新築戸建てを購入する際に、欠かせないのが火災保険の加入です。これから住宅ローンや教育費などの支出が増えることを考えて、保険料をできるだけ安く抑えたいという方も多いでしょう。そこで、今回は補償内容の種類と保険を選ぶポイント、見積もり時のチェックポイントなどについて、株式会社ミエルモCFO・新倉健太郎さんに解説していただきました。

火災保険はなぜ必要?

火災保険はなぜ必要
将来の幸せのためにも火災保険に加入を(画像素材:Adobe Stock)

火災保険とは、建物や家財などに被害を被った際に保険金が支払われる保険のこと。火災保険の加入に法的義務はありませんが、住宅ローンを組む際に保険の加入が条件となるため、加入は必須です。

また、火災などの被害に遭って万が一自宅に住めなくなったとしても、ローンの返済義務は残ります。さらに新たに住む場所を準備する費用が必要となるため、生活困窮を招く恐れがあります。こうした事態を防ぐために、住宅ローン加入と同時に火災保険への加入が求められるのです。

火災保険料の相場は?

火災保険料の相場
ネット割引を上手く活用するのがおすすめ(画像素材:Adobe Stock)

年間保険料は5,000円~2万円が相場

敷地面積30坪を想定した場合、年間保険料は5,000円〜2万円が相場とされています。ただし、保険料は保険の対象となる家の条件で大きく変動します。例えば、ハザードマップで浸水のリスクが低い地域では保険料は安く、リスクが高い地域では保険料は高くなります。また、住宅の構造や特約の有無でも保険料は変動します。

では、保険料を抑える方法はあるのでしょうか。

保険料を抑えるにはネット加入がおすすめ

「保険料を抑えるためには、ネット割引や長期割引を使うことをおすすめします。ネット割引とは保険契約をすべてインターネット上で終わらせるもので、気軽に加入できて安くなるなどメリットは多いです。長期割引は、複数年契約すると割引となる契約方法で、2022年9月までは最長10年の契約が可能です。

しかし、昨今の大規模自然災害発生リスクの高まりを受け、損害保険料率算出機構が金融庁に「火災保険料の参考純率が適用できる期間を最長5年とする」と届出を行ったことで、10年契約は廃止されることとなりました。さらに火災保険全体で平均10.9%値上げすることも決まっていますのでご注意ください」(新倉さん)

補償内容の種類と選択基準。特約はどこまでつけるべき?

補償内容の種類と選択基準
水害や台風など、火事以外も補償の対象に(画像素材:Adobe Stock)

「火災保険」という名前から、火事に遭った時にだけ補償されると思っていませんか?

火災保険の補償内容は、台風、竜巻などによる風災、大雨などによる水害、雷、雪など、とても幅広くなっています。新倉さんも「私たちの保険対応の中でも、風、雪の被害の報告が多いです」と話します。また、不慮の事故による破損・汚損も補償の対象となります。

安いものほど特約をつける必要性がアップ

そもそも、保険の特約とは、元々の保険にプラスアルファの補償を付けるもの。特約内容は保険会社によって異なります。年2万円程度の保険料がかかるものの中には、あらゆる補償がセットになっていて、さらなる特約をつける必要がほとんどない商品もあります。また、保険料が5,000円程度の商品は、補償内容が火災のみということも。

「日本は自然災害が多く、どこに住んでいてもいつ何が起きるかは分かりません。万が一どんな災害が起きてもいいように、台風、水害など、できるだけすべての補償を付けておくことが私たちは正解だと思っています。全部の補償をつけても、火災だけの補償にしても、年間では2,000円程度しか変わりません」(新倉さん)

注目は災害時諸費用特約

災害時諸費用特約もおすすめだそうです。

「災害時諸費用とは、火災や災害にあった時、損害保険金とは別に支払われる保険金です。災害時の復旧以外にかかる臨時費用に充当でき、限度額は100万円。保険会社によって上乗せ金額は変わります。災害時に用途の制限がなく、家屋を修繕している間の宿泊費、職場への交通費、家財の保管費用など自由に使用できます。万が一の時にとても強い味方になってくれる特約です」(新倉さん)

複数の保険会社に見積もりを依頼

複数の保険会社に見積もりを依頼
インターネットで複数の見積もりをとり、契約するのが便利(画像素材:Adobe Stock)

複数見積もりの必要性

複数の保険会社で相見積もりを取ると、同じ補償内容でも金額が違うなど、比較することで初めて分かることがあります。また、有人の窓口での加入ではなく、ネット上で加入することでネット割引を得られる保険も多くなっています。そのため、火災保険の加入前に複数見積もりをとることはとても有益です。

比較の時のチェックポイント

まず、災害時に受け取れる保険金の金額をチェックしておく必要があります。

「保険料が5,000円と相場の最低額の場合、火災が原因による保険金は1,000万円出ても、その他の災害時に100万円程度しか出ないことも。例えば、台風で屋根が吹き飛んだ場合、保険金が100万円までしか出ない補償内容では、結局修理費用が足りないということにもなりかねません。何の災害に対してどれだけの保険金が受け取れるか、確認しておきましょう」(新倉さん)

さらに「ネットで被害の申請ができるかどうかをチェックしておくといいですよ」と新倉さん。被害状況の写真や書類など、被害申請をネットでできると、保険金が早く受け取れる可能性が高くなるそうです。

保険金の自己負担の設定も重要とのこと。自己負担額の設定には免責方式、フランチャイズ方式の2種類があります。

免責方式 一定の免責金額を決め、その金額を引いた額が支払われる
フランチャイズ方式 損害額が免責金額を超えたら全額支払われる

「保険会社によってどちらか一方に固定されている場合と、自分でどちらにするか選べる場合があります。どちらにするかは年間500円程度しか変わらないので、被害にあったときに多くの保険金額を受け取れるようにするなら、フランチャイズ方式で免責金額を自己負担額なし、もしくは少額にしておくことをおすすめします」(新倉さん)

まとめ

火災保険という名称ではありますが、火災以外にも、大変多くの災害の被害を補償してくれます。複数見積もりを取る、ネットで加入するなどして保険料を抑えつつ、大切な家と家族にとって最大限補償してくれる火災保険に入ることをおすすめします。

【取材協力】
株式会社ミエルモ CFO 新倉健太郎さん
火災保険・地震保険申請サポートを提供。詳細な建物調査によって、被害箇所を正しく特定するとともに、図面、見積、説明資料の作成、保険会社から指摘事項への対応も行っている。平均の認定保険金額は100万円以上、年間5,000棟の調査実績を持ち、「口コミ人気」「認定率」「認定額」3部門の満足度調査で1位を獲得。
https://mielmo.co.jp/

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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