家の建て替え費用の相場は? 30坪・40坪の土地ありならいくらが目安?

家の建て替えをする場合に気になるのは費用面ではないでしょうか。建て替えには解体費用や建築費用のほか、さまざまな諸費用がかかります。

そこで今回は、家の建て替え費用の内訳や相場について解説します。記事の後半では、30坪・40坪の土地ありで建て替えする場合のシミュレーションも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家の建て替えを検討する際に確認すべきこと

家の建て替えを検討する際には、そもそも建て替えが可能なのか確認する必要があります。状況によっては建て替えが困難なケースもあるためです。ここでは、どのようなことを確認すべきかを解説します。

再建築不可物件ではないか
建て替えができない物件を再建築不可物件といいます。まずは建て替えを検討している家が再建築不可物件かどうかの確認が必要です。

再建築不可物件となる主な原因に、「接道義務」を満たしていないことが挙げられます。接道義務とは、原則として幅員4メートル以上の道路に対して、建物の敷地が2メートル以上接していなければならないという規定のことです。

再建築不可物件の場合、解体して更地にしてしまうと新しく家を建てられません。特に、相続した物件は再建築不可物件がどうかわからないケースがあります。不明な場合は市区町村役場で確認しましょう。

不動産名義が誰になっているか
建て替えを検討する場合は、土地の名義が誰なのか確認しておきましょう。名義が他人の場合でも建て替えは可能ですが、所有者の同意を得なければなりません。

土地の名義が親族の場合も同様です。無償で親族から土地を借り、その土地に建築した家を建て替えるには所有者の同意が必要になります。

相続した家を建て替える場合は、建て替えをする前に土地の名義変更をしておきましょう。名義変更しなければ土地を担保に住宅ローンが組めません。

住宅ローンが組めるか
建て替え費用を住宅ローンでまかないたい場合、住宅ローンが組めるのか確認しておく必要があります。

住宅ローンの審査では、年収や年齢、勤続年数、借金の状況などが条件となります。たとえ仮審査に通った場合でも、本審査までの間に自動車ローンを組んだり、転職や退職によって状況が変化したりすれば、本審査に通らないかもしれません。

住宅ローンを契約する本人が高齢の場合、希望する返済期間で借りられなかったり、団体信用生命保険に加入できなかったりする可能性もあります。

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建て替え費用の目安は?

国土交通省の資料によると、首都圏における注文住宅の建築費は2020年度(令和2年度)で3,510万円となっています。平均延床面積は113.1平方メートル、1平方メートルあたりの建築費単価は31.0万円です。

上記を1坪あたりの単価に換算した場合、約102.41万円になります。(※1坪=約3.3平方メートルで計算)

ただし、過去10年の推移を見ると、建築費用は年度によって変化があることがわかります。「過去10年の注文住宅の建築費(首都圏)」の坪単価は以下のとおりです。

出典:令和3年度 住宅経済関連データ|国土交通省

家の建て替え費用の内訳・目安は?

家を建て替えるには、解体費用や建築費用のほか、さまざまな諸費用がかかります。ここでは、建て替え費用の内訳と費用の目安を解説します。

解体費用
解体費用は、家の構造と広さによって変わります。基本的に硬い構造体で敷地が広いほど費用は高額です。使える重機が制限される変形立地や、重機を入れるスペースがない場合は人力で解体する箇所が増え、その分の費用が上乗せになることもあります。

解体費用の目安は次のとおりです。

・木造:1坪あたり3~5万円
・鉄骨造:1坪あたり4~6万円
・RC造:1坪あたり6~8万円
※1坪=約3.3平方メートル

建築費用
建物本体の工事費用は総費用のおよそ75~80%が相場といわれています。建築費用には、基礎・構造づくり、屋根や外壁の工事、断熱材、窓、ドアの取り付け、電線の配線、水道の配管、住宅設備の設置などの工事費が含まれます。

床面積やデザイン、素材、設備、地域などによっても費用相場は異なります。時期によっても変わりますが、前述したように建築費用の目安は1坪あたり80~100万円くらいが目安です。ハウスメーカーの広告で見かける住宅価格や坪単価に関しては、上記の本体工事費用を指すケースが多いといわれています。

なお、門や塀などの外構工事、水道管やガス管を引き込む工事、エアコン設置など別途費用がかかり、その金額は総費用の15~20%が目安です。

諸費用
解体費用と建築費用以外にかかる諸費用には以下のようなものがあります。

・登録免許税:固定資産税評価額または法務局認定価格×0.15%(軽減税率適用の場合)
・印紙税:契約金額1,000万円超え~5,000万円以下なら1万円(軽減税率適用の場合)
・不動産取得税:取得した不動産の価格(課税標準額)×税率(3%※)
・住宅ローン手続き費用:保証料、登記費用、火災保険料、地震保険料、団体信用生命保険料など
※標準税率は4%ですが、2024年3月31日までは軽減措置により税率3%となります。

ここまでの諸費用は、建築費用の10~12%くらいが目安といわれています。

そのほか、仮住まい費用や引っ越し費用などもかかります。建て替えを機に古い家具や家電を買い換える場合は、それらの費用も見込む必要があります。

家の建て替え費用をシミュレーションしてみよう!

ここでは、土地ありで木造住宅を建てる場合の建て替え費用を30坪と40坪でシミュレーションします。それぞれ解体費用、建築費用、諸費用の目安を算出していますので、参考にしてください。

30坪の場合
30坪の木造住宅を建て替える場合の相場は次のとおりです。

・解体費用:1坪あたり5万円とすると、工事費は150万円
・建築費用:1坪あたり90万円とすると、工事費は2,700万円ほど
・諸費用:建築費用の10%かかるとすると、270万円くらいが目安

建て替え費用は約3,000万円、そのほか建築費用に含まれないオプション工事、仮住まい・引っ越し費用などもかかるでしょう。

40坪の場合
40坪の木造住宅を建て替える場合の相場は次のとおりです。

・解体費用:1坪あたり5万円とすると、工事費は200万円
・建築費用:1坪あたり90万円とすると、工事費は3,600万円
・諸費用:建築費用の10%かかるとすると、360万円くらいが目安

建て替え費用は約4,000万円、そのほか建築費用に含まれないオプション工事、仮住まい・引っ越し費用などがかかるでしょう。

まとめ

家の建て替えを検討する際は、最初に建て替えが可能なのかどうか、不動産名義が誰になっているか、住宅ローンを組めるかどうかの確認が必要です。

家の建て替え費用には、解体費用や建築費用のほか、諸費用がかかります。ほかにも建設中の仮住まいにかかる費用や引っ越し代も考えておかなければなりません。建て替え費用の目安としては30坪なら3,000万円、40坪なら4,000万円くらいが目安です。事前に建て替え費用をシミュレーションしてみて、具体的なプランを立てていきましょう。

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(最終更新日:2023.10.26)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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