宅配ボックスを狙った盗難がある⁉ 手口と対策を知って未然に防ぐ

対面で荷物を受け取る必要がない便利な宅配ボックス。置き配サービスが一般的になり、ますます宅配ボックスを利用する人は増加傾向にあります。

しかし、荷物が屋外にある状態となるため、盗難を心配している人もいるのではないでしょうか。実際、宅配ボックスを狙った盗難も発生しています。そこで今回は、宅配ボックスの盗難防止策について解説していきます。

宅配ボックスをねらった盗難例

宅配ボックスを狙った盗難がどういった手口で行われるのか、実例を2つ紹介します。

ポストから不在連絡票を盗む

宅配ボックスの多くは、配送業者が設定した暗証番号を使って、利用者が解錠し中身を取り出す仕組みです。暗証番号を書いた不在連絡票はポストに投函されることが一般的ですが、これを盗んで宅配ボックスを開錠し、中身を盗み取るという手口が見られます。犯人は、ポストの投函口から粘着質のものを入れて不在連絡票を抜き取ります。

宅配ボックスごと盗む

戸建ての宅配ボックスはマンションと異なり、玄関先に個人で後付けするタイプが広く普及しています。置き型の宅配ボックスは簡単に取り付けられる分、取り外すのも比較的簡単。

そのため、宅配ボックスごと盗んでしまい、あとでゆっくりと解錠したり破壊したりするという盗難の手口もあります。

宅配ボックスの盗難防止策

宅配ボックスを狙った代表的な盗難手口を2つ紹介しましたが、被害に遭わないためにはどうすればいいのでしょうか。ここからは、宅配ボックスの盗難防止策についてくわしく解説していきます。

アプリで管理する宅配ボックス(IoT宅配ボックス)を利用する

最近では、各メーカーからスマートフォンアプリで管理できるIoT宅配ボックスが販売されています。IoT宅配ボックスの解錠には暗証番号を用いないため、不在連絡票から暗証番号を盗まれる心配はありません。

IoT宅配ボックスは機能も充実しています。たとえば、通常の宅配ボックスは1個のボックスに対して1個の荷物しか受け取れませんが、IoT宅配ボックスはスマートフォンで外出先から配達業者とやり取りできるため、複数の荷物を同時に受け取れます。

他にも、配送業者による配達のみならず個人間の荷物の受け渡しにも使えるなど、幅広いシーンで活躍する新時代の宅配ボックスといえるでしょう。

盗難防止ワイヤーを取り付ける

戸建ての場合、玄関先に置く簡易タイプの宅配ボックスを設置している人も多いのではないでしょうか。ハードボックスタイプやポリエステル製のものなど数多くの商品が販売されていますが、いずれもボックスごと盗難されるリスクがあります。

こうしたタイプの宅配ボックスを設置するのであれば、ボックスごと持っていかれないよう、簡単には切断できないワイヤーで玄関ドアなどに固定しておくのがおすすめです。最近では、本体にワイヤーがついているタイプの宅配ボックスも販売されています。

解錠しにくい鍵を選ぶ

盗難防止の観点から、宅配ボックスは解錠しにくい鍵の付いたものを選びましょう。戸建て用の宅配ボックスでは、南京錠で施錠するタイプのものもありますが、南京錠は壊されやすく防犯面で不安があります。できれば南京錠ではなく、頑丈で壊されにくいものを選ぶようにしてください。

また、ダイヤル式のものは、施錠後ダイヤルをしっかりずらさないと、暗証番号を推理しやすいというという点がデメリットです。そのため、ダイヤル式であれば、ロックしたあとに自動で番号が0にリセットされる商品などを選ぶといいでしょう。

また、先ほど紹介したIoT宅配ボックスのように、スマートフォンやICカードで解錠するタイプなどは、セキュリティ性が高く安心です。

監視カメラを設置する

防犯対策の王道ともいえる監視カメラですが、玄関先に設置すれば宅配ボックスにおける盗難防止にも効果が期待できます。戸建てであれば宅配ボックス本体の盗難防止につながりますし、マンションであればポスト投函口からの不在連絡票盗難防止に効果的です。

防犯カメラで記録を残すのも大切ですが、何よりも防犯カメラがあることにより、盗難を企てる犯人をけん制できるというのがポイント。宅配ボックスに「監視カメラ設置中」といったステッカーを貼っておくと、犯人へのけん制効果が高まり大きな盗難抑止力にもなるでしょう。

なるべく荷物を放置しない

施錠できる宅配ボックスであっても、屋外に長時間放置すれば盗難されるリスクが高まります。配達先を宅配ボックスに指定したとしても、なるべく配達時間を在宅時間に合わせるようにし、荷物を放置しないように心がけましょう。

どうしても留守中に荷物を受け取る必要がある場合は、コンビニ受け取りや街中に設置されている宅配便ロッカーを利用するのも有効です。小さな荷物なら、こうしたサービスを活用することにより、盗難リスクを抑えられます。

宅配ボックス盗難被害にあったら

ここまで紹介してきた盗難防止策を講じたにも関わらず、万が一宅配ボックスの盗難被害に遭ってしまった場合、どのように対処すればいいのでしょうか。盗難被害を受けた際にすべきことを具体的に解説していきます。

配送業者に連絡する

荷物がないと気づいた際は、まず配送業者に対して本当に配送が完了しているのか、状況を確認します。配送業者側の何らかのミスによって、そもそも荷物が配達されていない可能性もあるためです。

荷物を配達した事実が確認できたにも関わらず見当たらないのであれば、盗難に遭った可能性が高いでしょう。配送業者側は宅配ボックスに配達した時点で配達完了となるため、そのあとに盗難被害に遭ったとしても、基本的に補償することはありません。

ただ、盗難や荷物の種類によっては補償が受けられる可能性もあるので、業者に確認してみるようにしましょう。

警察に通報する

荷物の紛失が配送業者の手違いなどによる郵送事故ではなく、盗難だと確信できた場合にはすぐ警察へ通報し、被害届を提出しましょう。盗難から時間が経つと、犯人特定や荷物の発見が困難になる可能性が高くなるため、被害に気づいた時点で速やかに通報することが大切です。

自宅から110番通報して、警察に現場を確認してもらいます。指紋などの証拠を残しておくため、もし現場が散らかっていても掃除などはしないようにしましょう。

通販サイトで購入した場合、購入先に連絡する

大手通販サイトで商品を購入し、置き配サービスを利用して盗難・紛失被害に遭った場合、条件を満たせば盗難補償を受けられる可能性もあります。また、配送業者と大手通販サイトが提携し、一定額まで補償できるサービスも提供されています。

こうした補償サービスは各通販サイト・個人間取引サイトによって内容が異なるため、購入先に連絡して、補償を受けられるか問い合わせてみてください。

まとめ

非対面で荷物を受け取れる宅配ボックスは、便利な反面、盗まれてしまう可能性があります。そのため、宅配ボックスの盗難防止対策は必須といえるでしょう。施錠できるからといって安心するのではなく、二重三重に気をつけることが大切です。

もし盗難被害に遭ってしまった場合には警察に通報するだけでなく、配送会社や購入元の通販サイトにも連絡して、補償を受けられないか確認しましょう。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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