子育て支援が手厚い自治体に住みたい! ランキング上位の街の子育て支援制度を紹介

子どもが産まれると、それまでとは生活ががらりと変わります。もちろん、子育ては家族にとってかけがえのない大切な時間ではありますが、初めての育児への不安や仕事との両立、経済的負担に頭を悩ませる人もいるかもしれません。そのため、子どもを育てるなら、子育て支援の手厚い自治体で暮らしたいという人も多いでしょう。ここでは、そんな自治体を四つご紹介します。

国・自治体が子育て支援を行う背景

最近は昔よりも子育て支援が充実しているといわれています。なぜ国や自治体が子育て支援に熱心になっているのか、その背景についてみていきましょう。

少子化・人口減少が進む

国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2017年)によると、日本の総人口は2029年に1億2,000万人を下回り、2053年には1億人を割って9,924万人、2065年には8,808万人になると推計されています。年々人口が減少し、少子化が進んでいるため、現状を打破する対策が必要です。子どもを産み育てやすい環境を整えることで、少子化に歯止めをかけようとしているのです。

出典:内閣府 「高齢化の状況」

少子化の原因

なぜ、ここまで日本は少子化が進んでいるのでしょうか。そもそも子どもを生むか生まないかは、個人の選択に委ねられるべきことではあります。ただ、子どもが欲しいのに、安心して生み育てることができるような環境になっていないとしたら、国にはその環境を整えることに努力が求められるといえます。

夫婦が子どもを持つことを躊躇する原因は、子育てと仕事の両立が難しい環境にあります。加えて、育児の心理的・肉体的負担も大きく、住宅事情や教育費などの子育てコストが高くなっていることも考えられています。そのため、子育て支援を充実させることで、経済的負担や心理的・肉体的負担を軽減し、子育てと仕事を両立しやすい環境を整える取り組みが必要とされているのです。

出典:厚生労働省 「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」

子育て支援が求められている

社会全体での子育て支援が求められている

少子化問題を解消するには「子どもが欲しいけれど育てられない状況」を解消することが大切です。家庭における子育てを多角的に支えるために、国や自治体、企業、学校などが一丸となって子育てに協力するシステムを構築し、社会全体でサポートしていくことが求められています。

子育て支援が手厚い自治体

実際に子育て支援が手厚いのはどこの自治体でしょうか。さまざまな調査が行われていますが、そのなかの一つ「共働き子育てしやすい街ランキング」から、子育て支援が手厚い自治体の上位をみていきましょう。「共働き子育てしやすい街ランキング」は、日経DUAL(現・日経xwoman DUAL)と日本経済新聞社が毎年実施しているものです。

この調査によると、1位は松戸市、2位は宇都宮市という結果になっています。3位は浦安市と富山市、5位は厚木市、北九州市、福生市、8位は青梅市、大分市、堺市です。

出典:共働き子育てしやすい街2021 「総合編ベスト20」

それでは、ここで3位までにランキングした自治体の子育て支援をご紹介していきます。

千葉県松戸市

千葉県松戸市は、「共働き子育てしやすい街ランキング」で2020年、2021年の2年連続で第1位を獲得しています。全国でトップクラスの人気を誇る子育て支援とはどのような内容なのでしょうか。

おやこDE広場・子育て支援センター

「おやこDE広場」は、0歳から3歳ぐらいの乳幼児とその保護者が気軽に集える場所です。知り合いもおらず、慣れない土地でも子育ては不安が多いもの。おやこDE広場は市内に19ヶ所もあるので、気軽に同じ歳の子や地域の人と仲良くなることができます。

子育て支援センターは市内に8ヶ所あり、0歳の赤ちゃんから親子で利用できる「フロア」や講座の開催をしています。電話・メールでの子育て相談も行っているため、初めての子育てでも相談できる人が身近にいることになります。

待機児童6年連続ゼロ

6年連続で待機児童ゼロを実現

働く親にとって、子どもの預け先がないことは死活問題になります。2021年4月現在、松戸市には、保育所(園)が66ヶ所、認定こども園が11ヶ所、幼稚園が36ヶ所、小規模保育施設が103ヶ所あり、6年連続で待機児童ゼロを達成しています。都市部では今も待機児童があふれている状況のなか、待機児童を出すことなく継続しているので、産休・育休明けの職場復帰を考えている人にとっては安心して暮らせる街だといえるでしょう。

子育て世帯の住宅取得を応援

さらに、松戸市には「三世代同居等住宅取得支援」もあります。これは松戸市で暮らす親元に同居、もしくは親元の近くに住まいを取得する子育て世帯に対して補助金を支給するというもの。補助金額は最大100万円です。子どもの祖父母と一緒に暮らすことで、親の心理的・肉体的負担を軽減し、安心して子育てができる環境を金銭面からサポートしています。

また、松戸市は東京駅から電車で30分圏内にあり、通勤に便利な地域です。都心へのアクセスも良好な場所で補助金を活用しながらマイホームを建てるファミリー層も増えています。

栃木県宇都宮市

「共働き子育てしやすい街ランキング」で第2位にランクインしたのは、栃木県宇都宮市。宇都宮市の子育て支援についてご紹介します。

ゆうあいひろば

気軽に遊べる場所に子どもを連れて行ってあげたいと思っていても、いつもの公園では飽きて物足りなくなってしまうことがあります。また、お金がかかる施設を頻繁に利用するのは難しいものです。宇都宮市にある「ゆうあいひろば」は、うつのみや表参道スクエア6階にあります。大型遊具で思いっきり体を動かしたり、工作教室などの活動をしたりすることで、子どもたちの心身の健康を育み、情操を豊かにすることを目的に誕生した広場です。

こども医療費助成制度

高校3年まで子どもの医療費自己負担が基本ゼロに

宇都宮市には、こども医療費助成制度があります。この制度は、高校3年までの子どもが病気やけがをしたとき、健康保険が適用される診療を受けた場合に医療費の自己負担分を市が助成する制度です。医療機関などで診察を受けたときに、「こども医療費受給資格者証」と「健康保険証」を提示すれば、基本的に窓口での支払いは発生しません。子どものけがや病気が頻発しても、金銭的な不安を感じることなく診察を受けられます。

千葉県浦安市

「共働き子育てしやすい街ランキング」で第3位となったのは千葉県浦安市です。千葉県浦安市の子育て支援についてもみていきましょう。

うらやす子育て支援パスポート

うらやす子育て支援パスポートは、自治体だけではなく企業も子育て世帯を支援していこうという取り組みです。浦安市内の協賛店に子育て支援パスポートを提示することで、協賛店の独自のサービスを受けられます。協賛店の業種はたくさんあり、たとえば衣料品店や飲食店、美容室、ガソリンスタンドなどで割引が受けられます。このカードは18歳未満の子どもがいる家庭や妊娠中の方がいる家庭に配布されていて、子どもが18歳になった年度末まで使うことができます。上手に活用して生活費を節約しましょう。

一時預かり

浦安市では保育園のような預かり方だけではなく、一時預かりも実施しています。「たまには子どもを預けてのんびりしたい」というときや「急な体調不良で子どもの世話ができない」というときも対応してくれます。近くに祖父母が住んでいなくて手を借りられない場合でも、浦安市では状況に応じて利用できる保育サポートがあるので安心です。

富山県富山市

浦安市と同点で第3位に入ったのは富山県富山市です。関東圏にある1〜3位のほかの自治体と違って富山県は北陸地方にあります。なぜ首都圏に近いとはいえない富山市が選ばれたのか、富山市の子育て支援についてご紹介します。

充実したひとり親家庭への助成

富山市ではひとり親家庭へ手厚いサポートを行っています。ひとり親家庭等家賃助成事業、ひとり親応援・子育て支援金、ひとり親家庭病児保育利用料助成など助成が用意されています。今や日本の離婚率は30%を超えていて、3組に1組の夫婦が離婚をする時代です。富山市のようなしっかりとしたサポートがあれば、ひとり親家庭になったとしても安心して子育てができるでしょう。

とやまっ子すくすく電気

とやまっ子すくすく電気は、富山市ではなく富山県が行っている事業です。その内容は、県営水力発電所で得られる利益の一部を活用し、子育て世帯の電気料金の負担を軽減するというものです。ただし、県内在住で18歳未満の子どもが3人以上同居する世帯が対象になります。子どもの人数が多い家庭なら電気代が抑えられるため、ぜひこの制度を活用してみてください。

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まとめ

今回ご紹介した松戸市、宇都宮市、浦安市、富山市はそれぞれ工夫を凝らした子育て支援を取り入れていて、その内容も千差万別です。気になる地域の子育て支援の内容をチェックし、子どもや家族にとって暮らしやすい場所を探してみてはいかがでしょうか。

(最終更新日:2024.04.19)
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