしょう。台風や積雪の多い地域では、慣れた人でも運転に苦労する可能性があります。どこへ行くにも車を使うため、ガソリン代もこれまで以上にかかります。

また、積雪が多い地域では冬は頻繁に除雪が必要です。寒さが厳しい地域へ移住した場合は、暖房費が多くかかります。家賃は安く抑えられても、光熱費が意外とかかることに驚くかもしれません。

希望する仕事に就けない
都会に比べて求人数が少ないため、希望する仕事に就けない可能性もあります。人気の職種はそもそもポストが空きにくく、倍率も高めです。移住先での起業やリモートワークの継続を考えているなら別ですが、移住先で仕事を探す場合は思うような仕事が見つからず、後悔するケースが少なくありません。

地方移住を成功させるコツ

憧れていた地方移住で「こんなはずではなかった」と後悔しないために、ここからは地方移住を成功させるコツを紹介します。

お試し移住をしてみる
まずは旅行気分で、一時的にお試し移住をしてみましょう。最近では移住体験施設を提供している自治体も増えているため、積極的に利用してみてください。農業や漁業などの就労体験ができる自治体もあります。地域の雰囲気や生活環境などを知ったうえで、移住を検討することをおすすめします。

先に仕事を見つける
先に仕事を見つけておかないと、移住後に収入が絶たれてしまう可能性があります。ハローワークやインターネットの求人サイトなどを利用して、移住前に就職先を決めておくとよいでしょう。自治体での移住者向け就労支援を利用するのもおすすめです。

なお、都会に比べて雇用条件が悪くなるケースもあるため、しっかりと調べて納得したうえで決めるようにしてください。起業や就農などを希望する場合も、具体的な計画を立てておくことが大切です。

二拠点生活をする
完全に移住するのではなく、二拠点生活をするという選択肢もあります。たとえば、東京に自宅を、地方にセカンドハウスを持つという方法です。これなら都会と地方のそれぞれのメリットを満喫できるでしょう。地方へ息抜きに行く以外に、週末起業という手もあります。少しずつ生活基盤を築けるので、いざ移住となったときにスムーズに進むのではないでしょうか。ただし、二拠点生活を続ける間は2倍の居住コストがかかる点に注意してください。

まとめ

国や地方自治体では、地方移住に対してさまざまな支援を行っています。お得に移住するために、支援制度や補助金を積極的に利用したいところです。ただし、安直に移住先を決めるのではなく、お試し移住で住み心地を確認することが大切です。どのようにして収入を得るのかも慎重に考えるようにしてください。各自治体でどのような支援が受けられるのか、しっかりと情報を集めてから移住先を決めることをおすすめします。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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