マンションの購入を検討する際、悩みがちなのが「新築か中古か」という点です。

どちらにも長所はありますが、特におすすめしたいのは中古マンション。価格や選択肢の広さに加え、資産価値という点でも見逃せないメリットがあります。

この記事では、中古マンション購入のメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく解説します。中古マンション購入に迷っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。

中古マンションのメリット

中古マンションには、新築マンションにはないメリットがあります。まずは、中古マンションのメリットから見ていきましょう。

新築に比べると価格が安い

出典: 国土交通省 中古住宅流通、リフォーム市場の現状

中古マンションのメリットとしてまず挙げられるのが価格の安さ。同じ間取りや立地条件でも、新築マンションと比べて手に入りやすい点は大きな魅力です。

上の表は国土交通省の資料です。上の青い線が中古マンションの価格推移を表していますが、ここからもわかるように、マンションは築年数を経るにつれて価格が安くなる傾向があります。

減価償却年数による評価では毎年一律に価格が減少しますが、より実態に近いヘドニック法による分析では、最初の1年でガクンと価格が下落していることがわかります。これは新築マンションの価格に上乗せされている「新築プレミアム」がなくなったことを表現していると考えられます。

新築プレミアムとは、新築の価値が価格に反映されたものです。「新品」や「初物」に特別な価値を感じる、日本人特有の感覚が大きく影響しています。新築プレミアムの価格は、平均して物件価格の1~3割程度。実際の価値が2,000万円の物件なら200~600万円前後が本来の価格に上乗せされることになります。この割増金の有無だけでも、大きな価格の差が生まれてしまうのです。

資産価値が保持される

資産価値の保持も、マンション購入の際には重要なポイント。後々処分することになっても、できれば売値は下げたくないものです。中古マンションには、この資産価値が保持されやすいというメリットもあります。

たとえば新築マンションの場合、購入後は新築プレミアムの価値が失われます。このため、すぐに売却したとしても数百万円の損失が決定しているのです。

また、中古マンションは価格下落が緩やかであることも着目すべき点。前項で紹介したマンション価格の推移表を見ても、中古マンションの線グラフはなだらかです。購入後20年の時点で60%近く、30年後も40%ほどの資産価値が保持されています。

選択肢が幅広い

いろいろな物件から選択できるのが中古マンションの魅力

中古マンションは選択肢が多いのも大きなメリット。希望するエリアや間取り、築年数、価格帯などが幅広いため、購入前に比較検討できます。

たとえば、駅に近い場所は人気が高く、取引もさかんに行われているため、近年土地の価格が高くなってきました。このような好条件の土地はマンション開発会社も入手しづらく、新築マンションの供給も限定的です。その点、少し前に建てられた中古マンションなら、希望エリアに供給されている可能性も高くなります。

また、昨今では新型コロナウイルス感染症拡大の影響でライフスタイルにも変化が起きました。仕事でも余暇でも、家で過ごす時間が増加したのです。このため、マンションにも、居住者が専有できる「専有面積」の広さを求める人が増えています。その一方で、近年のマンション価格は全体的に上昇傾向。新築マンションも専有面積が縮小しつつあります。

このことから、「専有面積の広さ」という点でも、中古マンションの方が希望の物件をより見つけやすいといえるでしょう。

リノベーションの幅が広がる

「ライフスタイルに合わせてリノベーションしたい」という人にも、中古マンションはおすすめ。新築マンションに比べて購入価格を抑えられるため、浮いた資金をリノベーションに当てられます。

新築マンションでも、オプションで床材や設備の追加を選べる場合があります。しかし、中古住宅のリノベーションなら、キッチンの改装や間取りの変更といった大掛かりな工事が可能なことも。「同じコストでも居住空間のカスタマイズに予算を割きたい」という人なら、リノベーションを前提に中古マンションを探してみましょう。

売主が個人の場合消費税がかからない

消費税は、事業者が売る商品やサービスを対象としています。そのため、中古マンションを個人が売り出している場合には、消費税が加算されません。反対に、新築マンションは事業者が売主であることがほとんどなので、消費税がかかります。

2022年時点での消費税は10%。マンションほどの大きな買い物となると、その負担額は無視できません。

ただし、不動産会社による仲介手数料をはじめとする諸費用には、消費税がかかるものがあります。売主が個人の中古マンションであっても、この点には注意しましょう。

実際に部屋を見て検討できる

中古マンションであれば、実際の部屋を見て決められる

中古マンションは、実際の住環境を見て確認できるのもメリットです。

新築マンションでは、パンフレットやモデルルームでしか内装イメージを知ることができません。モデルルームは部屋の間取りや雰囲気はわかるものの、実際の住環境とギャップがあることも。たとえば、部屋からの眺望や日当たり、風通しなどはわからないのが難点です。

これに対し、中古マンションは実際に建てられた物件を見て決められます。専有部分の状況が肌で感じられるだけでなく、そのマンションの管理体制や近隣住民の様子など、見落としがちな細部も確認できます。

マンションでは、住民のコミュニティとの関わりも重要な点。購入後に後悔しないためにも、この点はぜひチェックしておきたいポイントです。

中古マンションのデメリット

中古マンションのメリットはたくさんありますが、購入前にはデメリットも押さえておきたいところ。これから紹介するデメリットもふまえて、中古マンション購入を検討してみましょう。

老朽化している可能性がある

まず考慮しておきたいのが、建物の老朽化です。

建築物は、基本的には経年劣化が起こります。建物本体のコンクリート部分や電気・ガス・給排水の設備などは、築年数を経るほどにトラブルが発生する可能性があります。共有部分の修理には、居住者から費用を徴収することも少なくありません。そのため、大規模な修繕の際にはそれなりの出費を覚悟する必要があります。

加えて、老朽化が進んだ物件は入居者が少ない可能性も。この場合、修繕費用の負担が増えるだけでなく、メンテナンスが不十分になってしまう恐れもあります。

修繕積立金残高が足りない物件がある

マンション所有者は、修繕費用の積み立てを求められます。大規模な修繕の際、急な徴収とならないために、こうした事前の用意は重要です。

しかし、時には管理組合にその積立金が足りない場合もあります。その場合には、不足分を補うために、住民からの追加徴収や、金融機関からの借り入れをする必要が出てきます。

建物のきちんとしたメンテナンスは、長く快適に住むために必要不可欠。しかし、購入後すぐに急な修繕費の出費があるとなれば、納得できないのが自然な感情です。

中古マンションの購入前には、マンション修繕のサイクルや管理組合の修繕積立金の状況もチェックしておきましょう。

「旧耐震基準」で建設されていると地震による倒壊の可能性がある

日本は地震の発生頻度が非常に高い国です。そのため、これまでに起きた大地震をもとに、建物の耐震基準も更新されています。中古マンション購入の際には、旧・新どちらの耐震基準で建設されたものかもしっかり確認しておきたいところです。

「旧耐震基準」は、1981(昭和56)年5月31日までに適用されていた基準。これ以降の「新耐震基準」は「震度6強、7程度の地震でも倒壊しない」レベルに引き上げられています。旧耐震基準で建設されたマンションでは、大きな揺れに耐えられない恐れがあるので注意が必要です。

税金の優遇措置が受けられない

中古マンションは、税金の優遇措置から外れてしまう場合があることも知っておくべき点です。

3階以上のマンションは、新築5年まで、建物部分(床面積120m2以下)に限り50%の「固定資産税の軽減措置」が受けられます。築5年以上を過ぎると、本来の固定資産税が課されるので注意しましょう。

まとめ

中古マンションは価格が安い、選択肢が広い、資産価値が保たれやすいなどさまざまなメリットがあります。その一方で、建物の老朽化や耐震性、税金に関するデメリットがあるのも事実です。

マンション購入の際に大切なのは、メリットとデメリットを正しく把握し、自分に合った物件を見つけること。今回紹介した内容を参考に、あらゆる点からマンションを比較検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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