【事例を紹介】マイホームの増築はどこにどれくらいの費用がかかる? 場所別に相場を解説

自宅を増築し、家族にとってより過ごしやすい環境を整備したいと考えている人もいるでしょう。自宅を増築する場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。この記事では、増築する場所ごとに費用の相場を解説します。また、増築の具体的な事例を2つ紹介するので、あわせて参考にしてください。

増築の定義とメリット

増築にはさまざまなメリットがあります。ここでは、増築の定義とメリットについて説明します。

増築とは

増築とは、既存の建物に新しい建物を付け足したり、敷地の中に別途建設したりすることです。増築をすると、基本的に建物の床面積が増えます。そのため、増築する際は建築基準法の定めを考慮しなければなりません。

なお、間取りのみを変更して床面積が変わらない場合は、改築と呼びます。

増築のメリット

増築すれば、自宅の居住スペースを増やせます。たとえば、家族が増えて自宅が手狭になってきた場合に、増築すると居室を追加できます。必要に応じて、トイレ、風呂場、キッチンなどの水回りやバルコニーなどの増築も可能です。

また、増築は、建物全体を建て替えるよりも費用が安く済みます。建て替えには既存の建物の解体費用もかかりますが、増築なら建て増す分の建物の材料費や工費しかかかりません。予算が少なくても、自分たちの生活に合わせて自宅の環境を整えられます。

さらに、自宅を建て替えるとなると、工事をしている期間は別の場所に引っ越さなければなりません。しかし、増築の場合、基本的には工事中も自宅に住み続けることが可能です。仮住まいを用意するための費用がかからず、家族にとっての負担も最小限に抑えられます。

ただし、工事する場所や工事の内容によっては、一時的に引っ越しが必要になる可能性もあるため、業者によく確認しましょう。

サンルーム増築の費用

サンルームはとても気持ちの良い場所

ここからは増築箇所ごとの費用を説明します。

サンルームとは、日の光を取り入れるためにガラス張りにした部屋です。リビングの延長として設けてリラックスしたり、洗濯物を干して乾かしたりするために活用されます。

サンルームの増築にかかる費用は、40~180万円程度となっています。スタンダードなタイプなら、100万円程度が目安です。ハイグレードなサンルームを希望すれば、さらに高額になります。面積が広いサンルームを作ったり、2階を増築してサンルームを設けたりする場合も、高額になりやすいでしょう。

リビング・洋室・和室増築の費用

リビングの増築工事風景(画像提供:リショプナビ

リビング・洋室・和室を増築するケースでは、庭の一部をつぶして居室を作るパターンが多くみられます。また、吹き抜け部分を活用し、2階に新しい居室を設ける場合もあります。

増築で新しく居室を設ける際の相場は、1平方メートルあたり15~40万円程度です。広さに応じた相場の目安は、以下のようになっています。

・2畳分の増築費用:50~140万円
・6畳分の増築費用:200~300万円
・8畳分の増築費用:210~400万円
・10畳分の増築費用:220~450万円

トイレ・浴室・キッチン増築の費用

トイレ・浴室・キッチンなどの水回りの増築は配管の工事に手間がかかるため、費用も高くなる傾向があります。だいたい築15年を過ぎると水回りの設備が古くなり、リフォームを検討する人も増えてきます。設備を新しいものに取り替えつつ、トイレ・浴室・キッチンを広く増築したいという人も少なくありません。

それぞれの場所の増築にかかる費用の目安は、以下のとおりです。

・トイレの増築費用(1畳程度):70~200万円
・浴室の増築費用(2畳程度):75~250万円
・キッチンの増築費用:90~400万円

離れ増築の費用

庭などに離れを増築するケースもあります。離れはメインの建物とは独立しており、新築で建物を建てる場合と同じく平米単価や坪単価で費用を計算できます。

たとえば、在来工法で木造の離れを作るなら、1畳あたりの費用の目安は27万円から50万円程度です。一方、プレハブで木造の離れを作るなら、1畳あたりの費用の目安は25万円から33万円程度となります。

平屋を2階建てに増築する費用

もともと平屋だった建物を、2階建てに増築するケースもあります。階を増やすには、耐震性を向上させなければなりません。そのため、単に2階部分を作るだけでなく、基本的には1階部分の補強工事も行う必要があります。もともとの屋根を解体して新しく作り直す作業もあるため、1階を増築する場合と比較すると費用は高額になります。

平屋を2階建てに増築する費用の相場は、1畳あたり60~75万円程度です。

増築の施工事例:1階にリビングを増築

庭の一部をつぶしてリビングを増築(画像提供:リショプナビ

これらのほかに、一戸建ての1階のリビングの面積を増やすために増築を行った事例もあります。この住宅は木造軸組み工法で建てられており、増築工事時の築年数は30年でした。工期は30日で、費用の総額は150万円です。

庭の広さに余裕があったため、庭の一部をつぶしてリビングを増築しました。増築した部屋には三方に窓が設けられており、室内にしっかり光が入ってきます。リビングが広くなり、大きなソファやテーブルを置いても、広々とした空間に仕上がっています。エアコンも設置し、既存の建物と同じように過ごしやすい住環境を整備しました。リビングを増築すると、自宅で家族が過ごす時間をより充実させられます。

増築の施工事例:お母様のために離れを増築

離れを増築(画像提供:リショプナビ

一緒に暮らす母親のために、離れを増築した事例もあります。敷地内に新しく建物を建て、キッチンやトイレ、洗面所、浴室、和室などの住空間を整えました。費用の総額は、約692万円です。工事には75日かかりました。

この事例ではまったく新しい建物を建てており、事前に入念な打ち合わせを行っています。各水回りの使い勝手を考慮し、高齢者にとって過ごしやすい環境を重視しました。また、居室は、落ち着いて過ごせる和室にしています。既存の建物や庭の雰囲気とマッチするよう、外壁はシンプルな白でまとめました。計画的に増築工事を行った結果、満足のいく離れに仕上がっています。

まとめ

増築工事をすれば、建て替えよりも低コストで住環境を充実させられます。特に今後は、すぐ建て替えをするのではなく、既存の住宅をリフォームして長く使うパターンが増えると考えられます。増築は、その際の選択肢の一つです。増築のメリットをしっかり理解し、家族にとって過ごしやすい環境を整えるためにうまく利用しましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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