東京には、これまで国内外からさまざまな目的で多くの人が集まっていました。しかし、コロナ禍での移動制限や、ワークスタイルが柔軟化したことなどにより、地方移住を選択する人も増えているようです。一方で、東京都の人口が1,400万人を突破するなど一極集中は変わっていないという報道も。都会暮らしは便利で快適な反面、暮らしにくい面も多々あります。都会暮らしのメリットとデメリットをそれぞれ5つ挙げて解説します。

都会暮らし 5つのメリット

都会暮らしにはさまざまなメリットがあります。主なメリットを5つ紹介します。

仕事の機会が多い

人が行き交う都会はビジネスが生まれやすい場所でもある

都会は企業数が多く、仕事の機会が得やすいというメリットがあります。さらに、人が集まる場所にはさまざまなニーズが生まれるため、業種や業態も増えて会社員(給与所得者)、事業者(経営者・自営業者)ともにビジネスチャンスをつかみやすくなります。内閣官房「まち・ひと・しごと創生本部事務局」による「東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査」でも、地方から東京圏に移り住んだ理由として、「東京圏への憧れ」の次に「就職先の選択肢の豊富さ(数)」が挙げられています。

出典:まち・ひと・しごと創生本部事務局「東京圏、地方での暮らしや移住及び地方への関心に関する意識調査」

同じ調査で、東京圏以外の地域に居住しなかった理由で最も多かったのが「希望する条件の就職先がなかったため」であることからも、仕事の多さが、都会に人が住む大きな要因であるとわかります。

このことは所得にも反映されます。内閣府の県民経済計算によると、一人当たり県民所得が最も高いのは東京都で約541万5,000円です。最も低い沖縄県の約239万1,000円に比較すると2倍以上の開きがあります。全国平均が約331万7,000円であることからも、その差は歴然です。

出典:内閣府 「県民経済計算(平成18年度 - 平成30年度)」

公共交通機関が充実している

都会は鉄道やバス、タクシーなどの公共交通機関が充実していてどこへ行くにも便利です。とくに、鉄道はバスや車のように道路渋滞の影響を受けないため、移動時間が正確に計れるうえ、料金も割安です。公共交通機関が少ない地域では、買い物や病院に行くにも車が必要不可欠ですが、都会暮らしに自家用車は基本的に必須ではありません。

商業施設、医療施設が多い

都会は人口が多いため、スーパーマーケットやショッピングモールなどの商業施設が豊富です。また、駅付近には商店街などもあり、日常生活に必要な買い物に不自由することはありません。さらに、専門店も多いので、スーパーなどにはない物も入手できます。

また、いざというときの医療施設が多いのも都会のメリットといえるでしょう。総合病院や大学病院だけでなく、小規模な個人病院やクリニックも多数あるので、すぐに診察してもらえる安心感があります。

新しい情報や物が手に入りやすい

コンサートなど刺激的な体験の機会が多い

人口が多く、経済の中心地である都会は、文化の発信基地でもあります。美術館や劇場、図書館、映画館、コンサートホールなどの文化施設が多く、アートや文化に気軽に触れることができます。さらに、野球場やサッカー場、運動公園などのスポーツ施設もあるので、試合観戦や大規模イベントも楽しめるでしょう。インターネットでは入手しづらい情報をいち早く手に入れたり、刺激的な体験ができたりするのも都会ならではの醍醐味です。

人に干渉されない

都会は常に多くの人が流出入しているため、人付き合いが淡白になりやすく、良い意味であまり他人に干渉しません。近所付き合いにしても、都会では数年で住人が入れ替わることも珍しくないので、田舎にありがちな濃厚な付き合いをするケースはまれです。都会では最低限のルールを守り、他人に迷惑さえかけなければ、因習や慣習に縛られることも、他人の目を気にすることもなく自由に暮らせます。

都会暮らし 5つのデメリット

都会にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも少なくありません。都会暮らしの主なデメリットを5つ紹介します。

通勤ラッシュ・車の渋滞

都会で渋滞は避けられない

都会の通勤は、朝夕に過酷なラッシュがあります。とくに朝のラッシュ時は、中心地へ向かう鉄道の乗車率は200%を超えるほどで、駅のホームも人で溢れかえっています。車を使うにしても道路が大渋滞になるため、移動時間が読めません。

通勤に限らず、都会ではどこへ行っても常に人混みがあります。商業施設や娯楽施設などは、週末になるとさらに混雑するので、長時間の行列を余儀なくされ、休日の外出がストレスになることもあります。

家賃、土地が高い

利便性が高い都会は、もともと住んでいる人に加えて流入してくる人も多いので、不動産物件の需要が多く、価格が高めです。とくに、都心部の物件や駅から近い物件は人気が高く、購入するにせよ賃貸住宅を借りるにせよ、相当の費用がかかります。

2020年の消費者物価地域差指数を都道府県別にみると、最も高いのが東京都の105.2で、最も低いのが宮崎県の95.9です。これだけを比較すると、その差は1.1倍で大差がないように感じますが、費目の「住居」に着目すると、下図の通り東京都が134.5、最も低い鳥取県は82.0です。東京の住居費の高さが突出していることがわかります。

都会の物件は人気が高いうえに高額なため、好条件の物件を入手するのは難しいのが現状です。また、狭いエリアに住宅が密集しているため、近隣住民による騒音問題などのトラブルも起こりやすいというデメリットもあります。

出典:総務省 「消費者物価地域差指数」

自然が少ない

都会の街には大きな建物が立ち並んでいるため、圧迫感があります。田園風景が広がり、四季折々の風景が楽しめる田舎に比べて、景色も単調です。さらに、都会には山や森林、河川、海などが少ないため、自然に触れたくなったら、時間とお金をかけて遠くまで移動しなければなりません。

また、都会には子どもが思い切り遊べる場所もあまり多くありません。都会にも公園はありますが、多くの人が集まるため、安全上の理由などから遊びが制限されている場合があります。

ヒートアイランド現象で夏は暑い

自然が少ないことにも関連しますが、都会はコンクリートとアスファルトで囲まれているため、ヒートアイランド現象により夏は猛暑になりやすくなります。さらに、昨今の地球温暖化の影響もあり、都会の夏は異常な暑さです。夜になっても気温が下がらず、熱帯夜が続くため、夏の間は昼夜を問わず熱中症のリスクがあります。

近年は猛暑のほかに、ゲリラ豪雨やドカ雪など異常気象による被害も深刻です。都会は交通網が発達していて便利な反面、災害に弱い面もあります。人口が多いため、災害による停電や公共交通の麻痺などによる影響は甚大です。

孤独を感じることがある

都会のメリットである「人に干渉されない」の裏返しで、人との関係が希薄になりやすく、孤独を感じる人もいます。都会では、人に近付きすぎず、ある程度の距離を保つのが暗黙のルールのようになっていて、他人にも無関心になりがちです。人とのつながりや、ぬくもりを感じていたい人にとって、都会は冷たく感じるかもしれません。

まとめ

都会暮らしが良いのか、田舎暮らしが良いのかは永遠のテーマですが、新しいことにチャレンジしたい人や、自分の力でよりよい人生を切り開いていきたい人には都会が向いているかもしれません。
一方で、豊かな自然の中でゆっくり生活したい人や、じっくりと子育てしたい人には、田舎暮らしが向いているといえそうです。都会と田舎の両方を楽しむハイブリッド型の暮らしを試す人も増えているので、それぞれのメリット、デメリットを知って自分に合った暮らし方を選択することをおすすめします。

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