地震や台風といった災害時に備え、ハザードマップや避難経路の確認、備蓄などはもちろんですが、現代の生活様式に合わせた具体的な備えはできているでしょうか。

東日本大震災から 11 年を迎えた今年は、ケースバイケースの「備え」について、関西大学社会安全学部特別任命教授で岡山県防災アドバイザーも務める河田惠昭(かわたよしあき)先生のご意見と共に紹介します。

オール電化住宅で停電したら?

オール電化住宅
オール電化住宅では、災害に伴う停電時にソーラー蓄電池が重宝する(画像素材:AdobeStock)

オール電化の住まいで暮らす人も多い昨今。火元がないぶん火災のリスクは少ないとはいえ、災害時は停電などの不安もあります。

電源や熱源(火元)の確保について

オール電化で生活していると、災害時に停電した場合とても困りますね。停電した場合、電源や熱源はどのように確保すればよいでしょうか。

「ハイブリッド車などのバッテリーは、災害時の非常用電源として利用することもできます。熱源にはキャンプやバーベキューなどでも使用するカセットコンロが便利です。カセットボンベがきれていないかなど、定期的にチェックしておきましょう」(河田先生)

寒さ、暑さ対策について

真冬や真夏に停電が続いた場合、寒さや暑さが命の危険につながることもあります。対策はどうしたらよいでしょうか。

「寒さ対策のために、使い捨てカイロは常備しておきましょう。また石油ストーブなら停電時にも使えます。厚着して防寒する人もいますが、津波や水害などが発生した場合は水で重たくなりますし、濡れて低体温症を引き起こすこともるので注意が必要です。また夏は、熱中症対策として水分補給に加え、身体を冷やすことも必要です。生ものやケーキなどを購入した際に付いてくる保冷剤は、普段から冷凍庫にストックしておきましょう」(河田先生)

また、カセットコンロと同じカセットガスで使用できる「カセットガスストーブ」もあります。こちらも停電時の寒さ対策には役に立ちそうです。

カセットガスを使用する「カセットガスストーブ」
カセットガスを使用する「カセットガスストーブ」があると便利(画像素材:フォトAC)

電源からの火災も注意

「また、オール電化だからといって火事が起きないとは言えません。1995年の阪神・淡路大震災では通電火災が多数発生しました」と河田先生。

通電火災とは、電化製品などを使用中に地震や台風で停電した場合、電力が復旧して通電した際に起こる火災のことです。電源オン状態の電化製品に倒れた可燃物などが触れて火が出たり、災害で損傷した製品自体や配線に通電されたりして、火災が発生してしまうのです。災害時はこうした通電火災を防ぐためにも、ブレーカーを落として避難することが大事です。

「電化製品の電源コンセントは、普段から使用しない時には抜く習慣をつけておきたいものです」(河田先生)

備蓄品の収納、どうすべき?

備蓄品の収納
備蓄品や避難グッズは、どこに何をしまっているかを家族全員で把握しよう(画像素材:AdobeStock)

備蓄品や避難グッズなどの防災用品は、「必要な量(3 日分)×家族の人数分」を揃えておく必要があるといわれています。人数によっては量も多くなりますが、普段はどのように収納するのがよいのでしょうか。

「各ご家庭の間取りや状況によりますが、大事なのは、“家族全員がどこに何があるかを把握していること”です」と河田先生。

実際に避難する際、スムーズに持ち出せる場所に収納できているか、いま一度チェックしておきましょう。また、防災グッズを準備した人だけでなく、家族全員に周知して、誰でも取り出せるようにしておくことが大切です。

「あるいは、まず避難し、状況が落ち着いてから取りに帰ってもいいでしょう」(河田先生)

大事なものはサッと持ち出せる工夫を

懐中電灯
懐中電灯はヒモなどを付けてぶら下げておくと持ち出しやすい(画像素材:AdobeStock)

また河田先生は、「1,000円程度の小銭を入れた小袋や懐中電灯を、各部屋に常備しておくと便利です」と続けます。特に大事なものは、停電中の暗闇でもサッと持ち出せるよう、ひもを着けてぶら下げておくとよいそうです。

「置いておくだけだと床に落ちて、避難時に踏んで壊したりケガの原因になったりすることもあるので危険です。眼鏡や入歯などもひも付きの小さな袋に入れて、就寝場所の近くに掛けておくとよいでしょう」(河田先生)

 

河田惠昭先生【取材協力】
関西大学 
社会安全学部 特別任命教授 社会安全研究センター 
センター長 河田惠昭先生
防災・減災、危機管理の専門家として、社会安全学の研究、国際・国内シンポジウム、セミナーなどで活躍。岡山県の防災アドバイザーも担当。

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