コロナ禍によるリモートワークの普及や三密の回避といった観点から、田舎暮らしに興味を持つ人が増えています。地方では以前より過疎化が進んでいることもあり、移住者の招致に力を入れる自治体も増加しています。この記事では、人気の高まる田舎暮らしのメリット・デメリットを紹介。それらを踏まえて、田舎暮らしを成功させるためのコツについても解説していきます。

田舎暮らし 5つのメリット

まず、田舎暮らしにはどのようなメリットがあるのでしょうか。代表的なものを5つ紹介します。

自然にあふれている

田舎暮らしの醍醐味はなんとっても大自然に囲まれていること

田舎暮らしの醍醐味といえば、何といっても生活エリアの周辺に自然があふれていること。山林や田畑、川、また海沿いであれば海岸といった雄大な自然に囲まれた場所で過ごせば、都会の喧騒から解放された生活が送れます。

また、自然に囲まれている地理的メリットを活かせば、家庭菜園以上の本格的な農業や毎朝サーフィンをする、気の向いたときに釣りに行くといった、都会ではなかなか実践しづらい趣味も楽しめるでしょう。

家賃・土地が安い

田舎は都会に比べて地価が安いのが特徴。住宅を購入するにしても、賃貸住宅を借りるにしても、都会暮らしに比べて費用を大幅に抑えられるのがメリットです。過疎化が進む地域で多く見られる空き家を活用すれば、安い家賃で戸建て住宅を借りられます。

住宅の購入費用や家賃が安くて済む分、面積が広く間取りに余裕のある住宅で暮らせるのもポイントです。

通勤ラッシュ・交通渋滞とは無縁

都会の通勤ラッシュともおさらば

都会で暮らしていると、人混みにストレスを感じる人も多いのではないでしょうか。特に、都会の風物詩である通勤ラッシュや交通渋滞は精神的ストレスのもとでもあります。田舎暮らしであれば、こうしたストレス源とは無縁な生活を送れるでしょう。

職種によっては就職が容易

田舎は働き口が少ないといわれますが、都会よりも少子高齢化が深刻な地方では基本的に労働人口が減少しており、職種によっては慢性的な人手不足が発生しています。職種は限定されるものの、労働者側の「売り手市場」であるケースも多いのです。

人手が不足がちな職種としては、土木・建設・電設工業といった公共事業関連、製造業や工場労働者、介護職、農林水産業などが挙げられます。また、都会にはない自然環境を活かした職業が多いのも特徴です。

人とのつながりを感じられる

人の少ない田舎では古き良き人間関係が残っており、都会では希薄になった人と人とのつながりを感じられるのも魅力です。地元の神社の祭りなど、季節ごとの行事も多く行われます。地域の人同士で困ったときには助け合う精神も根付いているため、人との関わりを重視する人には向いているといえるでしょう。

田舎暮らし 5つのデメリット

魅力あふれる田舎暮らしですが、もちろんメリットばかりではありません。続いては、田舎暮らしにおけるデメリットを5つ紹介していきます。

車が必需品になる

都会なら電車やバスなど公共交通機関を使って移動するのが当たり前ですが、田舎ではそうはいきません。たとえ駅やバス停が近くにあったとしても、本数が少なくて普段使いは難しい場合もあるでしょう。このため、田舎暮らしでは必然的に自家用車が必需品となります。

自動車本体の購入費用はもちろん、日々のガソリン代、自動車税、自動車保険や車検の費用といった維持費もかかるので要注意です。

商業施設・医療施設が少ない

人口が少ないと各種の需要が見込めないため、当然のことながら田舎は商業施設などの生活利便施設や文化施設が少ない点が課題です。日常的に必要な食料・日用品の買い物であっても、車を使って遠出しなければならないケースもあるでしょう。

また、病院やクリニックといった医療機関が遠い場合、いざというときに困ることも。将来自分や家族が高齢になると、さらに心配が増えるかもしれません。

物価がそんなに安くない

総務省が発表している2020年の「平均消費者物価地域差指数」を都道府県別に見ると、最も高い東京都の105.2に対し最も低い宮崎県は95.9であり、その比率は約1.1倍となっています。これだけ見ると、田舎は都会に比べて物価が安いと感じるかもしれませんが、差を生み出している大きな要因は不動産です。

不動産以外の物価は、田舎と都会でそれほど大きく変わりません。むしろ、都会でよく見かける格安スーパーなどがない分、田舎のほうが割高になる商品もあります。自治会費、浄化槽管理費といった田舎独自の費用もかかるほか、プロパンガス代をはじめとした水道光熱費は、田舎のほうが高くなる傾向にあるので注意が必要です。

出典:総務省 「消費者物価地域差指数」

所得が低くなる

一般的に、田舎は都会に比べて所得が低くなる傾向にあります。厚生労働省が発表している「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、都道府県別に見た一般労働者の月あたりの賃金は最も高い東京都が36万4,200円なのに対し、最も低い宮崎県では24万4,600円。つまり、東京都と宮崎県では平均で1.49倍の賃金格差があるのです。

出典:厚生労働省 「令和3年賃金構造基本統計調査」

人間関係がわずらわしくなる

田舎には村社会の空気が色濃く残る

昔ながらの濃い人間関係は田舎暮らしのメリットですが、ときにはわずらわしく感じることもあり、人によってはデメリットにもなり得ます。上手く人間関係を築けないと、「村八分」のような理不尽な事態に遭遇する可能性も捨てきれません。

田舎暮らしを成功させるコツ

田舎暮らしに憧れを抱く人も多いかもしれませんが、ここまで紹介したようにデメリットも存在しています。課題を克服し、田舎暮らしを成功させるためにはどうすればいいのでしょうか。最後に、田舎暮らしを成功させるためのコツを見ていきましょう。

徹底した情報収集を

田舎暮らしを成功させるためには、徹底した情報収集が欠かせません。移住先の住宅や仕事・収入源についてだけでなく、移住先の地域におけるコミュニティのあり方も確認しておきましょう。

気をつけたいのが、自治会への参加トラブルです。都会暮らしだと馴染みの薄い自治会ですが、田舎では地域コミュニティとして重要な役割を果たしている場合があります。しかし、移住者は自治会に参加できなかったり、自治会費が高額だったり、自治会員でないとゴミを収集してもらえなかったりといった問題も報告されているため、気をつけたいところです。

国・自治体の支援制度を活用する

近年では地方創生の一環として、国や自治体による移住者への支援制度が設けられています。田舎暮らしを成功させるためには、こうした支援制度を上手に活用するのも効果的です。

全国の自治体が行っている移住支援をチェックしたい場合には、「全国自治体支援制度検索」などのポータルサイトで検索してみるといいでしょう。

ここでは、国の主導で行われている支援制度を2つ紹介します。

移住支援金

東京23区に在住または通勤する人が、東京圏外へ移住して起業・就業などを行う際に利用できる支援制度です。

・内閣府:「移住支援金」

地域おこし協力隊

過疎地域などに住民票を移したうえで「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組みです。任期が定められているものの、任期後も起業希望者向け補助制度が利用できるなど、地域コミュニティに溶け込めるよう必要なサポートが受けられます。

・総務省 「地域おこし協力隊」

まずは週末移住から始めてみる

まずは週末だけ田舎に住んでみるという手も

田舎暮らしに憧れを抱いてスタートしたものの、実際に住んでみたら理想と違ったというケースも多くあります。田舎暮らしによるギャップを少なくするためには、いきなり移住するのではなく、週末のみ田舎で暮らす「週末移住」や、数週間〜数ヶ月の短期移住で田舎暮らしを試してみるというのも有効です。

週末移住や短期移住で生活の様子を見たうえで、気に入れば本格的な移住を検討するといいでしょう。

二地域居住という選択肢も

都会暮らしと田舎暮らしには、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。都会暮らしか田舎暮らしの二者択一ではなく、両方を楽しむ「二地域居住」という選択肢も考えられます。

二地域居住とは、都市部に家を持って生活している人が、週末や夏・冬など特定のシーズンのみ、田舎にある別の拠点で生活するというライフスタイル。普段は便利な都会暮らしをしつつ、休日などは田舎暮らしでリフレッシュすることが可能です。

まとめ

漠然と田舎暮らしに憧れを抱く人は多いかもしれませんが、正直なところ、田舎暮らしは甘くはありません。人付き合いのわずらわしさや生活の不便さなど、都会暮らしに慣れている人にとっては厳しい面もあります。ただ、それでも自然に触れ合いながら力強く生きていくスタイルは、田舎暮らしでしか味わえない醍醐味です。

自分や家族に田舎暮らしの適性があるのか確認しつつ、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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