東京23区の東に位置する墨田区は、下町風情が残る親しみやすい街です。桜の名所でもある隅田川の東側に位置し、荒川や北十間川など水辺が身近にあります。江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎が居を構えたことでも有名です。東京スカイツリーの開業など、近年は再開発で街が大きく発展。都心エリアへのアクセスも良好な職住近接の街として、この10年で人口も大きく増加しています。

今回は、再開発で成長を続ける墨田区の住宅事情と筆者おすすめの街について紹介します。

交通の便だけじゃない! 買い物やお出かけスポットも豊富

墨田区は、東京都の東部に位置し、西は隅田川を挟んで中央区・台東区・荒川区に、北から東は足立区・葛飾区・江戸川区、江東区に接しています。区の形は南北にやや長く、東西約5キロメートル、南北約6キロメートル。面積は13.77平方キロメートルで、東京都23区中17番目の広さです。地形は、海面からの高さ最高4メートル、最低マイナス1.2メートルの平たんな低地です。

1657年の明暦の大火を機に、本所周辺は区画整理され江戸城下の武家屋敷が移転。両国駅から錦糸町駅周辺など墨田区の南部に整った街区が広がるのは、こうした歴史的背景があります。区のホームページによれば、両国の相撲や隅田川の花火大会は、江戸時代から始まっていたようです。

隅田川花火大会
隅田川花火大会(画像素材:PIXTA)

戦後は住宅や工場が建ち、産業が発展。2012年には東京スカイツリーが開業し、2016年にはすみだ北斎美術館がオープンするなど、商業・文化施設がつくられ、街の新たな魅力が増えています。職住近接のトレンドもあり、都心アクセスに優れた墨田区の注目度もアップ。人口は2012年3月1日時点の25万2,474人から2022年3月1日時点の27万5,955人へとこの10年で大きく伸びています。

【墨田区のデータ】
区制施行日…1947年3月15日
総面積…13.77平方キロメートル
人口…27万5,955(2022年3月1日現在)
世帯数…15万7,264(2022年3月1日現在)

第26回墨田区住民意識調査結果(2020年10月)によれば、墨田区の住みごこちについて満足している人は91.4%となっています(「住みよい」34.5%+「まあ住みよい」56.9%。)。生活環境の評価では、交通の便が最も高く、次いで買い物の便や公園・遊び場についても高く評価されています。

国技館のある両国駅が東京駅まで3キロメートル圏内にあるように、墨田区は都心との距離が近く短時間でアクセスが可能です。鉄道網も充実しており、墨田区内にはJR総武本線、JR総武線をはじめ京成押上線、東京メトロ半蔵門線、都営浅草線・新宿線・大江戸線、東武伊勢崎線といった多くの鉄道路線が通っています。そのため、複数の路線を利用できる交通利便性の高い場所が多いのも特徴です。

たとえば、両国駅はJR総武線と都営大江戸線が利用可能。JR総武線で秋葉原駅や新宿駅方面にダイレクトにアクセスできるだけでなく、都営大江戸線で上野御徒町駅や汐留駅へ直結します。都心に近いだけでなくマルチアクセスが可能な点は、都心通勤の共働き層にとって便利です。

東京スカイツリー
東京スカイツリー(画像素材:PIXTA)

錦糸町駅やとうきょうスカイツリー駅などの駅周辺の商業施設が充実している点も墨田区の魅力です。なかでも、錦糸町駅は、駅周辺に錦糸町PARCO、オリナス錦糸町、アルカキット錦糸町などといった商業施設が集まり、映画館などのレジャー施設も充実しています。近年、とうきょうスカイツリー駅周辺や曳舟駅などでの再開発も活発で、東京ソラマチやイトーヨーカドー曳舟店などの商業施設も誕生しています。

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東白髭公園
東白髭公園(画像素材:PIXTA)

さらに、隅田川などの自然を生かした憩いのスポットが豊富なのも墨田区の魅力です。隅田川沿いの堤通公園や大横川親水公園、錦糸公園など開放感ある場所が豊富にあります。向島百花園、横網町公園、東白髭公園といった自然豊かな都立公園も気軽に行ける距離です。

すみだ北斎美術館
すみだ北斎美術館(画像素材:PIXTA)

2016年には、すみだ北斎美術館が墨田区亀沢にオープンしました。北斎通りという名前が示すように、墨田区本所かいわいは江戸時代の浮世絵師である葛飾北斎ゆかりの地。美術館では、葛飾北斎やその門人の作品を紹介するほか、墨田区との関わりについても発信しています。

また、墨田区には忠臣蔵に登場する吉良上野介の屋敷跡があり、幕末に活躍した勝海舟の生誕の地でもあります。明暦の大火が由緒の寺院・回向院など、江戸の歴史とつながりの深い場所が残っています。

中古マンション、新築戸建ての供給が目立つ墨田区の住宅事情

都心にアクセスしやすく、買い物も便利で憩いの場も豊富な墨田区の住宅事情ですが、分譲住宅のラインアップを見るとマンションよりも戸建ての供給が目立ちます。新築マンションの供給は、隣の台東区と比べ物件数がかなり少なくなっています。墨田区の南側エリアは、防災上の観点からいち早く幹線道路が整備されている一方、北側エリアは道路幅員の狭い場所が多く、マンションよりも戸建ての分譲に適した場所が多い印象です。

両国国技館
両国国技館(画像素材:PIXTA)

新築マンションの供給は、両国駅や錦糸町駅といった南側エリアが今後も中心になっていくでしょう。職住近接をかなえる街でもあることから新築マンションの価格は上昇しており、価格総額を抑えるため1Kタイプなどのコンパクトプランが目立ちます。戸建てについては、北側エリアの供給が中心となっています。土地面積を抑えることで、価格は5,000万円前後が目立ちます。

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墨田区は、中古マンションのストックも豊富にあり流通も活発です。新築マンションの供給が限られることもあり、中古マンション価格は高止まりしています。錦糸町駅など人気のある街の3LDKタイプは、6,000万円程度の予算が必要です。一方で、東武伊勢崎線の東向島駅や京成押上線八広駅といった街では、3LDKタイプが4,000万円台で十分検討できます。曳舟駅と亀戸駅を結ぶ東武亀戸線の中古マンションも値頃感があります。交通利便性が大きく劣るわけではないので、予算重視なら墨田区内でエリアを広げて探すのも良いかもしれません。

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なお、2012年に開業した東京スカイツリーは、夜はライトアップされ幻想的なシーンを演出しており、借景になっているケースも。立地によっては、隅田川花火大会の花火が見えるマンションもあります。墨田区の住まい探しでは、眺望をよく確認することも大切です。

次に筆者おすすめの街を紹介します。

好アクセス&買い物施設やレジャーが身近に 錦糸町は中古マンションも人気

錦糸町駅前
錦糸町駅前(筆者撮影)

墨田区内の暮らしやすい街として、まずおすすめなのが錦糸町です。錦糸町駅はJR総武線と東京メトロ半蔵門線が利用できるターミナル駅。総武線快速も停車するので、品川や横浜方面、千葉方面へのアクセスも軽快です。

駅からすぐの錦糸公園のそばには、2010年に新しく墨田区総合体育館が開館。スポーツをするだけでなく、見ることや総合型地域スポーツクラブ支援などスポーツを支える機能も。バレーボールやバスケットボール、バドミントンなど国内トップリーグの試合を誘致しています。

錦糸公園とオリナス錦糸町
錦糸公園とオリナス錦糸町(筆者撮影)

さらに、約100店舗のショップやレストラン、映画館などが入るオリナス錦糸町など、多彩な商業施設も。街なかの飲食店も豊富にあります。

街区が整っていることも錦糸町周辺の特徴。北斎通りなどの幹線道路中心に歩道が整備されており、歩行者の移動もスムーズです。開発が進むにつれ、生活関連施設が整備され、暮らしやすい街へと変化しています。オリナス錦糸町との複合開発で誕生したブリリアタワー東京や駅近の大規模マンションであるザ・グランアルト錦糸町などは、中古マンション市場で人気があります。

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東京スカイツリー誕生で街が活性化 始発電車もある押上

押上駅前
押上駅前にある東京ソラマチ(筆者撮影)

次におすすめなのが押上です。東京メトロ半蔵門線、都営浅草線に加え、東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅も利用できるフットワークの良好な街。東京メトロ半蔵門線の始発電車もあり、通勤に便利です。

2012年の東京スカイツリー開業を契機に街が活性化。約300店舗が入る東京ソラマチに続き、2020年には東武伊勢崎線の高架下に東京ミズマチもオープンしました。押上駅前にはライフセントラルスクエア押上駅前店もあり、日常的な買い物施設も充実しています。

押上駅前の商業施設
押上駅前の商業施設(筆者撮影)

隅田川にも近く、吾妻橋を越えれば浅草エリアです。桜の名所でもある隅田公園など憩いの場所も身近にあります。また、錦糸町駅へも東京メトロ半蔵門線で1駅。お出かけスポットが身近にたくさんあるのは、押上で暮らす魅力でしょう。

押上は、もともと交通アクセスの良さから共働き層や単身者層に人気があり、1LDKタイプなどのコンパクトプランの中古マンションの流通も活発です。相場的には錦糸町より安いので、アクセス重視の人には狙い目の街だと思います。

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下町情緒のある商店街の懐かしさと再開発による新しさが同居する曳舟

曳舟駅前のマンション群
曳舟駅前のマンション群(筆者撮影)

3つ目に紹介するのは、曳舟です。東武伊勢崎線曳舟駅と京成押上線京成曳舟駅が利用できる交通アクセスの良好な街。曳舟駅には、東京メトロ半蔵門線も東武伊勢崎線に乗り入れており、急行を利用すれば1駅で北千住駅に到着します。

京成曳舟駅から徒歩約5分の墨田区京島には、カフェや飲食店、食料品店など多彩なお店が並ぶ下町人情キラキラ橘商店街(向島橘銀座商店街協同組合)があり、下町情緒あふれる街です。

曳舟駅前は、かつて老朽化した木造建築物が多く防災上の課題になっていましたが、4つの地区で再開発事業が行われ、住宅や商業施設、公益施設と広場や公園などが整備されて暮らしやすい住環境に。人口流入が進んだことで、街に新たなにぎわいも生まれています。

曳舟駅前の商業施設
曳舟駅前の商業施設(筆者撮影)

なかでも、再開発街区は歩道が整備され、高齢者や子どもも安全に歩きやすくなっています。駅周辺には曳舟文化センターや図書館、児童館など公益施設も充実していて、子育て層が暮らしやすい環境が整っています。

曳舟駅前の開発街区
曳舟駅前の再開発街区(筆者撮影)

再開発によって誕生したタワーマンションは、中古マンション流通市場で人気があり、3LDKで6,000万円を超える価格帯で売り出されています。また中古戸建ては、敷地面積を抑えたものが5,000万円台で購入可能です。

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墨田区の住まい探しで留意すべきポイントは、水害リスクなどの防災性です。荒川や隅田川といった河川に面した墨田区は、洪水の際の浸水エリアが広範囲にわたります。事前にハザードマップを確認しましょう。

また、一部の地域に木造密集地域があり、地震に関する地域危険度が高い場所も。東京都が公表している「地震に関する地域危険度測定調査」で確認することができます。前述した、錦糸町や両国など墨田区の南側の区画整理された地域は比較的地域危険度が低く、道路が狭いところが多い北側エリアに地域危険度が高い場所が目立ちます。墨田区では、防災性の向上のため建物の不燃化や耐震化に取り組んでおり、曳舟駅周辺のように安全性の高いまちづくりが進められています。

住拠点として考えた墨田区は、交通アクセスが良好で、商業利便性も高く、憩いの場も多い魅力的な街です。再開発が活発な都心エリアへの距離も近く、将来性も期待できるでしょう。フットワークの良い自由な暮らしを実現したい人におすすめしたい街です。

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