うららかな春の訪れとともにやってくる花粉の季節。花粉症の人にとっては、極力花粉を室内に持ち込みたくないものですが、意外と見落としがちなのが「洗濯物」です。花粉の飛散量が少ないからと、あえて「夜干し」にしている人もいるようですが、実は夜のほうが花粉の付着が増えるという調査結果も! そこで今回はお洗濯のプロ・『花王』の福地奈津子さんに、洗濯物への花粉対策について教えていただきました。

花粉の侵入経路の約40%が布団・洗濯物から!

「花粉は、換気のために開けた窓、洗濯物、外出先で付着した衣類や頭髪など、さまざまな経路で室内に侵入してきます」と福地さん。同社が行った過去の調査では、スギ花粉の飛散量がピークとなる3月に室内に持ち込まれる花粉の量は、なんと1日約2,300万個にも上っていたのだとか! 

「注目してほしいのは、そのうちの約40%は、屋外に干していた布団や洗濯物を経由しているということです。健康のためにも換気は必要不可欠ですから、布団・洗濯物に付いた花粉の持ち込みをいかに減少させるかが、室内の花粉量を減らすカギのひとつといえますね」(福地さん)

花王調べ
花王調べ(条件:平均的3~4人家族を想定)※画像提供:花王『くらしの研究』サイト

夜間干しも油断大敵⁉

夜干しでも油断は禁物
夜間は、地面に溜まった花粉が舞い上がるため、洗濯物に花粉が付着する可能性が!?(画像素材:AdobeStock)

花粉症の代表的なアレルギー源の一つがスギ花粉です。スギの雄花は、朝開花して花粉を放出し、夜には飛散が終わります。そのため、夜干しなら大丈夫と考える人も多いようですが「実はこれ、必ずしもそうではないんです」と福地さん。『花王』が行った実験結果によると、日中に地面に溜まった花粉が再び舞い上がり、夜の方が花粉の付着が多かったというデータもあるほど。

「室内への花粉の侵入を防ぐためには、室内干しが最も効果的ですが、外干しの場合は、乾いたらすぐに取り込むようにすることが重要です」(福地さん)

花王調べ
花王調べ(実験条件:洗濯したTシャツをハンガーにかけて干し、そのまま払わずに測定)※画像提供:花王『くらしの研究』サイト

室内への花粉の侵入をブロック! 今すぐ実践したい洗濯物の花粉対策

その1 取り込み方がカギ!

 取り込み方がカギ
洗濯物を取り込む時は、軽くなでるようにして付着した花粉を払い落とすのがコツ(画像素材:AdobeStock)

外に干した洗濯物の花粉の付着量を減らすためには、取り込み方が重要です。

「取り込む際は、手の平で、衣類の表面を上から下に向けて軽くなでるようにして花粉を払い落としましょう。外干し中に付着した花粉は、手で払うだけでも4~6割程度落とすことができます。注意してほしいのは、洗濯物をバサバサと振らないことです。振ると付着した花粉が舞い上がり、吸い込んだり、着衣や頭髪、ほかの洗濯物にまた花粉が付着したりしてしまいます」(福地さん)

付着した花粉を測定
花王調べ(実験条件:屋外に6時間暴露※し、付着した花粉を測定)
※画像提供:花王『くらしの研究』サイト  ※暴露:風雨にさらすこと

[払い方のコツ]
●叩くのではなく、上から下へ向け手のひらでスッと払い落すイメージで
●力を入れすぎない
●バサバサと振らない
●1枚ずつ、ムラなくていねいに行う

布団干しの場合も同様です。取り込む際にパンパンと叩いてしまうと、花粉が舞い上がったり、生地の目に入り込んだりしてしまうので逆効果です。

「さらに布団・洗濯物を取り込む時はマスク着用を習慣にしておけば、花粉をうっかり吸い込む心配がなくなります」(福地さん)

その2 柔軟剤パワーを活用!

柔軟剤
柔軟剤を使うと静電気の発生を抑えることができ、花粉の付着量も軽減できる(画像素材:AdobeStock)

衣類に花粉が付着する原因のひとつは静電気です。柔軟剤を使用すれば、静電気の発生をかなり抑制することができます。また着用時の衣類の摩擦による静電気発生を防ぐ効果も期待できます。

「柔軟仕上げ剤を使用しない時と比べて、衣類への花粉の付着を3分の1以下に抑えることができるのです。布団など、家庭で洗えないものを干す場合には、事前に静電気防止スプレーなどを使用するのもおすすめです」(福地さん)

その3 タオルやニットは室内で!

洗濯干し
生地が凸凹したタオルなどは室内干しが有効(画像素材:AdobeStock)

花粉がピークとなる春先は、室内干しも一案です。生乾きのニオイや、スペースの問題で室内干しを敬遠している人へは、分割干しがおすすめです。

「生地表面が凸凹しているもの(タオルやニットなど)は、ツルツルしているものに比べて花粉が入り込んで取れにくいので室内干しに、そのほかのものは外干しにと分ければ、室内干しの洗濯物の量を減らせます。また、限られたスペースでもしっかり間隔をあけて干せるので乾きやすく、生乾きの嫌なニオイも発生しにくくなります」(福地さん)

[室内干しのポイント]
●衣類と衣類の間は、こぶしひとつ分の空間をあける。
●扇風機やサーキュレーターを利用して風を送る。
●エアコンのドライ機能や除湿器を活用し室内の湿度を下げる。

まとめ

いまや「国民病」とも呼ばれるほど、多くの人を悩ませている花粉症。外出時は仕方がないとしても、せめて家の中にいる時くらいは快適に過ごしたいものですよね。今回紹介した工夫を取り入れて、つらい花粉の季節を乗り切ってくださいね。

【取材協力】
花王株式会社 マーケティング創発センター 生活者情報開発部
マネジャー 福地 奈津子(フクチ・ナツコ)さん

【参考サイト】
花王『くらしの研究』サイト
花粉対策<掃除・洗濯編>
今日から実践!掃除・洗濯でできる花粉撃退テクニック
https://www.kao.co.jp/lifei/support/13/

花粉対策<外出テクニック編>
衣類に付く花粉を家に持ち込まないための対策
https://www.kao.co.jp/lifei/support/26/

花粉対策<布団干し編>
花粉を持ち込まない!布団の干し方テク
https://www.kao.co.jp/lifei/support/39/

冬の静電気対策
パチパチ静電気を防止する3つの対策。服の素材選びにもコツあり!
https://www.kao.co.jp/lifei/support/12/

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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