地震や台風といった災害時に備え、ハザードマップや避難経路の確認、備蓄などはもちろんですが、現代の生活様式に合わせた具体的な備えはできているでしょうか。

東日本大震災から 11 年を迎えた今年は、ケースバイケースの「備え」について、関西大学社会安全学部特別任命教授で岡山県防災アドバイザーも務める河田惠昭(かわたよしあき)先生のご意見と共に紹介します。

マンションの高層階、備蓄は中低層階や戸建てと同じでいい?

災害用に限らず多めにストック
災害用に限らず多めにストックしておくのがおすすめ(画像素材:AdobeStock)

近年では都市部を中心にタワーマンションが増加しています。高層階に住んでいる場合、普段使用しているエレベーターが停電で使えなくなる可能性もありますが、災害時はどのように行動するのがよいのでしょうか。

「これも自治体によりますが、避難所の収容人数は限られているので、多くの場合マンションに住む方々は在宅避難が求められます」と河田先生。

マンションでの在宅避難における心構え

在宅避難でも食料や水など備蓄品は必要ですが、エレベーターが停止してしまうと、もし備蓄品が足りなくなった場合、追加分を階段で運ぶのは大変です。特に高層階に住んでいる場合は、中低層階や一般の戸建て住宅よりも備蓄品を多めに準備しておく必要がありそうです。

「災害時用というよりは、普段から保存のきく食料は多めにストックしておくことが大事です。特別に用意するのではなく、素麺など余りがちだけど長持ちするものなどは、災害時にも役立つので取っておきましょう」(河田先生)

とはいえ居住スペースにも限りがあり、大量に備蓄できるわけではありません。

「フロアごとに備蓄品をストックできる場所があるマンションもあります。こうした災害時の備えには、普段から管理組合などの組織がしっかり機能していて、かつ、住民同士の協力も大切になっていきます」(河田先生)

近所づきあいが希薄な昨今ですが、いざという時に心よく助け合えるよう、普段から適度なコミュニケーションはとっておきたいものです。

 

コロナ禍でのニューノーマルな避難とは?

コロナ禍でのニューノーマルな避難
避難所でも「新しい生活様式」に基づいた過ごし方を(画像素材:AdobeStock)

コロナ禍においては、日常的なマスク着用やソーシャルディスタンスの確保など、新しい生活様式での暮らしが続いています。こうした中で災害が起きた場合、避難生活ではどのようなことに気をつけるべきでしょうか。

防災グッズに追加しておくべきもの

備蓄品に加え、最低限、以下の3つを追加しておきましょう。

・マスク
・体温計
・除菌シート

避難所での過ごし方

また避難所内ではルールに従い、感染症対策に配慮して生活・行動することが大切です。

・3密(密閉空間・密集場所・密接場所)を避ける
1時間に1度の換気を行い、避難者同士の距離を保つ。また、近距離での会話や発生は最低限に。

・手洗い・咳エチケットの励行
こまめに手洗いし、咳をするときはハンカチなどで口を押えましょう。

(岡山市 公式サイト「避難所における新型コロナウイルス感染症対策について」をもとに作成)

また、河田先生によると「コロナ禍における災害では、感染症の拡大を防ぐために、基本的には在宅避難が求められます」とのこと。自宅だけでなく、家族や親戚・友人・知人宅など、コロナ禍での災害時に備えて、避難所以外の避難場所も検討しておきましょう。

まとめ

「災害は誰にとっても身近に起こりえること。日常生活の中で常に、『いま災害が起きたらどうすべきか』と考えて行動することが大事です」という、河田先生の言葉が印象的でした。備蓄品や防災グッズも特別に用意するのではなく、普段の暮らしで使っているものを多めにストックし、なくなったら補充する、その繰り返しが大切です。

河田惠昭先生【取材協力】
関西大学 
社会安全学部 特別任命教授 社会安全研究センター 
センター長 河田惠昭先生
防災・減災、危機管理の専門家として、社会安全学の研究、国際・国内シンポジウム、セミナーなどで活躍。岡山県の防災アドバイザーも担当。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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