何かしらの企業に所属して働く人が多い日本。よく「日本人の平均年収はいくら」という話を耳にしますが、給与所得者に絞った場合の平均年収はいくらくらいなのでしょうか。また、男女や年代など属性によって平均年収はどれほど違うものなのでしょうか。この記事では、給与所得者の平均年収や男女別・年代別・事業規模別・業種別の平均年収について詳しく紹介していきます。

給与所得者の平均年収

国税庁公表の「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、日本における給与所得者5,928万人のうち、1年を通じて勤務した給与所得者は約88%にあたる5,245万人(男性3,077万人、女性2,168万人)でした。

そして、1年を通じて勤務した給与所得者の令和2年分平均給与は、約433万円となっています。令和2(2020)年分の平均給与約433万円の内訳は平均給料・手当が369万円、平均賞与が65万円。リーマンショック前の水準まで戻ってはいるものの、2年連続の減少でした。なお、過去最高は平成9(1997)年に記録した約467万円です。

1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は46.8歳で、男性46.8歳、女性46.7歳と男女の差はほとんど見られません。雇用形態別にみると正規雇用の平均給与が496万円であるのに対し、非正規雇用は176万円に留まっており、正規・非正規雇用の賃金格差は大きいことがわかります。

【男女別】平均年収はいくら?

ここからは、さまざまな角度から平均年収を比較していきましょう。まずは、男女別の平均年収について見ていきます。

1年を通じて勤務した給与所得者のうち男性の平均給与が532万円だった一方、女性は293万円となっており、男女間の賃金格差も大きいのが実情です。内訳をみると、平均給料・手当が男性449万円に対し、女性は254万円。平均賞与は男性が83万円であるのに対し、女性は39万円であり、いずれも男性に比べて女性が少なくなっています。

また、平均給料・手当に対する平均賞与の割合(賞与割合)も、男性が18.4%、女性は15.3%と、男性のほうが賞与を手厚く受け取っているといえるでしょう。

【年代別】平均年収はいくら?

次に年代別の平均年収を確認していきます。男性の場合、60歳未満までは年齢が高くなるにしたがって平均年収も高くなる傾向にあり、年齢に沿って緩やかなカーブを描いて上昇していきます。ピークは55〜59歳の668万円。これは、日本企業で広く見られる年功序列賃金の影響が大きく作用していると考えられます。多くの企業で定年を迎える60歳以降は、年齢を重ねるにつれ平均給与が減少していきます。

一方、女性の給与カーブは男性と大きく異なり、30歳未満までは年齢に応じて給与が上がっていくものの、その後は59歳までほぼ横ばいです。ピークは45〜49歳の321万円ですが、男性ほど給与における年齢差はありません。女性の平均給与に年齢差がそれほど見られない要因としては、30代以上になると育児により休職や退職をする人が増えること、育児が一段落ついた後はパートタイマーとして働く人が多いことなどが挙げられるでしょう。

【事業規模別】平均年収はいくら?

勤務する事業所や企業の規模によっても平均年収は異なります。令和2年分における事業規模別の平均年収一覧は以下のとおりです。

事業規模別の平均年収一覧

こうしてみると、事業所や企業の規模が大きくなるほど男女とも平均給与が高くなる傾向にあることがわかります。個人の事業所と資本金10億円以上の企業では実に2.4倍もの差があり、資本力のある企業ほど従業員への給与支払い能力が高いと考えられるでしょう。

男女比でみると、資本金2,000万円未満の企業では女性の給与が男性の55.6%であるのに対し、資本金10億円以上の企業では49.7%であり、企業規模の大きな企業のほうが男女の賃金差が大きくなっています。

【業種別】平均年収はいくら?

続いては、企業の業種別に平均年収がどれくらいなのか見ていきます。平均給与が最も高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」の715万円、次いで「金融業、保険業」の630万円。「情報通信業」も611万円となっており、上位3業種は平均で600万円を超えています。

一方、最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の251万円。「農林水産・鉱業」の300万円、「サービス業」の353万円がそれに続きます。「電気・ガス・熱供給・水道業」と「宿泊業、飲食サービス業」では2.85倍もの差があり、業種による給与差は大きいといえるでしょう。

給与階級別で見ても、「電気・ガス・熱供給・水道業」では平均給与が800万円超という人が全体の33.7%。「金融業、保険業」でも800万円超の人が全体の25.0%を占めており、全体的に高水準となっています。対する「宿泊業、飲食サービス業」では100万円以下という人が28.4%、200万円以下という人が全体の半分以上を占めています。

給与所得者の平均年収を左右するほかの要素

ここまで男女別・年代別・事業規模別・業種別の平均年収を紹介してきましたが、給与所得者の平均年収を左右する要素はほかにもあります。代表的なのが最終学歴や在住(勤務)地域の違いなどです。これらの要素による平均年収の傾向について、厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果をもとに解説していきます。

最終学歴による平均年収の状況

最終学歴による平均年収は、大学院卒>大学卒>高専・短大卒>専門学校卒>高校卒の順に高くなっています。男性では大学院卒約558万円、大学卒約470万円、高専・短大卒約415万円、専門学校卒約371万円、高校卒約354万円であり、大学院卒は高校卒の約1.6倍に達しています。女性でも大学院卒約485万円、大学卒約346万円、高専・短大卒約310万円、専門学校卒約316万円、高校卒約262万円となっており、大学院卒は高校卒の約1.9倍です。

参照元:「学歴別にみた賃金
※月収×12か月で計算

在住(勤務)地域別の平均年収の状況

住んでいる地域や勤務先のある地域によっても平均年収は異なります。都道府県別の平均年収トップは東京都の約448万円。次いで神奈川県約402万円、大阪府約384万円、愛知県約377万円が続きます。

反対に、平均年収が最も低いのは青森県で約289万円。これは東京都の約6割という水準です。岩手県約295万円、秋田県約296万円など、東北地方は年収水準が低くなっています。つまり、都市圏で年収が高く、地方になるほど年収は低くなる傾向にあるということがわかります。

まとめ

令和2年分の給与所得者の平均年収は433万円であり、2年連続で減少しています。リーマンショック前の水準に回復しているものの、ピークだった平成9(1997)年に比べれば30万円以上少なくなっているのが現状です。

給与所得者の平均年収は、正規・非正規といった雇用形態、性別、事業規模、業種、学歴、地域などの要素によって大きく変わってきます。転職などで年収をアップしたいと考えている人は、今回紹介したデータを参考に検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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