JR南武線は、多摩川に沿うように立川駅(東京都立川市)と川崎駅(神奈川県川崎市)を全26駅(支線を含むと30駅)で結ぶ鉄道路線です。かつて多摩川の砂利の運搬にも利用されたように自然が身近な街が多いことに加え、都心へ結ばれる路線と交わるターミナル駅もあり、交通利便性の高さで住拠点として注目されています。今回は、JR南武線に暮らすメリットと注目の街を紹介します。

東京都心に意外と近い! ターミナル駅がいっぱいの南武線

JR南武線(以下、南武線)は、立川駅から川崎駅を結ぶ26の駅と、尻手駅と浜川崎駅を結ぶ支線の4駅で構成される鉄道路線です。営業距離は本線だけでも35キロメートル以上。放射状に郊外へと伸びる鉄道路線と交わり、多くのターミナル駅を有します。

川崎駅西口の風景
川崎駅西口の風景(画像素材:PIXTA)

JR東日本発表の「各駅の乗車人員 2020年度」によると、川崎駅の1日あたり平均乗車人員は、コロナ禍であってもJR東日本管内で10位の15万人超。立川駅は、同13位の12万人超です。

そして、川崎―立川間で南武線から乗り継げる路線は、JR京浜東北線・東海道線、京急本線・大師線(川崎駅)、東急東横線・目黒線、JR横須賀線・湘南新宿ライン、相鉄線・JR直通(武蔵小杉駅)、東急田園都市線・大井町線(武蔵溝ノ口駅)、小田急小田原線(登戸駅)、京王相模原線(稲田堤駅)、JR武蔵野線(府中本町駅)、京王線(分倍河原駅)、JR中央線・青梅線、多摩モノレール(立川駅)と多数。都心アクセスが良好な街が目立ちます。

たとえば、武蔵小杉駅からは、JR横須賀線を利用すれば品川駅へ約10分、東京駅へも20分以内にアクセスが可能。登戸駅からは、小田急小田原線の快速急行利用で新宿駅へ20分以内に到着します。多くの駅がこうしたターミナル駅へ1、2駅でアクセスできるので都心へ短時間で移動が可能になります。また、多くの路線に交わることで多方面へ行きやすいメリットも。家族の職場や学校の場所が東西南北と異なっていても、それぞれが通いやすくなるケースも増えるでしょう。

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東京駅前
東京駅前(画像素材:PIXTA)

また、多くの路線と交わるということは、都心方面に加え郊外へのアクセスもしやすくなります。家族そろって電車に乗って週末のレジャーなどにも出掛けやすいでしょう。

多摩川のほとりに公園やスポーツ施設

南武線が通る主な行政区は、東京都立川市・国立市・府中市・稲城市、神奈川県川崎市となり、すべて多摩川に面した行政区です。こうしたことから、沿線の街の多くは河川敷などが近く、豊かな自然環境を有する街が目立ちます。多摩川の水を活用した農業も盛んで、梨やブドウなどの果樹の栽培も行われています。

等々力緑地
等々力緑地の等々力陸上競技場(画像素材:PIXTA)

また、こうした河川敷には、野球場やゴルフ練習場、サッカー場などのスポーツ施設が設けられており、スポーツが盛んな場所も。多摩川沿いには、サイクリングロードやジョギングできる道もあり、子どもの健やかな心身を育む場としても魅力的です。

宿河原堤桜並木
宿河原堤桜並木(画像素材:PIXTA)

多摩川の水は工場の集積も促し、川崎、武蔵小杉などの南武線沿線の街には、大企業などの研究・開発拠点が数多くあります。こうした企業へ勤める人の住拠点として発展した街も多く、武蔵新城や武蔵小杉などは商店街が充実しています。生活利便性が高い街が目立つのも南武線沿線の街の特徴です。

また、南武線沿線では、住宅の供給も活発です。畑や果樹園、工場や倉庫などに利用されていた土地が、マンションや新築戸建てとして分譲されるケースもあります。都心エリアへ通勤しやすく自然環境も充実した南武線沿線の街は、住拠点として注目されています。

川崎市の人口は2010年10月1日からの10年間で6%を超える大きな伸びに。多摩川に面した川崎市の中でも、幸区は10%超、中原区は12%超、高津区は7%超とより高い伸びになっています。この3区は、武蔵小杉エリアのタワーマンションなど大規模マンションの供給が活発なエリアです。暮らしやすさと利便性が備わっている住まいへのニーズが高いことを示しています。

ターミナル駅は人気だが、価格面ではその隣駅が魅力

南武線で人気の駅としてまず思い浮かぶのは、武蔵小杉駅です。JR横須賀線や東京メトロ南北線・都営三田線直通の東急目黒線、東急東横線などが乗り入れるビッグターミナル。駅周辺には、再開発によってタワーマンションが次々と建設され、街の風景が一変。「グランツリー武蔵小杉」、「ららテラス武蔵小杉」、「武蔵小杉東急スクエア」などの商業施設も充実しています。

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また、東急田園都市線や大井町線が乗り入れる武蔵溝ノ口駅周辺は、複合施設「ノクティプラザ」をはじめ商業施設が充実。駅周辺には、複数の商店街も広がっています。さらに、小田急小田原線と交わる登戸駅は、現在駅周辺部で土地区画整理が進行中。医療モールや商業施設も新しくオープンし、街の魅力が高まっています。

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武蔵溝ノ口駅前
武蔵溝ノ口駅前(画像素材:PIXTA)

しかし、こうした駅はすでに注目度も高く、物件価格も大きく上昇しています。武蔵小杉エリアの新築タワーマンションなら3LDKタイプは8,000万円前後。ファミリー層には、手が届きにくい価格になっています。一方で、こうした駅から1駅移動すれば価格は手が届きやすくなります。

たとえば、武蔵小杉駅から1駅の武蔵中原駅や、武蔵溝ノ口駅から1駅の津田山駅、登戸駅から1駅の中野島駅などは、新築マンションの3LDKタイプでも5,000万円台前後の手の届きやすい物件が目立ちます。南武線は通勤で利用する人が多く、通勤時は電車の本数も多いので、あえてターミナル駅を外して探すのも良いかもしれません。予算重視で住まいを考えるなら、通勤利便性を考慮しながら広範囲で南武線沿線の街を検討することをおすすめします。

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川崎市の高津区、中原区、幸区などはマンションが大量供給されたこともあり、中古マンションストックが豊富にあります。築年数が比較的浅いマンションも流通しているので、中古マンションと新築マンションを比較検討するのも良いかもしれません。

なお南武線は、日中は快速運転があります。通勤時は各駅停車ですが日中は快速が止まらない駅もあるので、時刻表で事前に確認しておきましょう。

次に筆者おすすめの3駅を紹介します。

新川崎駅と長いペデストリアンデッキで結ばれる鹿島田駅 中古大規模マンションも人気

最初に紹介したいのは、川崎市幸区にある鹿島田駅です。鹿島田駅は、武蔵小杉駅と川崎駅のほぼ中間に位置しています。少し離れた場所にJR横須賀線の新川崎駅がありますが、近年再開発によって歩行者用のデッキが整備され、スムーズに往来できるようになりました。

鹿島田駅前の街並み
鹿島田駅前の街並み(筆者撮影)

鹿島田駅を出るとすぐ目に入るのは、タワーマンションを含めた整然とした住宅街。駅の南東側は、複合的開発ゾーンと都市型住宅ゾーンが整備され、美しい街並みが広がっています。その中心となるのが、分譲マンションとして売り出されたサウザンドシティ。その名とおり総戸数1,000戸の大規模マンションで、公園や外構の植栽が潤いある住環境を形成。中古マンションとしても人気があります。

鹿島田駅前の大規模マンション サウザンドシティの外観
鹿島田駅の大規模マンション・サウザンドシティ(筆者撮影)

沿道には商店も立ち並んでおり、買い物施設も充実しています。また、新川崎駅周辺も市街地再開発事業によって、住宅とスーパーや飲食店などの生活利便施設が整備されています。新川崎駅を利用すれば、品川駅や東京駅にも直通で行ける交通利便性も魅力。鹿島田駅からは日中なら快速利用で川崎駅や武蔵小杉駅へ約4分でアクセスできます。

鹿島田駅周辺では大規模マンションなどの供給が活発で、新築の3LDKタイプが5,000万円台から手が届きます。また、新川崎駅周辺には大規模な団地もあるので、中古マンションと比較検討して探すこともおすすめです。

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商店街が充実の武蔵新城駅 等々力緑地や多摩川緑地などの自然も豊か

続いておすすめする街は、川崎市中原区に位置する武蔵新城駅です。武蔵新城駅の魅力は、生活利便施設の充実度。アーケードのある新名商店街や日光通商店街など、周辺には多くの商店街があり、スーパーなどの買い物施設やクリニックなどの医療施設も充実しています。

また、線路が高架の上を通っているので往来もスムーズ。踏切がないので、歩行者の移動も比較的安全です。等々力緑地や多摩川緑地といった自然も身近にあります。等々力緑地にある陸上競技場は、サッカーチームの川崎フロンターレのホームグラウンドにもなっています。

等々力緑地
等々力緑地(画像素材:PIXTA)

駅前の商業系エリアと、住居系エリア、工業系エリアが分かれており、落ち着いた住環境の住宅が多いのも武蔵新城駅の魅力です。街としての歴史も古く、保育園や小学校、中学校などの教育関連施設もそろっています。

武蔵新城駅では、新築マンションの供給が目立ちます。駅徒歩10分圏のマンション供給も多く、商店街が身近な生活利便性を享受しながら、快適な生活を送ることができます。武蔵溝ノ口駅と武蔵小杉駅の間に位置しますが、両駅に比べると価格はやや抑えめです。新築マンションの3LDKタイプなら5,000万円台から十分検討できそうです。

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新宿へアクセスしやすく、価格もリーズナブルな稲田堤

3つ目のおすすめは、川崎市多摩区に位置する稲田堤駅です。京王相模原線の京王稲田堤駅も徒歩圏内で、京王稲田堤駅から1駅で調布駅へアクセス可能と交通利便性の高さが魅力です。南武線利用では、2駅先は登戸駅で小田急小田原線を利用できます。

稲田堤駅の魅力は、南武線沿線の中でも住宅価格がリーズナブルで手が届きやすいこと。駅前には、スーパーやドラッグストアなど買い物施設や飲食店が充実していて、保育園などの子育て関連施設も複数あります。多摩川近くの稲田公園や、よみうりランドなどのレジャースポットも身近です。多摩区は、南武線の中でも農業用地などが多く、戸建ての供給も活発。新築戸建てが5,000万円前後で販売されています。

よみうりランド
よみうりランド(画像素材:PIXTA)

新築マンションも3LDKタイプが5,000万円前後から購入可能。南武線沿線の中でも比較的購入しやすい価格帯です。

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紹介した3駅以外でも、武蔵溝ノ口駅の隣にある津田山駅や、登戸駅の隣にある宿河原駅などもおすすめです。南武線沿線は多摩川沿いということもあり、ほぼフラットな地形。自転車などで移動すれば、隣駅の中心街へスムーズにアクセス可能です。

都心へのアクセスが良く自然環境に恵まれた南武線ですが、留意したいのは水害リスクです。多摩川が近いこともあり、集中豪雨などによる洪水リスクは事前に確認しておきましょう。

鹿島田駅前と南武線
鹿島田駅前と南武線(筆者撮影)

また、線路が高架化されていない場所が多いことも課題になっています。稲城長沼駅や南多摩駅が通る稲城市では、2016年にJR南武線連続立体交差事業が完了するなど、徐々に高架化は進められています。踏切がなかなか開かない場所では、歩行者も車も注意が必要です。

かつて南武線は、川崎競馬場や東京競馬場など公営ギャンブルのスポットを結ぶ路線ということもあり、ややマイナーなイメージでしたが再開発により沿線の印象も大きく変わってきています。
平日の通勤時間帯に南武線に乗車すると、通勤・通学する人の多さに驚きます。それだけ南武線沿線は人が集まる地域ということでしょう。豊かな自然が身近で都心と結ばれる便利な暮らしが実現する南武線沿線の街。住まい探しに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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(最終更新日:2022.04.14)
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