マイホームを買う際はココに気を付けて! 新築と中古に分けて11のポイントを解説

「マイホームは人生最大の買い物」といわれることもあるほど、住宅の購入は大きな買い物です。かんたんに買い直せるものではないため、購入時の注意点をしっかりと知っておくことが大切です。この記事では、新築・中古それぞれに住宅購入時の注意点を解説します。

新築住宅を購入するときの注意点

新築だから問題がまったくないわけではありません。住宅や契約に問題がないか、購入前に意識して注意すべき点があります。まずは、新築住宅を購入するときの注意点を3つ解説します。

オプション費用を確認する
新築住宅、とりわけ建売住宅の購入を検討するにあたっては、オプション費用に注意が必要です。建売住宅は一見安く思えても、一部の設備が標準仕様に含まれておらず、設備の設置に別途オプション費用がかかるケースがあります。

オプション仕様となっている可能性がある設備としては、カーテンレール、雨戸、網戸、テレビアンテナなどです。このように生活に欠かせないものを設置するためには、別途オプション費用が発生する場合があります。価格の安さばかりに目を向けるのではなく、標準仕様とオプション仕様の内容を購入前に確認しておきましょう。

ハウスメーカーを選べない可能性がある
土地を購入して家を建てる際、設計や間取りなど自由に決められるものと思いがちですが、実際には制限がかかることも多くあります。特に気をつけたいケースは、建築条件付き土地を購入して新築住宅を建てる場合です。

建築条件付き土地とは、家を建てる際に使うハウスメーカーや建築会社が、あらかじめ決められている土地のことをいいます。つまり、自分で好みのハウスメーカーや工務店を選べません。

指定会社の標準仕様に決められていたり、間取りやプランニングに制約が生じたりする可能性もあります。場合によっては、内装業者まで決められていることもあるため要注意です。自由に家を建てられない土地もあるというのは認識しておきましょう。

引き渡し前の内覧はしっかりと行う
売買契約を取り交わし、引き渡しを受ける前の内覧はとても大切です。もし内覧時に傷や不備を見つけた場合、メーカー側に補修を依頼できます。引き渡しを受けてから問題を見つけても、引き渡し前に生じた不備なのか判別がつかないため、自己負担で補修しなくてはならなくなります。

新築だからといって、何一つ問題のない完璧な家とは限りません。内覧時には部屋内部の様子だけでなく、外構や天井裏といった細かな点までチェックするよう心がけましょう。

中古住宅を購入するときの注意点

続いては、中古住宅を購入するときに意識したい注意点を4つ解説していきます。

修繕やリフォームに費用がかかる
中古住宅は新築住宅よりもリーズナブルな点が魅力ですが、築年数が経過している分、設備の修繕やリフォームに費用がかかります。一般的に築年数が古いほど、物件価格は安くなりますが、リフォームにかかる費用は高くなる傾向にあります。

予算を検討する際には、物件価格だけでなく、修繕やリフォームにかかる費用まで含めたトータルの金額で考えなければなりません。

その物件が何年前にリフォームされているのか確認したうえで、今後どのような修繕・リフォームが必要になるのかをチェックすることが大切です。購入検討にあたっては、将来の修繕計画も含めた資金計画を立てておきましょう

建物に欠陥があるおそれがある
当然ですが、中古住宅は築年数が経過しているため、構造や設備に欠陥のあるリスクが新築住宅よりも高いといえます。特に構造上の問題は、解決が難しいこともあるため要注意です。

必ず確認しておきたいのは、1981年6月の建築基準法改正後に建てられた住宅かどうかという点です。この改正以前の建物に適用されていた耐震基準は、一般的に「旧耐震基準」と呼ばれ、現在の「新耐震基準」に比べて耐震性が劣ります。

地震などの災害時に建物が倒壊するおそれもあるため、構造における欠陥の有無と耐震性については忘れずにチェックしておきましょう。

住宅ローン減税を受けられない可能性がある
ローンを組んで住宅を購入した場合に、所得税や住民税の控除が受けられる「住宅ローン減税」は、中古住宅の購入でも利用可能です。

2021年までは、原則築年数が一定以下の中古住宅のみ利用可能でしたが、2022年の税制改正によって築年数要件が廃止されました。それに代わる新たな要件として、先ほど紹介した新耐震基準に適合する住宅であることが求められています。

具体的には1982年1月1日以降に建てられた中古住宅であれば、新耐震基準に適合していると見なされ、住宅ローン減税の対象となります。

そのため、実際には1981年以前に建てられた中古住宅を購入しても、住宅ローン減税は受けられないということです。築古の中古住宅を検討する際は注意が必要です。

建て替え可能かどうかを確認する
築年数の古い中古物件を購入して、将来的に建て替えて住みたいと考えている人は、その土地が建て替え可能なのかを確認しておく必要があります。

「再建築不可物件」とされる中古物件は、基本的に建て替えできません。再建築不可物件とは、都市計画法制定や建築基準法改正以前から存在しており、現行の法律における要件を満たさなくなってしまった物件のことです。現在の法律では建物を建てられない土地となるため、一度更地にしてしまうと新しい住宅は建築できません。

具体的には、接道幅が2メートル未満、道路に面していない土地、面している道路が4メートル未満、といった土地のことです。

再建築不可物件でも、建築確認申請が不要なリフォームやリノベーションは実施可能ですが、できることとできないことをしっかり理解し、納得したうえで購入するようにしましょう。

新築・中古関係なく気をつけるべき注意点

ここまで、新築・中古それぞれの購入時の注意点を解説してきました。ここからは、新築か中古かに関係なく気をつけるべき注意点について見ていきましょう。

周辺環境をチェックする
すぐに引っ越せる賃貸住宅と異なり、住宅を購入すると長く住み続けることが基本です。そのため、近隣住民との関係性が重要になります。

内覧時には、隣の住宅との距離感が近すぎないか、隣の住宅と見合いになってしまうような窓配置になっていないかといったポイントも確認しておきたいところでしょう。

また、スーパーやコンビニ、病院といった生活利便施設へのアクセス、最寄りのゴミ捨て場の管理状況、治安や騒音といった周辺環境もチェックしておくようにしてください

ハザードマップを調べる
自然災害の多い日本において、災害はいつどこで起きてもおかしくありません。住宅を購入する際には、購入予定の物件のある場所が災害に遭いやすいかどうか確認しておくようにしましょう。

災害リスクを把握するために有効なものが、各自治体が発行しているハザードマップです。海沿いの地域であれば津波ハザードマップ、河川に近い場所であれば洪水ハザードマップなどが用意されています。ハザードマップを確認して検討中の物件が被災想定区域に入っている場合には、購入を見合わせたほうがいいかもしれません。

必ず複数の住宅を内見する
家を探すにあたり、1軒目に内見した物件が気に入るという可能性もありますが、なるべく複数の物件を見て比較検討することをおすすめします。場合によっては、最初に見た物件よりも好みの物件に出会えるかもしれませんし、1軒まわっただけでは物件の抱える課題が見えづらいためです。

ただし、あまり多くの物件を見過ぎると、逆に何がいいのかわからなくなってしまう可能性絵があります。ある程度条件を絞ったうえで、2〜3軒は実際に現地で確認してみましょう。

重要事項説明はしっかりと受ける
不動産は大きな買い物ですから、買主に不都合や不利益が生じないよう、宅地建物取引業者が買主に対して重要事項説明を行うことが義務付けられています。重要事項が記載された重要事項説明書を用いて、国家資格者である宅地建物取引士や不動産取引法務の専門家である宅地建物取引士が買主に対して対面で説明を行わなければなりません。

購入後に何か不備があったとしても、重要事項説明を受けた内容については追求できません。重要事項説明書には難しい専門用語が多く記載されていますが、わからないことはそのままにせず、その場で都度質問して、解決してから購入しましょう。

まとめ

大きな買い物である住宅は、購入する際にさまざまな注意点があります。専門的な知識が必要な場面もあるかもしれませんが、わからないからといって放置するのはとても危険です。

契約後に万が一問題が発覚して契約解除ということになれば、数百万円という大きなコストがかかりかねません。住宅購入で失敗しないよう、実際に契約する前にこの記事をよく読んで、注意点をしっかりと把握しておきましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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