「住宅を購入する場合などでは、住宅価格だけでなく、諸費用もかかる」と理解している人は多いことでしょう。諸費用は基本的に、住宅価格に比例するものが多いのですが、個人の趣味嗜好によるものもあります。その典型例が、家具・家電代でしょう。用意すべき諸費用の額に大きな違いが出るのも、家具・家電代です。ここでは、家具・家電代について、考えてみましょう。

新居の家具代は10万円~100万円未満まで、過半数は予算オーバー

新築の新居へ引っ越しをした人に、株式会社ヘヤゴトが「新居の家具にかかる費用」を調査したところ、「新居へ引っ越す際、家具類はどのくらい買い替えましたか?」という問いに対する回答は、「ほぼ全て買い替えた」(32.6%)、「一部を買い替えた」(53.4%)となり、実に8割以上が家具を買い替えていました。

家具を買い替えた人にその総額(家電を除く、照明やカーテンなど)を聞くと、最も多いのが「10万円~20万円未満」(17.6%)で、次いで「50万円~100万円未満」(17.4%)、「40万円~50万円未満」(14.3%)が続きました。10万円台から100万円未満まで、家具代はかなり金額にばらつきがあるようです。

さらに「その総額は予算を超えたかどうか」を聞くと、予算を超えたという回答が56.2%(「予算を大きく超えた」14.5%、「予算をやや超えた」41.7%)にも達しました。新居であれば、おしゃれな、あるいは好みの家具を置きたいと思うと、予算オーバーになることも多いということでしょう。

新居の家具にかかる費用」に関する調査
出典:ヘヤゴト「新居の家具にかかる費用」に関する調査のプレスリリースより

家具・家電代は意外に費用がかかる

では、それぞれの家具や家電にいくらぐらいかけているのでしょう。少し古い調査結果になりますが、住宅金融支援機構の「住宅取得に係る消費実態調査(2014年度)」には個々の購入額の購入世帯当たりの平均値が出ています。

購入比率の高いものから見ていくと、次のようになります。

購入比率の高いもの
出典:住宅金融支援機構の「住宅取得に係る消費実態調査(2014年度)」を基に筆者作成

もっとも、いま調査をしたとすると、最近は猛暑続きなので、エアコンが購入世帯比率のトップになるかもしれません。ちなみに、最も高額だったのは乗用車(新車)の231万5,800円でした。

さて、新居に引っ越す場合、一般的に最初に購入するものはカーテンや照明器具になります。そうでないと、夜は暗くて朝は日差しで早く目覚めることになります。特にカーテンは、住宅によって窓の形状や数が異なるので、事前にサイズを測ってオーダーしておく必要があります。エアコンも原則は居住者で用意するものになりますので、広さに応じた冷暖房用のエアコンなどが優先されることになります。購入比率が高いのはそのためでしょう。

カーテン、照明、エアコンの上位3つを揃えるだけでも、平均額で約43万円になります。これまで使っていたものがそのまま使えればよいのですが、間取りが変わると使っていた家具や家電が収まらないということもあります。新居に知人を招きたいので、おしゃれな家具も置きたいということもあるでしょう。予算オーバーになりがちなのも、もっともなことです。

削れない諸費用を試算して金額を把握し、家具・家電代の計画を

住宅購入時などに必要となる諸費用には、主に以下のようなものがあります。それぞれ用意するタイミングが異なりますが、最も多くの費用を用意することになるのが、入居前後です。

住宅購入時の諸費用
(筆者作成) このほか、新築マンションでは修繕積立基金、新築戸建てでは水道加入負担金、中古住宅では固定資産税清算金などが必要となるケースがあります

入居するには、物件の引き渡しを受ける必要があります。物件の引き渡しは、住宅価格を全額支払うことと同時に行われます。そのために、住宅ローンの実行と引き渡しを同時に行います。登記費用は登記時に必要となるものですが、引き渡しのタイミングで司法書士に手続きを依頼するので、やはり引き渡し時に用意をします。登記が終わってから、司法書士が実際の費用を清算して、残金があれば銀行などに振り込まれます。

つまりは、入居の前後で諸費用の大半を用意することになります。諸費用は一般的に住宅価格の5~10%が目安とされています。家具・家電代も含んだ目安とされていますが、先ほどの調査結果で見てきたように、家庭ごとに生活スタイルが変わるうえ、趣味嗜好やこだわりが違うので、かなり開きが出るのが家具・家電代です。

カーテンや照明器具にしても、量産品の手ごろな価格のものからデザイン性の高い輸入品まで幅広くあり、デザインにこだわるほど高額になるものです。月賦で支払うこともできますが、入居後すぐに住宅ローンの返済も始まります。支出が急に増えてしまうと、家計が狂うことにもなりかねません。

諸費用の多くは不動産会社などで試算してもらえるものですから、早めに必要な金額を確認し、そのうえで個人の裁量による家具や家電代の計画を立てるのがよいでしょう。意外な盲点となるのが家具・家電代です。ボーナス時に買い足すなど、計画的に考えることをおすすめします。

執筆者:山本 久美子(住宅ジャーナリスト)

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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